ウルガタの成立から中世までとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ウルガタの成立から中世までの意味・解説 

ウルガタの成立から中世まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 02:53 UTC 版)

ウルガタ」の記事における「ウルガタの成立から中世まで」の解説

ヒエロニムス以前にも、editio Vulgata , 『ウルガタ』という名称は用いられていたが、これは古ラテン語聖書指していた。つまり、すでにヒエロニムス時代において聖書は完全なものから断片的なものまで多くラテン語訳存在していたのであるヒエロニムス業績はそれらのラテン語訳ふまえた上で原語参照しながらラテン語訳決定版完成させたことにある。 ローマ滞在していたヒエロニムス紀元382年時の教皇ダマスス1世の命によってラテン語訳聖書校訂にあたることになり、初めに新約聖書とりかかった。四福音書は、古ラテン語訳をギリシャ語テキストつきあわせ誤っている部分訂正した。他の文書に関してはほぼそのまま古ラテン語訳を用い、ここにヒエロニムスによる新約聖書最初校訂版完成した386年パレスチナ移ったヒエロニムス旧約聖書校訂とりかかったはじめに七十人訳聖書オリゲネスヘクサプラ(六対照旧約聖書)を使ってヨブ記詩篇歴代誌伝統的にソロモン帰属される諸書イザヤ書4055章を訳した385年頃~89年頃)。その後パレスチナユダヤ人教師の手借りヘブライ語学んでヘブライ語でかかれマソラ本文からの訳に取り組み390年頃~405年頃)、旧約完成させた。旧約聖書のうちでいわゆる第二正典に関しては、トビト記ユディト記、またダニエル書エステル記補遺急ぎ足訳したのみで、その他には手をつけなかった。なお、ヒエロニムス訳の詩篇3種存在する。それは(1)ローマ詩篇七十人訳による詩篇古ラテン語訳を改訂したもの、(2)ガリア詩篇古ラテン語訳を、マソラ本文対応させるため改訂したもの、(3)ヘブライ詩篇マソラ本文から直接訳したのであるこのようにして成立したヒエロニムスによる聖書ラテン語訳いわゆるウルガタ』であり、意味の明快さ文体華麗さにおいて、従来ラテン語訳はるかにしのぐ出色出来となった5世紀には『ウルガタ』は西方世界では名が通るものとなり、中世初期には西欧全域広く用いられるようになっていた。 中世においても『ウルガタのみならず古ラテン語聖書並行して用いられていたため、写本作成時のミスあいまって徐々にウルガタ』がもともと持っていた純粋さ失われていった。しかし、カロリング朝ルネサンスにおけるアルクィンらの校訂や、13世紀パリ大学における校訂事業などを通じてウルガタ』本来の文体復元維持する活動続けられていた。

※この「ウルガタの成立から中世まで」の解説は、「ウルガタ」の解説の一部です。
「ウルガタの成立から中世まで」を含む「ウルガタ」の記事については、「ウルガタ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ウルガタの成立から中世まで」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ウルガタの成立から中世まで」の関連用語

1
ウルガタ 百科事典
16% |||||

ウルガタの成立から中世までのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ウルガタの成立から中世までのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのウルガタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS