『ゲッツ/ジルベルト』とは? わかりやすく解説

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『ゲッツ/ジルベルト』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:49 UTC 版)

イパネマの娘」の記事における「『ゲッツ/ジルベルト』」の解説

世界的にもっとも有名なイパネマの娘」は、ヴァーヴ・レコードから発売されアルバム『ゲッツ/ジルベルト』に収録されバージョンである。1963年3月スタン・ゲッツテナー・サックス)、ジョアン・ジルベルトギターポルトガル語ボーカル)、アントニオ・カルロス・ジョビンピアノ)、アストラッド・ジルベルト(英語のボーカル)の4人はニューヨークA&Rレコーディング・スタジオ英語版)でこの作品録音した通説ではアストラッドは当初歌う予定はなく、夫のジョアンつきあってスタジオ来て、たまたま歌ってみたところ、あまりにできが良かったのでそのままレコーディングされたとの伝説がある。実際にはアストラッドはブラジル若干歌手活動経験もあり、全くの素人ではなかった。アストラッド自身による売り込みがあり、コマーシャリズム面からの手腕に長けたプロデューサークリード・テイラーが、英語を話せ、かつ歌えるアストラッドの商業的価値計算し宣伝効果狙って飛び入り参加ハプニングであった」とする筋書き描いたと言われている(ジョアン・ジルベルトは英語を話せなかった)。 『ゲッツ/ジルベルト』は録音から1年後1964年3月発表された。同年5月ジョアンポルトガル語歌唱部分を(シングル版収まらないという理由で)切り捨てて残りを切り継ぐ形でシングル・カットされた。B面ゲッツ1964年アルバムリフレクションズ英語版)』に収録され「風に吹かれて」であった英語版イパネマの娘」は同年7月18日から7月25日にかけて2週連続ビルボードHot 100の5位を記録また、イージーリスニング・チャートで1位を記録しグラミー賞最優秀レコード賞受賞したゲッツボサ・ノヴァ対す理解十分なものではなく、また彼生来傲慢な性格からジョアンやアストラッドに対して冷淡な態度取った録音後、ゲッツテイラーに「アストラッドにはギャラを出すな」と命令したエピソード知られている)。ジョアンゲッツ横柄な態度ボサ・ノヴァへの無理解テイラービジネス優先扱いに、いたく心証害したスタジオで両者の間に挟まれてしまったトム・ジョビン苦労したというエピソード残っている。 アストラッドは「イパネマの娘」のヒットによってアメリカで人気歌手となったが、ジョアンとアストラッドは程なく離婚している。アストラッドはクリード・テイラー後押しによって多くボサ・ノヴァ曲を英語で歌唱し、「ボサ・ノヴァ女王」とまで呼ばれて世界的にボサ・ノヴァ歌手として有名になったが、実はボサ・ノヴァ発祥の地であるブラジル本国ではこのヒット後もほとんど知名度のない存在であった。なお、アストラッドが片言日本語歌詞で歌うバージョン存在する。 この史実は、ボサ・ノヴァアメリカ的コマーシャリズム蹂躙され代表例として批判されコアボサ・ノヴァ愛好者たちからアルバム『ゲッツ/ジルベルト』およびアストラッド・ジルベルト複雑な扱いを受ける一因にもなっている。

※この「『ゲッツ/ジルベルト』」の解説は、「イパネマの娘」の解説の一部です。
「『ゲッツ/ジルベルト』」を含む「イパネマの娘」の記事については、「イパネマの娘」の概要を参照ください。

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