イタリア軍反撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 08:49 UTC 版)
「アブステンション作戦」の記事における「イタリア軍反撃」の解説
上陸から何時間も経たない内に連絡を受けたイタリア空軍のサヴォイア・マルケッティ SM.79、サヴォイア・マルケッティ SM.81の編隊が島の上空に現れた。イタリア空軍の対地攻撃は主にコマンドスが駐留する港や丘の上に行われたが、その際に停泊していた砲艦「レディバード」が損傷して3名の水夫が負傷した。燃料も少なくなっていた「レディバード」は不要とされた海兵隊24名を再度乗船させてハイファへ退却したが、「レディバード」の離脱によってコマンドスと地中海艦隊司令部が設置されているアレクサンドリアとの無線連絡が途絶した状態になってしまった。コマンドスとの通信が途絶した後、キプロス島から出撃していた増援部隊はアレクサンドリアへ撤収するように作戦が変更された。 2月27日、今度はイタリア陸軍とイタリア海軍の反撃が朝方に開始された。水雷艇「ルポ」、「リンス」が3.9インチ砲でカステロリゾ島に砲撃を行い、同時に乗艦していた240名の陸軍兵を島に揚陸した。砲撃で島の市庁舎などに陣地を建設していたコマンドスに3名の死者と7名の負傷者が発生した。コマンドスからイタリア軍の本格的な反撃を連絡された「ヘレワード」の艦長は島から40マイルほどはなれた場所で「デコイ」と合流して揚陸の妨害を行ったが、イギリスの駆逐艦2隻はイタリア海軍の水雷艇を揚陸完了までに発見できなかった。「ヘレワード」は艦隊司令部にイタリア側の反撃によって「ロサウラ」に乗船する増援部隊の上陸は困難な状態になっており、作戦を続行する事は危険であると報告した。報告を受けてシャーウッド・フォレスターズ中隊の上陸は一旦延期され、中隊は「ロサウラ」から駆逐艦「デコイ」と「ヒーロー」に移り、より厳重な防備で上陸することになった。部隊再編の為に作戦参加艦艇はすべてアレクサンドリアへ帰港するように命じられたが、再編中に急病によって輸送艦隊の司令官が交代されて一層に作戦は混乱した状態に陥った。 一方のイタリア側も高い波のために28日朝まで海軍の揚陸作戦は中断していたが、既に上陸したイタリア陸軍部隊240名は孤立したブリティッシュ・コマンドスへの攻撃を続け、空軍の爆撃も継続された。コマンドスは24時間分の装備しか持っておらず、長期化する戦いの中で疲弊していった。
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