皮膚と脱皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 04:57 UTC 版)
前述のように、甲羅の外側の層は皮膚の一部からできていて、甲板は一枚一枚が鱗に相当する。甲羅以外の皮膚の残りの部分は、他の爬虫類のようなそれよりも小さい鱗から成る皮膚で構成される。 陸棲種では皮膚が大型の鱗で覆われ、乾燥から身を守っている。水棲種では皮膚に大型の鱗がある種は少ない(陸上でも水中にも生息する種はこのかぎりではない)が、これにより皮膚呼吸が可能になり水中での活動時間を長くしている。 水棲カメはヘビのように全部を一度に脱皮することはせず、小さい部分ごとに行う。春から夏に脱皮することが多く、水中にいるときや、カメが木や石などに体がこすれて、皮の薄いシート(薄い樹脂フィルムのかけらのように見える)が剥がれる。日の当たらない場所にいると剥けず、新陳代謝がうまく起こらないため成長せず、細菌が入って腐ってしまうため飼育している場合は剥いてあげる必要がある。リクガメも脱皮を行うが、死んだ皮膚は山状に積層することがあり、それが甲羅の外側の部分を保護するのに役立つ。 一年でおよそどれだけの鱗甲ができるのかを知っていればカメの甲羅の積層によってできるリング模様を数えることで、およそのカメの年齢を見積もることができる。ただし、カメの成長速度は一定ではない上に、鱗甲の一部はときどき剥落するので、この方法はあまり正確ではない。
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