これが青春だのエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 15:58 UTC 版)
岡田晋吉に東宝テレビ部の応接室に呼ばれた時、「役者はセリフだけで芝居をしようと思ってはいけない。肉体全体を使って表現しなければならない」と演技論を熱っぽく語った。 東宝の三船敏郎以来と言われる「現場に台本を持ち込まない」伝統を守り、自ら率先してスタッフの中に溶け込み、照明のライトを担ぎ、出番がなくとも現場に現れてレフを当て、荷物運びを手伝い、撮影が終わるとスタッフと大酒を飲んだ。最初は疑心暗鬼だったスタッフも竜を自分たちの仲間と認め、リーダーシップに一目置くようになった。 当時のファンの熱狂ぶりは凄まじく、竜が撮影を終えて部屋に戻ると、見知らぬ女性が勝手に料理を作って待っていた逸話があるほどであった。 抜擢前はアルバイトで生活していたが番組に抜擢されると朝から晩まで撮影でアルバイトできずお金が入ってこなくなった。また、当時の安アパートには風呂がなく、銭湯に通っていたが、みんなが裸の自分を嘗め回すように見るので、お客がいない夜遅くでないと風呂に入れず、風呂付のアパートに引っ越させて欲しいと要請した。岡田晋吉はこれ以降、抜擢した新人にギャラの前渡しと風呂付のアパートを世話することにした。 岡田晋吉が『太陽にほえろ!』で松田優作、勝野洋など多くの無名俳優を新人刑事として抜擢したのは、岡田が無名の新人だった竜を『これが青春だ』の主人公に抜擢して成功した経験による。『これが青春だ』は『青春とはなんだ』の主演を務めた夏木陽介が主役を務める予定だったが、クランクイン一か月ほど前に東宝から「夏木に映画の話がきたのでテレビには出演させない。」と一方的通告があり、一か八か新人を主役に抜擢して対処しようと考え、心中覚悟で竜雷太と芸名をつけ主役に抜擢した。当時ドラマの主役を新人が務めるのは全く考えられないことであったが、竜の成功で、岡田晋吉は、「主役が新人でも素質があれば視聴率が取れるドラマを作ることができる」ことを学び、新人刑事が中心人物となる『太陽にほえろ!』の企画を生み出した。
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