エルニーニョ・南方振動の発見とは? わかりやすく解説

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エルニーニョ・南方振動(ENSO)の発見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 13:14 UTC 版)

エルニーニョ・南方振動」の記事における「エルニーニョ・南方振動ENSO)の発見」の解説

1903年インド気象局長官指名されイギリス数理物理学者ギルバート・ウォーカーは、ちょうど整備され始めた世界各国長期間気象データと得意の統計学用いて、「気象要素相互時空間的な相関関係使ってインドモンスーンの予兆を探る」という研究取り組んだ。彼はスタッフ総動員して膨大なデータ同士相関計算取り組み、その相関関係から1928年発表した3つの大気振動一つが「南方振動Southern Oscillation: SO)」だった。ちなみに残り二つは「北太平洋振動」と「北大西洋振動」である。一方で19251926年に強いエルニーニョ起こった際に、たまたま研究のためにペルー訪れていたアメリカの鳥類学者自然保護主義者だったロバート・マーフィー英語版)は、この影響広く調査するために南米気候のための観測網設立して気象観測始めた当初大気南方振動海洋エルニーニョは、それぞれ大気海洋独立した現象思われていた。ところがこの両者関連していることを明らかにしたのが、インドネシアジャカルタにあるオランダ東インド王立磁気気象観測所勤めていた気象学者ヘンドリク・ベルラーヘ(スペイン語版)である。同観測所では南方振動に関する研究行っており、ベルラーヘは1926年東京開催され第3回太平洋学術会議発表されマーフィー南アメリカ西部での気候観測結果手に入れた。彼はこの二つ結果突き合わせて大気現象南方振動海洋現象エルニーニョに高い相関があることを発見し1957年初め両者関連していることを発表した 。これがENSO発見とされている。 なお、このメカニズム解明したのはアメリカUCLA教授だったヤコブ・ビヤクネスである。彼は国際地球観測年IGY)など観測され海洋データ解析しエルニーニョ時のペルー沖の海面の異常昇温は、貿易風弱まるのにともなってペルー沖の海洋深層からの冷たい赤道湧昇止まることで起こるというメカニズム発表した。ヤコブ・ビヤクネスは海面温度東西傾度による大気東西循環ウォーカーによって示され南方振動主要なメカニズムであったことから、1969年にこの熱帯域東西方向大気循環を「ウォーカー循環」と名づけた。

※この「エルニーニョ・南方振動(ENSO)の発見」の解説は、「エルニーニョ・南方振動」の解説の一部です。
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