その他・隕鉄使用の刀剣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 17:13 UTC 版)
前述の通り、日本で流星刀が製作されるきっかけとなったのは、ロシア皇帝が所有していた鉄隕石を使用した刀に起因がある。この刀は1793年に南アフリカで発見された喜望峰隕鉄から作られ、1810年頃ロシア皇帝アレクサンドル1世に贈られたものである。 ムガル帝国皇帝のジャハーンギールも鉄隕石を使用したナイフと短剣をそれぞれ製作させている。製作させた理由は、「隕鉄を使用した刃物は魔力をもつ」といった伝承を信じてのこととされる(この場合、魔剣としての意味合いを有す)。 日本では他に鉄隕石を使用した両刃の剣である「隕星剣」(四日市市立博物館に展示もされた)も製作されている。天体写真家の大野裕明が刀工の藤安将平に依頼して1992年に製作させた1振りで、これも使用された隕鉄は海外由来。製作された動機は、榎本が製作させた流星刀に影響されての事とされる(1994年に法華が鍛えた純粋隕鉄刀も同様で、流星刀に起因がある)。 現在でも刀工に依頼して流星刀が製作されるが、国内産ではなく、海外産の隕鉄が使用されることが多いとされる。また、隕鉄を使用した日本刀は独特の輝きを有しているとされる(前述のように地球上の鋼を鍛えるのとは異なるゆえ刀工が加工に苦心している)。 貴重な鉄隕石が素材である為、一般の刀剣と比べ、極めて生産数が限られている。また、各国で製作される動機も、実用武器としてではなく、貴重品(呪具・家宝等)として製作されている(前述)。 2016年、イタリア人とエジプト人の研究者から成る調査チームによると、ツタンカーメンの墓で発見された短剣が、隕石を素材としていたとする調査結果が発表された。
※この「その他・隕鉄使用の刀剣」の解説は、「流星刀」の解説の一部です。
「その他・隕鉄使用の刀剣」を含む「流星刀」の記事については、「流星刀」の概要を参照ください。
- その他・隕鉄使用の刀剣のページへのリンク