アフリカと「黒」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 23:56 UTC 版)
肌が黒い人類、いわゆるネグロイドの存在が他の文明に初めて記録されたのは、7世紀に北部アフリカを支配下に置いたアラブ人が、ナイル川を遡ってサハラ砂漠以南に到達したことに始まる。以後、アフリカの地名にはこの肌の色を語源として名づけられた所もあり、現在の国名に受け継がれているものもある。スーダンは、かつてのイギリス領やフランス領を含めるとアフリカ大陸の1/3を占める広大な土地を意味したが、これはアラビア語が意味する「黒い人」が語源である。 このフランス領スーダンから独立したモーリタニアはムーア人の国という意味だが、このムーアも古代ギリシア語のmauros(肌が黒い人々)を語源とする。ギニアも現在の領土よりも広い地域を指す言葉だったが、これもベルベル人の言葉で「黒い人の土地」を意味した。エチオピアもギリシア語の「aitos(日焼けした)」+「ops(顔)」+「ia(地名接尾語)」の合成語であり、やはり古代ギリシア人にとってサハラ砂漠より南の土地を包括的に示す言葉だった。ソマリアはアムハラ語で「ゾムマ(家畜を持つ人)」という説の他に、ヌビア地方の言葉で「黒い人の国」という意味だという説もある。
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