イノセンス・プロジェクトとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > イノセンス・プロジェクトの意味・解説 

イノセンス・プロジェクト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/20 02:23 UTC 版)

イノセンス・プロジェクトInnocence Project)は、DNA鑑定によって冤罪証明を行う非営利活動機関。 アメリカ合衆国日本カナダ英国韓国台湾オーストラリアニュージーランド南アフリカ(Wits Justice Project)[1]で行われている[2][3]

年表

  • 2007年懲役45年を受けていたJames Calvin Tillman は18年の投獄の後、イノセンス・プロジェクトにより潔白証明
  • 2009年12月、35年投獄されていたJames Bain はイノセンス・プロジェクトのDNA鑑定により潔白証明[7][8]
  • 2010年6月、1986年から投獄されていたBarry Gibbsの潔白証明[9][10]
  • 2010年9月、Kevin Keithはイノセンス・プロジェクトの証拠提示により減刑[11]

[12][13][14]

  • 2011年1月23日時点、DNA鑑定により、アメリカ合衆国の受刑者266人の潔白証明[15]

日本のイノセンス・プロジェクト

日本におけるイノセンス・プロジェクト(Innocence Project Japan(略称:IPJ))は、2016年4月、アメリカの活動を参考にして弁護士などの司法実務家,法学者,心理学者,情報科学者,一般市民などの有志により設立された[16]

IPJにおいては、被告人・(元)受刑者・ご家族・支援者・(元)弁護人などから支援の申し込みを受け、DNA型鑑定などの科学鑑定により、「えん罪」であることを明らかにできるかどうかを検討し、構成メンバーの科学者や法学者への相談、弁護士の間での議論を経て、基準に合致していれば、支援決定を行うものとされている[17]。支援決定を受けた事件については、協力する科学者のネットワークを利用して、協力科学者に依頼をしたり、専門家を紹介したり、鑑定に関するアドバイスが行われ、事件によっては、構成メンバーの弁護士が再審請求等を行うこともあるという[17]。 なお、IPJは支援にあたって報酬を受け取らず、全て無償による支援が行われる[17]

実際にIPJが関与し、無罪判決を得た事件としては湖東記念病院事件や大阪AHT事件があり、現在は今西事件などが支援事件とされている[18]

関連項目

イノセンス・プロジェクトによる潔白証明

外部リンク

注釈

  1. ^ Gordin, Jeremy (2009年8月). “The Justice Project”. Witwatersrand, SA: Wits Journalism Programme. 2011年1月4日閲覧。
  2. ^ About Us”. Innocence Project. 2006年12月12日閲覧。
  3. ^ Mission Statement”. Innocence Network. 2006年12月12日閲覧。
  4. ^ Facts about Wrongful Convictions >>Mistaken Eyewitness Identifications”. Mid-Atlantic Innocence Project. 2006年12月12日閲覧。
  5. ^ 朝日新聞グローブ (GLOBE)|The Author―著者の窓辺 バリー・シェック”. 朝日新聞グローブ. 2009年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。
  6. ^ Frequently Asked Questions”. Innocence Project. 2008年1月19日閲覧。 [リンク切れ]
  7. ^ “US man freed by DNA evidence after 35 years in prison”. BBC News. (2009年12月18日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8419854.stm 2009年12月19日閲覧。 
  8. ^ “Man exonerated, freed from prison after 35 years”, CNN, (December 17, 2009), https://edition.cnn.com/2009/CRIME/12/17/florida.dna.exoneration/index.html 2009年12月22日閲覧。 
  9. ^ Marzulli, John. “Barry Gibbs, man framed by 'mafia cop,' gets $9.9M settlement for 18-year prison sentence”. New York Daily News. 2010年7月6日閲覧。
  10. ^ JOYCE PURNICK, "METRO MATTERS; 19 Years Late, Freedom Has A Bitter Taste", New York Times, 3 Oct 2005, accessed 14 Aug 2010
  11. ^ "An Innocent Man on Ohio's Death Row" http://www.kevinkeith.org/, KevinKeith org, 2010-09-05
  12. ^ Driehaus, Bob (2010年9月2日). “Ohio’s Governor Spares Life of a Death Row Inmate”. New York Times (New York): p. A13. https://www.nytimes.com/2010/09/03/us/03ohio.html 
  13. ^ 'Death and Destruction" http://www.criminalbrief.com/?p=13637, Criminal Brief
  14. ^ Welsh-Huggins, Andrew (2010年9月3日). “Kevin Keith: Clemency overrides unanimous parole board decision”. Mansfield News Journal (Mansfield, Ohio). http://www.mansfieldnewsjournal.com/article/20100903/NEWS01/9030311/Kevin-Keith-Clemency-overrides-unanimous-parole-board-decision 
  15. ^ Case Profiles”. Innocence Project. 2006年12月12日閲覧。
  16. ^ 日本版「イノセンス・プロジェクト」始動、えん罪事件の弁護人がDNA鑑定めぐり議論”. www.ipjapan.org. 2022年8月17日閲覧。
  17. ^ a b c イノセンス・プロジェクト・ジャパン Official web site”. イノセンス・プロジェクト・ジャパン Official web site. 2022年8月17日閲覧。
  18. ^ 支援の実績”. イノセンス・プロジェクト・ジャパン Official web site. 2022年8月17日閲覧。

