イギリスの公認宗教制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 00:01 UTC 版)
「政教分離原則」の記事における「イギリスの公認宗教制度」の解説
「イングランドとニューイングランドにおける政教分離の歴史」も参照 イギリスにはイングランド国教会があり、日本のような意味での政教分離原則は採られてはおらず、広義での公認宗教制度をとる。イングランド教会は、国教会制定法を通じて議会によってコントロールされている。また、女王は国教会の主教任命権を有しており、国王はイングランド教会の「至上の支配者」である一方で国教会を信仰し、国王の戴冠式は国教会で執り行われる。イギリスには憲法が存在せず、信教の自由について憲法上の保障はないが、イギリスは、ヨーロッパ人権規約(1953年)の調印国であり、1998年の人権法によって、同規約を国内法の一部とし、人権規約9条の信教の自由に依拠して裁判所で適合か不適合かが判断される。大戦中の1944年、戦費による財政圧迫で義務教育の維持が困難となったため国教会とカトリックによる支援を求めて、教育法が制定された。1944年教育法では学校教育の中で宗教礼拝が規定された。1988年教育改革法では、宗教教育は基本カリキュラムの一部と位置づけられ、イギリスの宗教的な伝統が主としてキリスト教であるという事実を反映しなければならないと明確に定められた。なお、両親が子供に宗教教育を受けさせない権利を認められているが、公立学校での礼拝はキリスト教的なものでなければならないと定められている。
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