もつ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/25 14:38 UTC 版)
「ホルモン」[注釈 1]、「畜産副生物」[注釈 2]、「内臓肉」、「バラエティミート」、「ファンシーミート」とも呼ばれている。
広義には、臓物全般を指す。この場合、肝臓や心臓を「赤もつ」、胃や腸を「白もつ」と呼んでいる。狭義には「小腸」を「もつ」「ホルモン」と呼ぶ。「Offal」は、食料に使う動物の各種臓物を指し、「Organ Meats」は消化器系の内臓を指す。
もつの分類
- 心臓:「ハツ」「ハート」「ココロ」「ヘルツ」
- 動脈:「コリコリ」「ハツモト(心臓付近の動脈)」「タケノコ」「ヨメナカセ」
- 気管:「ウルテ」「フエガラミ」
- 肺臓:「フワ」「フク」「プップギ」「バサ」「ホッペ」
- 食道:「シキン」「ネクタイ」
- 肝臓:「レバー」「キモ」「血肝(鶏の肝臓)」
- 胃:「ミノ(牛の第一胃)」「ハチノス(牛の第二胃)」「センマイ(牛の第三胃)」「ギアラ(牛の第四胃、赤センマイとも)」「ヤン(ハチノスとセンマイの繋ぎ目)」「ガツ(豚の胃)」「砂肝(砂嚢。砂ズリと呼ぶ地方もある)」
- 脾臓:「タチギモ」「チレ」
- 膵臓:「シビレ(牛の胸腺を含む)」
- 腎臓:「マメ」
- 乳房:「チチカブ」「オッパイ」
- 横隔膜:「ハラミ(=アウトサイドスカート Skirt steak、腹側の肋骨に接する部分)」「サガリ(=ハンギングテンダー Hanging tender steak、背側の腰椎に接する部分)」
- 小腸:「コプチャン(小腸)」「ホルモン[注釈 3]」「コテッチャン」「マルチョウ(小腸の一種)」「シロ(牛の小腸)」「ヒモ」「ホソ」
- 大腸:「テッチャン(大腸)」「ホルモン」「シマチョウ」「シロ(豚の大腸)」
- 直腸:「テッポウ」
- 子宮:「コブクロ」
- 卵巣:「キンカン(鶏の腹卵)」
- 精巣:「ホーデン」「タマ」
- 卵管:「タマヒモ(鶏の卵管と腹卵)」
以下は日本畜産副産物協会では畜産副生物として扱っているが、厳密には臓物ではないので、もつとは区別される場合もある[2]。
- 舌:「タン」「ツンゲ」
- 頬:「ホホ(ホホニク)」「カシラ」
- 喉:「ノドスジ」「ノドシビレ」「ドーナツ(豚の喉仏)」「ウタゴエ(喉の軟骨)」「ワッカ」
- 耳:「ミミ」
- アキレス腱:「スジ[注釈 4]」
- 尾:「テール」
- 豚足:「トンソク」「テビチ」
栄養価
タンパク質、脂肪分、11種類のビタミンと8種類のミネラルを豊富に含んでいる。コラーゲンも豊富に含まれており、経口摂取すると、消化器官で消化分解されてアミノ酸として吸収されたのち、血流に乗って全身に輸送されていき、身体づくりの材料として使われる。なお、コラーゲン自体は動物性食品全般に豊富に含まれており、もつ肉に限った話ではない。
注釈
出典
- ^ 日本畜産副産物協会 畜産副生物とは
- ^ 社団法人 日本畜産副産物協会 副生物の呼び名
- ^ 食肉の熟成について
- ^ 副生物がお店に並ぶまで 中央畜産会
- ^ 下島優香子、井田美樹 ほか、「東京都内に流通する牛内臓肉からの糞便系大腸菌群,ベロ毒素産生性大腸菌,Campylobacter jejuni/coli, SalmonellaおよびListeria monocytogenes検出状況」『日本食品微生物学会雑誌』 32巻 4号 2015年 p.209-214, doi:10.5803/jsfm.32.209
- ^ 矢崎弘志, 平野浩, 富田薫 ほか、「北海道北見市に於ける散発性E型肝炎の5症例」『日本内科学会雑誌』第95巻第11号、2006年、2295–2297頁、doi:10.2169/naika.95.2295、ISSN 0021-5384。
- ^ 『万葉集』3885
- ^ “牛肉・食肉の歴史 奈良・平安時代の牛肉食”. 相州牛推進協議会. 2023年1月21日閲覧。
- ^ a b 長濱宗佶『非常時に於ける栄養食に就いて』、1933年12月29日発行、日本児童協会
- ^ 『国民百科大辞典』、1935年、冨山房
- ^ 佐々木道雄『焼肉の文化史』明石書店、2004年、ISBN 4-7503-1956-2
- ^ 岡田哲『とんかつの誕生』、2000年、講談社、ISBN 4-06-258179-5
- ^ a b エドワーズ 2015, pp. 19–26.
品詞の分類
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