「立憲君主」についてとは? わかりやすく解説

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「立憲君主」について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 04:41 UTC 版)

ヴィクトリア (イギリス女王)」の記事における「「立憲君主」について」の解説

彼女が即位した際の英国王位はいまだ大きな政治的権力備えていた。とりわけ首相閣僚任免、および外交について大きな影響力持っていた。イギリス不文憲法の国であり、王の権限曖昧なところがあった。公的な地位にあったわけでもないアルバートヴィクトリアに代わって王権発揮するようなことができたのもそのためだったアルバート存命期に王権伸長したが、彼のとともに王権弱体化しヴィクトリア朝末期にはイギリス史かつてないほど王権小さくなり、立憲君主制確立されることになった。しかしヴィクトリア当人自分持っている物を手放すことに非常に抵抗感じ性質であり、立憲君主になる意思などなく、受動的にうなってしまっただけであった女王意見する権利法律認められているが、ヴィクトリアはその留まるつもりはなく、首相陸軍大臣無視して退任した首相軍部などに政治について積極的に諮問した。また政府気に入らない法案推し進める退位する脅迫し、自らを批判するに対して怒り狂って反撃した政府議会決定阻止することができないとしても、その頑固さによって遅延させた。政界人事にも大きな影響力持ち積極的に介入した。 特に女王独断政治進め傾向があったパーマストン子爵に対して女王下僕公務員)や大臣女王に何も相談せず行動起こすことは許さない」という戒めの手紙を送ったことがあった。またその時パーマストンの上ジョン・ラッセル首相に対して「1、外務大臣何を行おうとしているか女王明確に述べること、女王が何に裁可与えた把握するためである。2、一度女王裁可与えた場合にはそれ以降外務大臣独断政策変更修正してならないそのような行為王冠対す不誠実であり、行われた場合には大臣罷免憲法上の権限行使するであろう」と通達している。 アルバートもまた立憲君主収められるつもりはなかった。彼の側近クリスティアン・フリードリヒ・フォン・シュトックマー男爵は「首相一時的な指導者に過ぎず君主こそが永遠指導者である」と考えており、国王には首相罷免する権限があると考えていた。アルバートは王に首相罷免する権利があるかどうか分からないが、あったとしても罷免実行すれば最終的に王権危うくなる考えていたと言われるヴィクトリア君主として能力乏しかったが、アルバートにはその能力があった。アルバート崩御直前段階ですでに政府にとっても議会にとってもなくてはならない存在となっていた。その彼がもっと長く生存していたならば、イギリス立憲君主制とはならなかったのではないかという指摘もある。ディズレーリは「アルバート殿下崩御によって我々は我々の君主埋めたのである。このドイツ人君主歴代イギリス王誰も持たなかった知力精力でもって21年我が国統治した。彼が我ら老練な政治家たちより長生きしたとすれば、彼は我々に絶対君主制プレゼントしてくれただろう」と語っている。 アルバート死後ヴィクトリア王権低下する一方であった。それはなんといっても大臣たちの優秀さ賜物であった。彼らは「政治素人」の彼女が政治に口を出そうとするのを適切に拒否したのである晩年の彼女は電報を送る権利さえ奪われそうになった

※この「「立憲君主」について」の解説は、「ヴィクトリア (イギリス女王)」の解説の一部です。
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