「発見」と名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:03 UTC 版)
「ガーネット・スター」の記事における「「発見」と名称」の解説
1782年9月27日、ウィリアム・ハーシェルは濃いガーネット色をした注目すべき天体を発見したというメモを残している。ハーシェルは、翌1783年のロンドン王立天文学会の紀要Philosophical transactionsに著した太陽と太陽系の固有運動に関する論文の中で、自分が発見した9つの天体の1つとして以下のように報告した。 フラムスティードの記録にはない、注目すべき星をケフェウス座の頭付近に見ることができる。ケフェウス座10番星から約2′19″西に、約22°20′3″南にある。この星はくじら座ο星のように、大変美しく濃いガーネットのような色をしており、最も美しい天体のひとつである。すぐ近くにあるケフェウス座α星のような白い星に望遠鏡を向けた後にこの星を見ると、特に美しく見える。A very considerable star, not marked by Flamstead, will be found near the head of Cepheus. Its right ascension in time, is about 2′19″ preceding Flamstead's 10th Cephei, and it is about 2°20′3″ more south than the same star. It is of a very fine deep garnet colour, such as the periodical star ο ceti was formerly, and a most beautiful object, especially if we look for some time at a white star before we turn our telescope to it, such as a cephei, which is near at hand. —ウィリアム・ハーシェル、Philosophical transactions of the Royal Astronomical Society of London (1783), 257p 実際にはハーシェルによる新発見ではなく、既に1603年にヨハン・バイエルが刊行した星図『ウラノメトリア』にケフェウス座のμ星として記録されており、それ以前から存在が知られていたとされる。 ケレスの発見者として知られるジュゼッペ・ピアッツィは、1803年に編纂・刊行した『パレルモ星表』の中でこの星を「Garnet sidus(ラテン語でガーネット星)」と呼び、1782年に発見された深く赤い星として記載した。1848年には、うさぎ座R星の発見者ジョン・ハインドによって「ケフェウス座のガーネットスターは、明るさが変化しているように見える」とその変光について報告されている。 チェコ人の天文学者アントニーン・ベチュヴァーシュの星図では「エラキス (Erakis) 」という固有名が付されていたが、これはアルラキス (Alrakis) と呼ばれたりゅう座μ星との混同であろうと考えられている。
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