オユ36形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 06:17 UTC 版)
郵政省所有の郵便車で、1949年(昭和24年)に日本車輌東京支店で6両が製造された。落成時の郵袋室荷重は4 t。 車体は車端絞りのない折妻で、台枠はUF116、台車はTR23Bと呼ばれるTR34の軸箱守に平軸受けを組み合わせたものを採用していた。 本形式の落成時の最大の特徴として車室の前位半分以上を広大な区分室が占め、郵袋室を後位のみに配置した独特のレイアウトをもつことが挙げられる。 これは「通常単送便」と呼ばれるスタイルを採用したことによるものであるが、当時の国内の郵便事情を考えると使い勝手に難があり、のちに室内を従来の郵便車と同様のレイアウトに変更する「通常小包併送用改造」を受けることになるが、「一函一局式」の小口区分棚や車体側面に郵便投函口を設置するなど、のちに製造される郵便車でも採用された要素があることは本形式の評価すべきポイントである。 1 - 5は1954年(昭和29年)度に大船工場で先述の改造を受け、6は1956年(昭和31年)に日本車輛東京支店で施工された改造により郵袋室が拡大され荷重7 tとされたことから重量等級が変わり、仕様が近似するスユ40形に編入され、スユ40 11とされた。 その後1961年(昭和36年)に高砂工場で電気暖房を設備してスユ37形に改造され、1977年(昭和52年)にスユ37 2001(仙フク)・2003(秋アキ)が廃車されて形式消滅した。 新式鉄道郵便車竣功記念特殊通信日付印 「郵政省告示第272号」『官報』1949年12月12日(国立国会図書館デジタルコレクション)
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