アフリカとアセアン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:24 UTC 版)
「中華人民共和国」の記事における「アフリカとアセアン」の解説
世界金融危機は突然におこったのではなく、HSBCは2003年に買収したハウスホールドのサブプライムローン関連ビジネスの不振を知っていた。証券の暴落が見えているとき、アフリカの地下資源に目が行くのは当然であった。しかし、このHSBCをふくめ中国経済は機関化される側であったので、アフリカに直接投資ができるほどに立場が強いわけではなかった。 中国は機関化に対して気前よく人民元を払い続けたので、2004年末に外貨準備高は6000億USドルを突破した。中国の為替介入は2005年だけで1000億ドルに迫る勢いで、増えた外貨準備を米国債へ向けているが(同年7月末で2400億ドル強)、実は国際決済銀行が通常業務として運用している。そして、保有する外貨準備はUSドルだけでなかった。 2007年、中国国家開発銀行がバークレイズへ24億ユーロを出資した。中国国家開発銀行は、バークレイズがABNアムロ銀行を買収することができた場合に、先の出資額を最大で98億ユーロまで拡大することを約束した。バークレイズは帝国主義の時代からアフリカでのビジネスに強かったので、出資により開発銀行のアフリカ進出にバークレイズから便宜を図ってもらおうという腹であった。2007年10月25日、中国工商銀行はスタンダードチャータード銀行株を20%も取得し、役員を派遣し、業務提携を進めた。この目的は開発銀行がバークレイズへ出資したのと全く同じである。 こういうのは出資方向と関係なく、主導権は外資が握っているのである。その証拠に中国民生銀行はサンフランシスコのUCBH(United Commercial Bank)を破綻時に買収しようとして連邦準備制度から断られた。 2008年、中国銀行はエドモンド・ロスチャイルド銀行へ20%資本参加すると発表した。 2009年9月、中国工商銀行はタイのACL銀行の株式公開買付を実施すると発表した。ACLはバンコクを拠点とする中堅銀行だが、大株主にバンコク銀行やタイ財務省がいる。工商銀行はバンコク銀行から19.3%を買い入れることで合意し、さらに全株取得をめざしていた。工商銀行はアセアン地域での金融業務展開をねらっていた。
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