アメリカへの導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/21 05:30 UTC 版)
「アメリカ合衆国におけるクズ」の記事における「アメリカへの導入」の解説
クズがはじめてアメリカに紹介されたのは1876年のフィラデルフィア万国博覧会のときであった。また、南東部に持ち込まれたのは1883年のニューオリンズで行われた博覧会のときであった。クズはベランダに植えるための園芸植物として大規模に販売されはじめ、20世紀のなかばにはたんぱく質を豊富に含む牛用飼料、土壌流出を防ぐための植物としても販売され、ダスト・ボウルによる土壌の侵食を解決する手段として、市民保全部隊によって植え付けられた。土壌保全局(英語版)はクズを斜面の土壌流出を食い止める手段として使うことを奨励し、政府の主導により8500万本の苗木が配布され、1ヘクタールあたり19.75ドルの奨励金が配られた。1946年までにクズは推定120万ヘクタールの敷地に植え付けられた。ワタミハナゾウムシ(英語版)の虫害と綿花の不作により複数の農家によって農地が放棄されると、植え付けられたクズはそのまま放置された。アメリカ南東部の気候・環境はクズに好都合であり、クズは事実上、歯止めが効かないほどに繁茂してしまった。1953年にアメリカ合衆国農務省はクズを土壌保護植物の推奨リストから外し、1970年には雑草に指定した。クズは1997年には連邦有害雑草法(英語版)による規制対象に指定されていた。現在、クズはアラバマ州・ジョージア州・テネシー州・フロリダ州・ノースカロライナ州・ミシシッピ州などを中心に、アメリカ南東部の土地300万ヘクタールを覆っている。また、ニューヨークの行政区やオハイオ州のコロンバス、カナダのノバスコシア州などでも報告がある。
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