インターメディアツヤクワガタとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 昆虫類 > クワガタ・カブト > インターメディアツヤクワガタの意味・解説 

インターメディアツヤクワガタ

インターメディアツヤクワガタ

インターメディアツヤクワガタ
インターメディアツヤクワガタ
画像提供:ドルクスダンケ

ダールマンツヤクワガタ

(インターメディアツヤクワガタ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/20 17:26 UTC 版)

ダールマンツヤクワガタ
ダールマンツヤクワガタ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : コガネムシ上科 Polyphaga
: クワガタムシ科 Lucanidae
亜科 : クワガタムシ亜科 Lucaninae
: ツヤクワガタ属 Odontolabis
: ダールマンツヤクワガタ O. dalmanni
学名
Odontolabis dalmanni
Hope et Westwood, 1845
和名
ダールマンツヤクワガタ
キンケツヤクワガタ
オオキバオニツヤツヤクワガタ(インターメディア)

ダールマンツヤクワガタ (Odontolabis dalmanni) は、昆虫綱コウチュウ目(鞘翅目)クワガタムシ科に属するクワガタムシの一種。原名亜種を和名ではキンケツヤクワガタ金毛艶鍬形虫)とも言う。

分布

ミャンマー南東部、タイ南西部、マレー半島スマトラ島ボルネオナツナ諸島、ラウト島、タレンパ島、カリマンタン島に原名亜種が分布する。

特徴

メス

原名亜種はツヤクワガタ属の代表種で、体長は42-80mm程になる。前羽根にはミヤマクワガタのような金色の微毛が生えている。大顎の形態は先端に鋸状の内歯が5-6本ほど生え、小型個体は顎が短くなる。

生態

標高1000m以上の高地の熱帯雨林帯に生息している。

夜行性だが、昼夜問わずに活動し、カシ類やの樹液等に集まる。幼虫は倒木の下の腐植土や白枯れ材の腐朽の進んだ箇所に住み、土中を繭のように周囲を食べながら成長し、約2年半で成虫となる。飛翔性も高く、灯火にも集まる。

インターメディアツヤクワガタ

亜種で、前羽根に毛が生えないインターメディアツヤクワガタOdontolabis intermedia dalmanni)がフィリピンに生息し、パラワン島ネグロス島パナイ島シブヤン島セブ島に生息し、フィリピン特産種であるアルケスツヤクワガタと棲み分けているが、場所によっては、両者が混在する場合がある。

体長は小型で38mm、最大で106mm。アルケスと同様にツヤクワガタ類やクワガタムシ全般でも最大級の種となる。小型個体は少なく、多くは中型個体と大型個体で占められる。

アルケスとの違いは本種の方がより体色の光沢が強く、全体に漆を塗ったような姿をしている。本種の方が細身であり、中型個体はアルケスによく似ているが、胸の裏側部分にカギ状の突起が発達していない事で、アルケスと見分けられ、大型個体は先端部の他に、基部付近に大きな内歯が発達するが、アルケスには生えてこない。また、生きている成体を比較すると、雄、雌とも触角をせわしなく動かしているアルケスとは対照的に、あまり触角を動かさない。

非常に好戦的で、相手が近づくと大顎を振り上げて威嚇し、大きく発達した大顎で相手を挟み込む。雄は激しく争い、ヒラタクワガタフタマタクワガタ程狂暴ではないものの、気の合わない雌を殺してしまう事もある。

生態的には原名亜種と、アルケスとほぼ同じ。細身の体の分、力ではアルケスに劣るものの、本種の方が素早く、飛翔性が高い。

本種はダールマンツヤクワガタの亜種の一つとして扱われているが、大顎形態の違い(基部の大きな内歯は本亜種にのみ発生する)と前羽根に毛が生えていない事から、一部では独立種として見る場合もある。長い大顎から、古い和名ではオオキバオニツヤクワガタ(大牙鬼艶鍬形虫)とも呼ばれた。

飼育

主にインターメディアが大型で見栄えが良いことから、輸入量が本亜種で一番多くなる。原名亜種はあまり入らないが、O. d. rudicaeも輸入される事がある。

発酵の進んで黒っぽくなったマットやカブト用のマットを小型のコンテナに3-5cmほど堅くつめ、さらに容器の7割程度の深さになるまでマットを追加する。このときマットの水分量は、手で握って固まりになる程度を目安とする。このセットで容易に産卵できる。幼虫は大食漢で巣を作り、菌糸ビンの残りや使用済みマットなどを与えるとよい。また前蛹時に繭玉を壊してしまうと死亡する確率が高くなる。成虫までの期間は、雄は1.5-2年、雌で1年以上もかかる。寒さに弱く、成長が遅い事を除けば、比較的飼育は簡単である。ただし、大型、大歯型のオス成虫の育てるには難易度が高く、通常の飼育をした場合大半は小歯型になってしまう。大歯型を飼育するには低温飼育や大型のケースを用いるとよい。 

