アタシの、いちばん、ほしいもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 22:39 UTC 版)
「赤々煉恋」の記事における「アタシの、いちばん、ほしいもの」の解説
引きこもり状態だった女子高生・樹里が家の近所のマンションの12階から飛び降り自殺をした。死んだ今もなお現世を浮遊している樹里は、自分が落ちた植え込みの中でぼんやりするのが好きだった。いつも側を通るオバサンが時々植え込みの方を見ている気がしたが、気のせいだと思っていた。そんな樹里には、「虫男」という奇妙な生き物が見えていた。「虫男」が肩に乗った男性が突然電車に飛び込んだのを見て、それが死と結びつく不吉な存在であることに気付くまで時間はかからなかった。 誰にも気付かれないままただ町をさ迷っていた樹里は、いつか自分の気配に気付き、言葉を交わすほど強い霊感の持ち主に出会えたら、一番ほしいものをくれるように頼みたいと思っていた。誰もが当たり前に持っていて、当たり前過ぎてその素晴らしさを忘れている、「笑顔」を。誰にも見えない樹里には、誰も笑顔を向けてくれない。間もなく、樹里は自分の姿が見える少女・リンゴちゃんと出会う。リンゴちゃんを1人で遊ばせ、買い物から戻ってきた母親を見て、樹里は驚く。彼女の肩や腰に虫男や虫女が張り付いていたのだ。夫に捨てられ、子育てにも疲れ果てていた母親は、娘を道連れに死のうとしていた。自ら命を断った樹里が他人の命乞いなど筋が違うとは思ったが、樹里は必死に神様にお願いをする。 樹里(じゅり) 通学路の途中にあるジョイフルマンションのA棟の12階の非常階段から投身自殺した女子高生。荼毘に付された後も意識が残っており、家や学校をうろついている。 虫男(むしおとこ) 樹里にだけ見える奇妙な生物。見た目はアメンボと人間を足し、手足を3倍くらいの長さに伸ばしたような姿形をしている。メスらしき虫女や子どもらしき小さな個体もいる。 リンゴ 樹里がマンション内の公園で出会った少女。リンゴのような頬をしていたため、「リンゴ」と樹里は呼ぶ。樹里の姿が見え、声も聞こえる。 本島 ミドリ(もとじま ミドリ) 樹里の同級生。
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