「発見」に対する評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/05 02:08 UTC 版)
「アメリカ大陸の発見」の記事における「「発見」に対する評価」の解説
コロンブスは、一般的にアメリカ大陸の発見者として世界史における偉人の一人として扱われている。コロンブスがアメリカ大陸を「発見」した日である10月12日は、長らく様々な国で「コロンブス・デー」という名称で記念日として祝われていた。コロンブス・デーは、ペルーでは「アメリカ発見の日」、バハマでは「発見の日」、ハワイでは「発見者たちの日」と呼ばれていた。 一方、コロンブスを発見者として讃えることに対しては、先住民族らを中心に批判の声が絶えなかった。一部の過激な人々は、コロンブス・デーに合わせてコロンブスの銅像に赤いペンキをかけたり、銅像を破壊したり、セレモニーを妨害したりして、抗議活動を行った。 コロンブスに対する評価が分かれる理由は、大別すると2つある。一つは、先住民族が遥かに先に発見していた土地を後から再発見しただけのコロンブスを過度に評価することは、極端なヨーロッパ中心主義であるとの見方があるためである。もう一つは、コロンブスは先住民族に対する殺戮を繰り返してスペイン政府から逮捕された凶悪犯罪者としての一面を持つためである。 2015年にアメリカ合衆国の国民を対象にして行われた調査では、アメリカ大陸の発見者に最も相応しい人物としてコロンブスを挙げた人は22%に留まり、38%の人がコロンブス・デーを祝うことに反対した。現在では、コロンブス・デーの名称を「先住民族の日」などに変更し、先住民族虐殺の歴史を悼む日としている国も多い。 なお、欧米では、コロンブスによるアメリカ大陸の発見を中心にヨーロッパ各国が世界各地へ進出した時代を「発見の時代 (Age of Discovery)」と呼ぶ。これに対し、コロンブスによるアメリカ大陸の発見はヨーロッパを中心にした偏ったものの見方であるとして、東京大学教授の増田義郎が考案した日本独自の用語が「大航海時代」である。
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