アーティストモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/02 09:50 UTC 版)
「ギブソン・ES-335」の記事における「アーティストモデル」の解説
「Mr.335」の愛称で知られるラリー・カールトンはES-335を愛用する最も著名なギタリストの1人であり、彼が所有する1968年製のES-335を元にしたシグネチャーモデルが発売されている。 1964年から1970年にわたって製作されたアーティストモデルである2種類のトリニ・ロペス・モデルは、いずれもES-335を基にしたギターである。 トリニ・ロペス・スタンダードはセミ・アコースティック構造でES-335と基本的な構造はさほど変わらない。 トリニ・ロペス・デラックスはボディがやや厚めのフル・アコースティック構造で、SGのような鋭いフロレンタイン・カッタウェイが特徴的であり、トリニ・ロペス本人も主にこちらをステージで使用した。スタンダードに比べ生産された本数が少なく300本余りが生産された。 どちらもビジュアル面に大きな特徴を持ち、通常はf字のサウンドホールが細長い菱形(ダイヤモンド・ホール)に変わり、ネックはファイヤーバード・リバースタイプを流用しフェンダーのモデルのようなペグが片側一列に並んだデザインになっている。また、トラピーズタイプのテールピースには、トリニ・ロペスのロゴが入った専用のシグネチャーエンブレムが付けられている。ポジションマークもカスタムモデルの象徴であるスプリット・ダイヤモンドを意識したものになっている。 フー・ファイターズのデイヴ・グロールがこのモデルを改造して愛用しており、グロールの愛器を元に2007年に限定生産されたグロールのシグネチャー・モデル「DG-335」が、トリニ・ロペス・スタンダードの初の実質的なリイシューとなった。2009年にトリニ・ロペス・スタンダード自体がギブソン・カスタム・ショップにてリイシューされたが、サウンドホールの内側のバインディングが無かったり、ノーマルのトラピーズ・テイルピースもしくはストップ・テイルピースに変更されたりと細かい違いがある。2014年のリイシューでオリジナル通りのエンブレム付きテイルピースが装着された。 B.B.キングは、ES-335をメインギターに据えた最初の著名ギタリストであるが、同時に「ルシール(Lucille)」と名付けられたES-355を、キャリアのほとんどを共にしていることは有名。彼とギブソン社とのエンドース契約は1980年に始まったが、この契約で使用された「ルシール」のシグネチャーモデルは基本的にはfホールのない黒色のES-355である。一方のあまり知られていない「ルシール」モデルでは、ES系ギターで通常用いられるマホガニー製ネックではなくメイプルネックが採用されており、よりはっきりとしたアタック感のあるサウンドとなっている。 2017年には日本のギタリスト生形真一のシグネチャーモデルとして、ギブソンからトリニ・ロペスを意識した菱形のサウンドホールを持ったエボニーカラーのES-355が限定生産された。2020年には傘下ブランドのエピフォンから廉価モデルが生産された。
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