少年の日の思い出 少年の日の思い出の概要

少年の日の思い出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/05/16 04:35 UTC 版)

概要

1947年に高橋健二訳が、日本国定教科書に掲載された。それ以来、現在まで60年間以上も検定(国定)教科書に掲載され続けている。このヘッセの作品は、日本で最も多くの人々に読まれた外国の文学作品と言える。2010年現在、採択されている教科書5社のうち、4社に掲載されており、81.7%の中学一年生が本作品を学習している[1]

ところが、この作品はヘルマン・ヘッセ全集にも収録されておらず、ドイツでは殆ど知られていない。『Jugendgedenken』の初稿は、1911年に発表された『クジャクヤママユ』(Das Nachtpfauenauge)で、ドイツで発行された単行本や全集に収録されているのは、すべてこの初稿である。

ヘッセは20年後の1931年に、『クジャクヤママユ』を改稿し、題名を『Jugendgedenken』に変え、ドイツの地方新聞「Würzburger General-Anzeiger」の1931年8月1日号に短編小説として掲載した。この年に、日本の独文学者である高橋健二がヘッセを訪問し、別れ際に「列車の中で読みたまえ」と渡された新聞切り抜きが『Jugendgedenken』である。これを翻訳したものが国語の教科書に採用された。この『Jugendgedenken』のドイツ語文は、日本における大学のドイツ語授業でも使用されている。2010年12月、東洋大学名誉教授で日本昆虫協会副会長でもある岡田朝雄が、動物学的にも完璧な新訳『少年の日の思い出』(草思社刊)を出版した。岡田は15歳の時、高橋訳の本作に深い感銘を受け、大学院時代に高橋に師事して幾つかの誤りを指摘したが、読後60年を経て自ら完全な翻訳を成し遂げた。

あらすじ

主人公の「僕」は、幼いころ蝶・蛾集めに夢中になっていた。最初は、はやりで始めた蝶・蛾集めだったが、「僕」は時間も忘れるほど夢中になっていた。隣に住んでいる「エーミール」は、非の打ちどころのない悪徳を持っていた。彼は「僕」が捕まえた珍しい蝶(コムラサキ)を見るなり、20ペニヒと値踏みした上、様々な難癖を付け始めた。少年たちが大きくなったある日、エーミールは珍しい蛾(クジャクヤママユ)をさなぎからかえした、といううわさが広まった。「僕」はその蛾が見たくて彼の家を訪ねたが留守だったので、クジャクヤママユを一目見ようと彼の部屋に入り、その美しさゆえに盗みを犯してしまった。だが、罪悪感と焦りで蛾をつぶしてしまった。すまなく思い、彼に謝りに行くが、怒りもせず軽蔑的な眼差しで冷たくあしらうだけだった。そして「僕」は収集した蛾や蝶をすべてつぶすのだった。

登場人物

僕 (主人公)
美の象徴である蝶や蛾の収集が趣味。貧乏なので標本箱はボール紙。通常は妹たちにしか標本は見せない。
エーミール
隣の家に住む、先生の息子。非の打ち所が無いという、悪徳を持っている。主人公は「模範少年」と称する。
小さいながら、きれいに整理された蝶や蛾を所持しており、修理法も会得している。
しかし、「僕」からの偏見的な意見のみで書かれているので、悪人のような人物となっている。
わたし
「僕」の友人。
子供ができた影響で、また蝶の収集を始めた。
「僕」の母
「僕」がエーミールに謝りに行くように促した。

[ヘルプ]
  1. ^ 新部公亮(日本昆虫協会理事) (2010年4月20日). “ヘルマン・ヘッセ昆虫展 ~文学+昆虫=・・・?~”. 2011年6月18日閲覧。


「少年の日の思い出」の続きの解説一覧





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

少年の日の思い出に関連した本

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

全て

ビジネス

業界用語

コンピュータ

電車

自動車・バイク

工学

建築・不動産

学問

文化

生活

ヘルスケア

趣味

スポーツ

生物

食品

人名

方言

辞書・百科事典

すべての辞書の索引

「少年の日の思い出」の関連用語

少年の日の思い出のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング

画像から探す

全自動断裁機

Ascend HW-01E

怪士

クラウン ロイヤルサルーン

行器

福島安正

YB50

秩父多摩甲斐国立公園





少年の日の思い出のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの少年の日の思い出 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2015 Weblio RSS