《馬酔木》の正しい読み方
「馬酔木」の正しい読み方
「馬酔木」は「あせび」と読む。一部の地域では「あしび」と読むこともある。「馬酔木」の意味解説
「馬酔木」はツツジ科アセビ属の常緑広葉樹である。樹高は約2メートルほどで、高く伸びても4メートル程度の低木である。日本では東北より南の地域に生息し、2月から4月頃に白色、あるいは淡い紅色をした小ぶりな壺型の花の集合体を咲かせる。花の美しさから観賞用に栽培されることもある。楕円形で表面に艶を持つ深緑色の葉を茂らせるが、馬酔木は葉を含む様々な部分に毒が含まれている。馬酔木はヒガンノキという別名もあるが、これは開花時期が春彼岸と重なっていること以外に、強い毒性から食べると彼岸へ渡る、すなわち死んでしまうことに由来している。その毒性の強さから日本では古くから葉を煎じた汁を殺虫剤として使用していた他、シカ除けのために畑の近くに植えていた。なぜ「馬酔木」と読むのか・理由
「馬酔木」を「あせび」と読むのは馬酔木が持つ毒性に由来している。馬酔木の葉を食べた馬が中毒になり、酔っぱらったようにふらふらしたことから「馬が酔う木」の意味で「馬酔木」の文字が使われるようになった。馬酔木の毒は血圧の低下や呼吸麻痺、神経麻痺を引き起こすが、これらの症状はいずれも足をふらふらさせる作用がある。そのため、かつては馬酔木には馬を酔わせる酒が含まれていると信じられていた。「あせび」の名称については中毒を起こした馬の足がしびれる状態を「あしじひ」と称したことから来ている。「あしじひ」が変化して「あしび」、さらに「あせび」になったとされている。「馬酔木」の類語・用例・例文
「馬酔木」の類語は「あしび」「あせぼ」「ヒガンノキ」などがある。いずれも馬酔木の別称であり、地域ごとにそれぞれの名称が使われている。「馬酔木の木を庭に植えた」「あしびの花は心地良い香りがする」「あせぼは綺麗な花を咲かせる」「ヒガンノキの花が咲くようになったら春もたけなわだ」などが主な例文だ。「馬酔木」の英語用例・例文
「馬酔木」を英語で書くと「japanese andromeda」になる。直訳すると「日本のアンドロメダ」だが、このような名前になったのは馬酔木の花言葉である「犠牲」「献身」が関係している。ギリシャ神話には王女アンドロメダが国を救うために怪物のいけにえになる話がある。アンドロメダは間一髪で英雄のペルセウスに助けられ、その恩に報いるために彼の妻になった。アンドロメダは誰もが見惚れるほどの美しい女性であったことから、花の美しさと花言葉の「犠牲」「献身」にアンドロメダをなぞらえたのである。「japanese」の名称は馬酔木が日本から西洋に伝わったためである。例文として「綺麗な馬酔木の花」を英文に訳した「beautiful Japanese andromeda flower」がある。- 《馬酔木》の正しい読み方のページへのリンク