薬酒(やくしゅ)
生薬(しょうやく)を酒に浸し、成分を溶出し、砂糖などで味を調えたもの。生薬とは植物、動物、鉱物をそのまま、あるいは簡単に加工し薬用に供するもので、和薬として日本古来のセンブリ・ゲンノショウコなど、漢薬として甘草(かんぞう)・人参(にんじん)・大黄(だいおう)・茯苓(ぶくりょう)・麻黄(まおう)・桂皮・白求(びゃくじゅつ)などがある。これらを浸す酒としてわが国では焼酎や清酒が使われていた。『巻懐食鏡』に、「近世倭俗ニ薬酒ト称スル者 多クハ焼酒ヲ以テ之ヲ醸(かも)ス」とあり、『和漢三才図会』には、「薬物及ビ砂糖ヲ用イ 焼酎或ハ醇酒(もろはく)ニ漬シ 甕口(かめぐち)ヲ封シ 其ノ熟スル時ヲ候(ま)ツテ用フ」とあり、薬酒として紀州(きいのくに)・勢州(いせのくに)の忍冬酒、賀州(かがのくに)・肥後州(ひごのくに)に菊酒、南都(なら)の霙(みぞれ)酒・浅茅酒から淫羊かく(いんようかく)酒、豆淋(とうりん)酒、龍眼(りゅうがん)肉酒、枸杞(くこ)酒、桑酒、黄精酒、地黄(じおう)酒、梅酒、榧(かや)酒、楊梅(やまもも)酒、鶏卵酒(たまござけ)、覆盆子(いちご)酒など現在のホーム・リカーに相当するものまであげている。薬酒の中で嗜好(しこう)飲料とならないものは酒税法上酒類として扱われない。酒類としての薬酒には薬効をうたい薬事法の規定により厚生大臣の許可を得て薬局で売られている薬用酒とそれ以外の薬味酒とがある。
薬酒と同じ種類の言葉
このページでは「焼酎・泡盛用語集」から薬酒を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から薬酒を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から薬酒 を検索
Weblioに収録されているすべての辞書から薬酒を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から薬酒 を検索
- >> 「薬酒」を含む用語の索引
- 薬酒のページへのリンク