亜種

10亜種に分けられる。

  • 原名亜種 O. d. dalmanni (Hope et Westwood, 1845)
    インドシナ半島・マレー半島・スマトラ島・カリマンタン島・ラウト島・カリマタ島・ナツナ諸島・タレンパ島
  • インターメディアツヤクワガタ O. d. intermedia (Van de Poll, 1889)
    パラワン島・ネグロス島・パナイ島・シベルト島 ・シブヤン島・セブ島
  • O. d. gracilis (Kaup, 1868)
    ニアス島
  • O. d. simeuluensis (Mizunuma, 1994)
    シムルエ島
  • O. d. batuensis (Mizunuma, 1994)
    バツ諸島
  • O. d. subita (Mizunuma, 1994)
    メンタウェイ諸島
  • O. d. rudicae (Nagai et Tsukamoto, 2003)
    ミンドロ島
  • O. d. sulaensis (Mizunuma, 1994)
    スーラ諸島
  • O. d. tahulandangensis (Mizunuma, 1994)
    タフランダン島
  • O. d. celebensis
    スラウェシ島・ペレン島・バンクル島・サンギール諸島(タフナ島)・ワンギワンギ島 

参考文献

  • 『人気の外国産をふくむ クワガタムシ カブトムシ 海野和男 』ネイチャーフォトグラファー、2000年。ISBN 4415027350 
  • 『憧れの虫を飼おう! 世界のカブト・クワガタムシ 川上洋一 』人類文化社、2000年。ISBN 4415027350 
  • 吉田賢治『世界のクワガタムシ カブトムシ』成美堂、2005年。ISBN 4415027350 

関連項目


インターメディアツヤクワガタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/10 13:39 UTC 版)

ダールマンツヤクワガタ」の記事における「インターメディアツヤクワガタ」の解説

亜種で、前羽根に毛が生えないインターメディアツヤクワガタ(Odontolabis intermedia dalmanni)がフィリピン生息しパラワン島ネグロス島パナイ島シブヤン島セブ島生息しフィリピン特産種であるアルケスツヤクワガタ棲み分けているが、場所によっては、両者混在する場合がある。 体長小型で38mm、最大で106mm。アルケス同様にツヤクワガタ類やクワガタムシ全般でも最大級の種となる。小型個体少なく多く中型個体大型個体占められるアルケスとの違いは本種の方がより体色光沢強く全体に漆を塗ったような姿をしている。本種の方が細身であり、中型個体アルケスによく似ているが、胸の裏部分カギ状の突起発達していない事で、アルケス見分けられ大型個体先端部の他に、基部付近に大きな内歯発達するが、アルケスには生えてこない。また、生きている成体比較すると、雄、雌とも触角せわしなく動かしているアルケスとは対照的に、あまり触角動かさない。 非常に好戦的で、相手近づく大顎振り上げて威嚇し大きく発達した大顎相手挟み込む。雄は激しく争いヒラタクワガタフタマタクワガタ狂暴ではないものの、気の合わない雌を殺してしまう事もある。 生態的には原名亜種と、アルケスとほぼ同じ。細身の体の分、力ではアルケスに劣るものの、本種の方が素早く飛翔性が高い。 本種はダールマンツヤクワガタ亜種一つとして扱われているが、大顎形態違い基部大きな内歯は本亜種にのみ発生する)と前羽根に毛が生えていない事から、一部では独立種として見る場合もある。長い大顎から、古い和名ではオオキバオニツヤクワガタ(大牙鬼艶鍬形虫)とも呼ばれた

※この「インターメディアツヤクワガタ」の解説は、「ダールマンツヤクワガタ」の解説の一部です。
「インターメディアツヤクワガタ」を含む「ダールマンツヤクワガタ」の記事については、「ダールマンツヤクワガタ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「インターメディアツヤクワガタ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



インターメディアツヤクワガタと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インターメディアツヤクワガタ」の関連用語

インターメディアツヤクワガタのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インターメディアツヤクワガタのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
イークワドットコムイークワドットコム
Copyright (c) 2025 e-kuwa.com. All Rights Reserved
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのダールマンツヤクワガタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのダールマンツヤクワガタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS