アルバムジャケット問題とリリース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 03:55 UTC 版)
「トゥー・ヴァージンズ」の記事における「アルバムジャケット問題とリリース」の解説
このアルバムで最も有名なのはその内容ではなく、制作中の出来事に関連して、レノンとオノが全裸で写ったジャケット写真である。これは当時2人が同棲生活を送っていた、リンゴ・スターが所有していたロンドン・メリルボーンのアパートで撮影された。陰茎を露出したレノンと、乳房と陰毛を露出したオノが写ったこのジャケット(参照)はイギリスやアメリカだけでなく、全世界で大きな物議を醸した。彼が所属していたビートルズは1968年にアップル・レコードを設立し、以降数年間メンバーは、このレーベルからレコードを発売し続けている。しかし、アップル・レコードのディストリビュート先であったイギリスのEMIやアメリカのキャピトル・レコードは、ジャケット写真に大きな抵抗感を示してこのアルバム発売を拒否した。そのため、イギリスとアメリカでは別のレコード会社(英トラック、米テトラグラマトン)の配給でリリースされた。アメリカ盤は二人の顔のみ印刷された茶色のカバーに入れて出荷された。 日本ではビートルズの作品を販売していた東芝音楽工業(現EMIミュージック・ジャパン)を始めとするあらゆるレコード会社が、猥褻図書販売の容疑で警察の手入れを受けてしまうことを恐れたため、リリース当時には本作は発売されなかった。事実、このアルバムのジャケット写真を掲載した雑誌「フォークリポート」1970年冬の号は、同じ号に掲載されたポルノ小説との合わせ技とは言え、大阪府警と曽根崎署に猥褻文章図画販売の容疑で出版元が強制捜査を受ける事態となっている。 リンゴもこの件に関して「なあ、ジョン。君は良いと思ってやってるのかもしれないけど、ちょっとは僕達の事も考えてくれよ。庇うのが大変なんだから」と忠告している。 1997年にライコ・レコードから初めてCD化され、日本では公式リリースから29年ぶりにビデオアーツ・ミュージックから発売される運びとなった。このリイシューの際に英・米ステレオ盤LPで12曲に分かれていたセクションは、英モノラル盤LP同様「サイド・ワン」と「サイド・トゥー」と名づけられた2つのトラックに統合された。さらに、ボーナス・トラックとしてオノの自作曲「リメンバー・ラヴ」が追加収録されている。
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