エタノール生産基盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:27 UTC 版)
「アルコール燃料」の記事における「エタノール生産基盤」の解説
サトウキビは人手あるいは機械により収穫され特製の巨大なトラックで蒸留所へ出荷される。幾百もの蒸留所が国中に存在している。それらは通常、大農場あるいは農業協同組合により生産現場の近くで所有・操業される。サトウキビは臼で圧搾され糖液(garapa)を抽出して、繊維の残留物(バガス、bagasse)を除去する。糖液はイースト菌で発酵し、ショ糖はCO2とエタノールに分解される。得られる"原酒"は蒸留され、含水エタノール(水は5%重量パーセント)の"鉱油"が得られる。酸性の蒸留残渣(vinhoto) は石灰で中和され、肥料として販売される。含水エタノールは(エタノール自動車用に)そのままで販売されるか、脱水して(ガソホール車用に)ガソリンの添加物として利用される。いずれの場合も、バルク製品は国立の石油会社(Petrobras)に国定の価格で販売される。1トンのサトウキビ収穫が加工プラントに出荷され、約145kgの乾燥繊維(bagasse)と138Kgのショ糖が含まれている。そのうち、112kgが砂糖として抽出され、23kgが価値の低い糖蜜に残る。サトウキビをアルコールに加工する際、抽出されたショ糖全部を使ったとすると72リットルのエタノールが得られる。バガスを燃やすと蒸留と乾燥のための熱が得られる。そして(低圧ボイラーと低圧タービンから)約80kWhの電力が得られ、そのうち約50kwhがプラント用に使用され、30kWhが公共向けに販売される。 アルコール製造の平均コストはガロン当り0.63US$である。世界市場におけるガソホール価格はおおよそガロン当り1.05US$である。私企業のアルコール産業は耕作地の拡大と農業技術の改善に多額の投資を行った。その結果、年を経るにしたがって平均アルコール収量は複利的に増大し、1978年から2000年で3,000であったものが5,500リットル/ヘクタール(0.30のものが0.55リットル/m2)となり、年率3.5%の成長であった。
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