イノセンス・プロジェクト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:45 UTC 版)

DNA型鑑定」の記事における「イノセンス・プロジェクト」の解説

近年無実受刑者刑務所から釈放するための証拠としてDNA型鑑定利用した実例数多く報道されている。DNA型鑑定は、有罪裏付けするのと同様に無実受刑者護る役割果たしている。 1992年ニューヨークで弁護士のバリー・シックとピーター・ニューフェルドがイノセンス・プロジェクトを発足させた。このプロジェクトアメリカ合衆国オーストラリア40上の法科大学市民団体から構成する巨大プロジェクト成長している。 具体的にアメリカ合衆国イリノイ州死刑判決では刑確定後のDNA型鑑定受刑者容疑晴れ州知事により死刑執行停止された。 イノセンス・プロジェクトは無実の罪投獄され受刑者232人(うち死刑囚17人)が、最新DNA型鑑定により刑務所から釈放された。 これら誤って有罪判決受けた受刑者達はDNA型鑑定がいまだ開発中1980年代半ば以前誤った目撃証言状況証拠に基づき有罪判決受けていた。幸運な事に、釈放され232名+17名はDNA型鑑定のための証拠資料一部警察長期保管されていた。これらのことが刑事司法制度対す理解徐々に変えつつある。 近年プロジェクト参加する法科大学教職員は、受刑者無実証明するために数千件にも及ぶDNA型鑑定要請注意深く精査している。しかし有罪判決後DNA型鑑定実施されても被告人巻き込む事態になる事もしばしばである。これは受刑者の8割が無実唱えDNA型鑑定要請していることにある。この事により法科大学教職員新しく証拠発見され場合にのみDNA型鑑定実施している。 このプロジェクトにより多く州政府が法案整備推進し連邦政府レベルでもDNA型鑑定のために予算処置進められた。DNA型鑑定刑事司法制度将来確実に影響与えると考えられている。 日本では、これらの法整備未着手であり、現実的に警察研究機関予算縮小方向進められ世界的時流逆行している状態にある。

※この「イノセンス・プロジェクト」の解説は、「DNA型鑑定」の解説の一部です。
「イノセンス・プロジェクト」を含む「DNA型鑑定」の記事については、「DNA型鑑定」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「イノセンス・プロジェクト」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イノセンス・プロジェクト」の関連用語

イノセンス・プロジェクトのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イノセンス・プロジェクトのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイノセンス・プロジェクト (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのDNA型鑑定 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS