このかぎりではない

実用日本語表現辞典

この限りではない

読み方：このかぎりではない

この限りではないとは、ある状況や事例が、全ての場合に当てはまるわけではないことを示す表現である。特定の状況下でのみ成り立つことを認めつつ、他の状況や事例については異なる結果が生じる可能性があることを示唆している。この表現は、一般化や絶対的な判断を避ける際に用いられることが多い。

例えば、「この限りではないが、一部の人々はその方法が効果的であると感じるかもしれない」という文では、その方法が全ての人にとって効果的であるわけではないことを強調している。このような表現は、議論や意見の交換の中で、相手の意見を尊重しつつも、自分の考えを主張する際に役立つ。

また、「この限りではないが、多くの場合、その原因は環境要因によるものである」という文では、その原因が環境要因によるものであることが多いが、必ずしも全ての場合に当てはまるわけではないことを示している。このような表現は、特定の傾向やパターンを認めつつも、例外や異なるケースが存在することを認識していることを示す。

この限りではないという表現は、柔軟な思考や対話を促す効果がある。絶対的な判断や一般化を避けることで、異なる視点や意見を受け入れやすくなり、より多様な状況や事例に対応できるようになる。この表現は、日常会話やビジネスシーン、学術的な議論など、様々なコンテキストで用いられる。

（2023年6月14日更新）

この限りではない

読み方：このかぎりではない

「この限りではない」とは、「規約・規定・契約などで定められた事項が例外的に当てはまらない場合」を示す意味で用いられる定型的な言い回しである。要するに「こういう場合は適用外・対象外とする」場合を挙げる言い方である。

「この限りではない」は、たいていの場合、「ただし、～（例外的事象）～についてはこの限りでない」といった形式か、あるいは「なお、下記の場合については、この限りではない」といって条件を列挙する形式で用いられる。

助詞「は」を除いて「この限りでない」という場合もある。「この限りではない」も「この限りでない」も、どちらも意味や用法は同じである。あえて違いを挙げるとすれば、後者の「この限りでない」の方が文語的といえる。同じ文書での混用は避け、どちらかの言い方に統一するがよい。

敬体（ですます調）の文書では「この限りではない」も「この限りではありません」あるいは「この限りではございません」などの言い方になる。

「この限りではない」の使用例

• 夜間の外出は原則禁止とする。ただし緊急時その他の正当な理由がある場合はこの限りではない。
• 契約者は顧客情報を第三者に開示してはならない。ただし、事前に書面にって当事者の承諾を得た場合はこの限りではない。
• 屋外での情事はむちゃくちゃ人目につくため慎重に場所を選ぶ必要がある。まあ「むしろ見られたい」という場合はこの限りではない。
  

（2010年10月15日更新）