『水滸伝』の高俅
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徽宗に仕える殿帥府太尉であり、宋を操る四姦臣の1人。従弟に高廉、養子に高衙内(高俅の従兄である高三郎の子)がいる。 元々は高二という名のゴロツキで、幇間をして金を稼ぎ、仲間を引き連れ無頼を行なっていた。高二は悪行を重ねたため憲兵に逮捕され、浪人上がりの禁軍師範の王昇の裁きによって、棒叩きの刑罰を喰らった過去を持っていた。だが、彼は多芸な人物で、棒術、相撲、音楽や詩文などに精通し、特に蹴鞠が非常に上手で、その技から人々に「高二」ではなく「高毬」と呼ばれるほどであった。宋の皇族の端王(後の徽宗)に偶然蹴鞠の技を披露したことで端王に惚れ込まれ、側に仕えるようになる。端王が皇帝に即位すると共に取り立てられ、最終的には殿帥府の太尉にまで昇格した。またこの時、高官の地位にありながら「高毬」のままでは余りに酷いということで、「高俅」に改名した。 高俅は典型的な悪人として描かれており、彼と彼の一族は私利私欲のために権力を濫用した。九紋龍史進の師匠であり、自身が恨みを持つ亡き王昇の息子で亡父と同様の禁軍師範・王進の官職を剥奪し、その出奔の原因を生み出した。また、養子の高衙内が王進と同じ禁軍師範の豹子頭林冲の妻を横恋慕していたために、林冲を冤罪に陥れ、柴進が梁山泊へ入るきっかけを作った。物語の最後では方臘討伐後に凱旋し官職についた宋江・盧俊義らの暗殺を謀り、成功させている。そのことを徽宗に責められるが、徽宗も基本的には高俅を信用しているため、特に罰を受ける事はなかった。 水滸伝最大の悪役にもかかわらず、五体無事のまま最終回を迎えた高俅だったが、二次創作小説『水滸後伝』においては失脚して配流される途中で、李応ら梁山泊の残党に遭遇し、それまでの悪事を散々罵られた挙句、鴆毒を盛られて悶死している。
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