マグネトロン 危険性

マグネトロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 07:17 UTC 版)

危険性

警告: 電磁波ハザード
警告: 肺に対して毒性を有する粒子

少なくとも一つの危険性が特によく知られている。目の水晶体は冷却のための血流が無いため、マイクロ波を浴びたときに特に過熱されやすい。この過熱は後年白内障の発症率を高める可能性がある[4]

またマグネトロンは高電圧を必要とするため、感電などの重大な危険性がある。

一部のマグネトロンは酸化ベリリウムのセラミック絶縁体を使用しており、それを破壊し吸引したりあるいは口に入れることは危険である。一回もしくは慢性的な暴露は治療不可能なベリリウム肺を招く恐れがある。それに加え酸化ベリリウムは人に対して発がん性が確認されているとして国際がん研究機関 (IARC)のリストに掲載されている。よって壊れたセラミック絶縁体やマグネトロンを直接扱うべきではない。

全てのマグネトロンは少量のトリウムタングステンに混ぜられフィラメントに使用されている。トリウムは放射性金属ではあるものの、通常の使い方では空中に放出されることは無いため癌のリスクは低い。もしもフィラメントがマグネトロンから取り出さた上、細かく砕かれ吸引した場合に限り健康被害を招く可能性がある[5][6][7]

脚注・出典

関連項目

外部リンク


  1. ^ 田島英三 (1995). ある原子物理学者の生涯. 東京: 新人物往来社. ISBN 4-404-02208-5 
  2. ^ a b 江沢洋小谷‐朝永のマグネトロン研究」『日本物理学会誌』第49巻第12号、日本物理学会、1994年、1009-1013頁、doi:10.11316/butsuri1946.49.1009ISSN 0029-0181NAID 1300041806072020年10月17日閲覧 
  3. ^ 防衛技術ジャーナル(防衛技術協会) 令和3年12月号 元防衛庁技術研究本部第2研究所長 山岸文夫
  4. ^ Lipman, R. M.; B. J. Tripathi; R. C. Tripathi (1988). “Cataracts induced by microwave and ionizing radiation”. Survey of Ophthalmology 33 (3): 200–210. doi:10.1016/0039-6257(88)90088-4. OSTI 6071133. PMID 3068822. 
  5. ^ 3111, corporateName=Australian Nuclear Science and Technology Organisation; address=New Illawarra Road, Lucas Heights NSW 2234 Australia; contact=+61 2 9717. “In the home - ANSTO”. www.ansto.gov.au. 2017年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月5日閲覧。
  6. ^ EngineerGuy Video: microwave oven”. www.engineerguy.com. 2017年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月5日閲覧。
  7. ^ EPA,OAR,ORIA,RPD, US (2014年7月16日). “Radiation Protection - US EPA”. US EPA. 2006年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月5日閲覧。


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