セヴァストポリ
英語:Sevastopol、Sevastopol'、Sebastopol、Sebastopol'
クリミア半島南西端に位置し、黒海に面するウクライナの港湾都市。クリミア半島最大の都市であり、首都キエフとともに「特別市」とされている。クリミア半島のほぼ全域はクリミア自治共和国の領土となっているが、セヴァストポリ特別市の区域はクリミア自治共和国に含まれていない。
セヴァストポリは、黒海およびアゾフ海の制海権に関わる地政学上、軍事上の要衝であり、クリミア戦争、第二次世界大戦では激戦地となった(セヴァストポリの戦い)。戦後も軍港都市としての性格が強く、閉鎖都市として旅行が制限された時代もあったが、のちに観光都市やリゾート地としても知られるようになった。また、イルカを中心とした海洋生物学の研究拠点としても知られており、イルカ水族館が観光名所となっている。
セヴァストポリは帝政ロシアの時代から現在に至るまで、ロシアの黒海艦隊の重要な拠点となっている。1991年のソ連解体に伴いウクライナが独立すると、セヴァストポリはウクライナの領土とされたが、両国間の交渉の結果、2017年までロシアが租借権を得て、黒海艦隊の母港として使用することとなった。その後、2010年に新たな協定が結ばれ、黒海艦隊の駐留期限は2045年に延長された。
セヴァストポリの帰属を巡っては、ソ連解体後、ウクライナとロシアの両国の間で争いがあった。セヴァストポリのロシア人住民の中には、セヴァストポリのクリミア自治共和国への編入およびロシア領土への編入、あるいはセヴァストポリ市民のロシア国籍取得を求める意見が多いとされる。1997年に結ばれた条約で、ロシア側の領土主張は取り下げられたが、依然として多数のセヴァストポリ市民が独立を望んでいるとされる。
2014年3月、クリミア自治共和国とセヴァストポリにおいて、ロシア編入の是非と問う国民投票が実施された。結果、有効票の9割を超える賛成票を得て、クリミア自治共和国議会はクリミア独立宣言を採択、自治共和国とセヴァストポリのウクライナからの独立、およびロシアへの編入に向かうと宣言した。
セバストポリ【Sevastopol'/Севастополь】
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