アナログシーケンサー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 03:43 UTC 版)
「ミュージックシーケンサー」の記事における「アナログシーケンサー」の解説
1960年代にアメリカのロバート・モーグによってミュージックシンセサイザーが電圧制御を基本とするモジュールとしてシステム化され、そのモジュールの一つとしてアナログシーケンサーが登場した。以降、モジュラー型シンセサイザーのオプションとして各社から発売された。 アナログシーケンサーはステップ状の電圧発生器である。パネル面に並んだボリューム(1列当たり8 - 16個)によってVCOに与えるCV(音程制御用の電圧)をあらかじめ設定し、任意のステップ数を一定のリズムで走査することでボリュームで設定したCVと発音タイミングのゲート信号を出力させた。これにより反復されるアルペッジョのパターンであったりリズムパターンであったりといったフレーズを反復自動演奏させる事が可能となった。 大体のアナログシーケンサーはプリセット列として2 - 3列を備えており、演奏中に切り替えることで異なるパターンを演奏できた。またステップ数を演奏中に切り替えることでフレーズにバリエーションを持たせることもできる。移調はVCOに対して鍵盤からのCVを加算するなどの方法でおこなう。 アナログシーケンサーの出力は規格化された制御電圧であるため、音程の制御以外にもたとえばVCFによる音色変化であるとか、VCOでは発生できない超低周波の波形発生などにも応用された。 一部の可搬型シンセサイザーにもアナログシーケンサーが組み込まれるようになったが、コストの面から一般的にはならなかった。
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