エスプレッソマシン
エスプレッソマシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 18:53 UTC 版)
電気式の自動エスプレッソマシンでは、まずエスプレッソ用に細かく挽かれた豆を、脱着可能なレバー形状のフィルターホルダー(通常ポルタフィルターと呼ばれる)の先端に装着しておいた金属製のバスケットの中へタンパーで押し込める。これをタンピングという。均等に押し込めたらマシンの抽出口(グループヘッドと呼ぶ)にセットし、高圧で沸騰水を通しコーヒー液を抽出する。マシンによって仕上がりは異なるが、エスプレッソには黄金色の泡が浮かぶ。これはコーヒー豆の油分やタンパク質に由来するもので「クレマ」と呼ばれ、甘さの元であると言われる。この上に砂糖を浮かべて飲み干す。 エスプレッソマシンには、抽出時間や圧力などを手動で調整するなど複雑な操作を必要とする物もあり、細かく要望に応じた味を引き出すことが出来る。この技能に精通し、また以下に述べるバリエーションドリンクを淹れるにあたって、コーヒーに浮かべるフォームミルクに模様を入れる(ラテアート)など、専門の技能を持った者をバリスタと呼ぶ。 逆に、より簡便に利用できるように設計された、使い捨てカートリッジを用いるタイプのエスプレッソマシンもある。このカートリッジタイプのエスプレッソマシンは、日本ではネスレ社のネスプレッソが普及している。欧州では複数の規格が存在し、互換性がない。 イタリアのイリー社が開発し特許を取得したEasy Serving Espresso (E.S.E.) 規格のカフェポッド(エスプレッソポッド)は、日本でも普及している。「ポッド」とはエンドウマメのさやを意味する。カフェポッドはエスプレッソ1杯分に相当する約7 gの豆を焙煎し挽いたものを紙パックにし適度な圧力をかけて整形されている。適切に挽かれているだけでなくバスケット内部へのタンピングも不要であり、使用後も豆が散らずに片付けやすいため初心者にも扱いやすい。バスケットは粉用と同じく金属製でフィルターホルダーより脱着可能だが厚みはより薄く、カフェポッド装着の上にゴム製の蓋を被せる。 メーカーによってはカフェポッドを個別包装して鮮度の面での差別化を図っている。様々なロースターが味に工夫を凝らしたカフェポッドを発売している。サエコ社やデロンギ社では E.S.E. 規格(44ミリメートル径)、ネスレ社では自社開発であるネスプレッソ・カプセルに対応したエスプレッソマシンを販売している。
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