がん対策基本法の改正に関する要望
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 20:36 UTC 版)
「全国がん患者団体連合会」の記事における「がん対策基本法の改正に関する要望」の解説
2006年に議員立法により成立したがん対策基本法は、政府が総合的ながん対策として「がん対策基本計画」を策定することなどを目的に制定された。その後、がん治療が進み、治療後も社会で活躍できる人が増える一方で、通院のため退職を余儀なくされるケースも増えたり、患者数の多いがんに対策の重点が置かれたことで、小児がん・希少がん・難治性がん等が置き去りにされるなど、新たな課題が生じていた。 2015年6月16日、全がん連は「がん対策基本法の改正に関する要望書」を超党派議連「国会がん患者と家族の会」に提出した。また、翌17日には同要望書を、塩崎恭久・厚生労働大臣、正林督章・厚生労働省健康局がん対策健康増進課長、門田守人・厚生労働省がん対策推進協議会会長に提出した。同要望書では、小児がん・希少がん・難治がんの対策、がん患者の就労を含めた社会的な問題への支援、がん患者と家族の権利と尊厳を守るための対策を求めた。 2016年4月22日、超党派議連「国会がん患者と家族の会」が、がん対策基本法改正案に対するパブリックコメントの募集を開始したが、全がん連の要望が盛り込まれていなかったことから、同日、全がん連はステートメント「がん対策基本法改正案パブリックコメントの実施について」を発表した。 2016年5月17日、超党派議連「国会がん患者と家族の会」総会が開催され、全がん連も出席し、がん対策基本法改正案の検討が行われた。全がん連が求めていた「社会的支援」については「がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること」との条文が追記された。「小児がん対策」については「国及び地方公共団体は、小児がんの患者その他のがん患者が必要な教育と適切な治療とのいずれをも継続的かつ円滑に受けることができるよう、必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする」との条文が追記された。一方、「希少がん・難治がんへの対策」については、参議院法制局との検討の過程において法制上盛り込むことが難しいとされたことなどから、改正案に盛り込むことは見送られた。 がん対策基本法改正案は、2016年の第190回国会(通常国会)への提出は見送られたが、その後の超党派議連「国会がん患者と家族の会」の検討により、希少がん・難治がんに係る研究の促進についても条文に追加された。第192回国会(臨時国会)において、2016年11月15日に参議院に議員立法として提出され、翌16日に参議院本会議において全会一致で可決、12月9日に衆議院本会議でも全会一致で可決・成立した。
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