逮捕と取調とは? わかりやすく解説

逮捕と取調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 05:30 UTC 版)

大本事件」の記事における「逮捕と取調」の解説

1935年昭和10年12月8日警官隊500人が綾部亀岡聖地急襲した前回同じく当局大本側が武装していると信じており、警官達決死覚悟であった急襲前に警官達は、赤穂事件さながらに「水盃」まで交わしている。しかし、大本施設をいざ急襲してみると、竹槍一本つからず幹部信徒全員が全くの無抵抗であった王仁三郎巡教先の松江市検挙された。罪名不敬罪並びに治安維持法違反6日間捜索5万点の証拠品押収した取り締まり地方支部関連機関にも及び、検束出頭命令され信徒3000人に及ぶという。最終的に987人が検挙され318人が検事局送致61人が起訴された。特別高等警察激し拷問起訴61人中16人が死亡している。松山巖著書『うわさの遠近法』には、20名の信者獄死あるいは発狂した伝えられる、とある。異端審問とも比喩される。王仁三郎後継者目され娘婿出口日出麿拷問により精神的異常をていし、王仁三郎は「日出麿は竹刀打たれ断末魔の悲鳴あげ居るを聞く辛さかな」と辛い心境を詠った。こうした厳し取調べにも関わらず転向者は少なく王仁三郎・すみ夫妻カリスマ人間性信者達の抵抗支えたと見られる唐沢京都府会議事堂で全国特高課長集め大本教地上から抹殺する方針である」「わが国教と絶対相容れず、許すべからざる邪教」と宣言したが、翌日二・二六事件勃発して現地視察祝宴取りやめとなった。後に同事件で逮捕・処刑された北一輝大本軍部の関係について訊問され、「大本教邪霊大活動」と述べて関連性否定した。北は相沢事件死亡した永田鉄山陸軍少将統制派)と大本教の間に関連があると供述したが、歴史家松本健一は「北の答え皇道派大本教との関係を切るための弁明」と解釈している。当局側は革新軍部右翼勢力大本事件関係する可能性なくなった判断しさらなる強硬手段準備した第二次大本事件では第一次大本事件遥かに凌駕する徹底した弾圧が行われた。『霊界物語』などの諸著は安寧秩序紊乱との理由づけ発売頒布禁止処分となった当局マスコミ利用メディア事件センセーショナルに書きたてた。彼らは第一次大本事件同様に大本王仁三郎妖教怪物として非難検挙されなかった信者達も「反逆者」「非国民」というレッテルを貼られて精神的に経済的に追い詰められた。厳し境遇の中で信者達は隠れキリシタン同然信仰守り続けたという。 当局裁判前時点教団施設の全破壊急いだ1936年昭和11年2月25日、「大本教教義宣布衆庶参拝ノタメニ使用スル建物徹却ニ関スル件」で邪教撲滅意思確認する3月13日林頼三郎司法大臣不敬罪治安維持法嫌疑起訴決定潮恵之輔内務大臣大本解散命令決定した唐沢は「大本邪教徹底的掃蕩期する為め当局今後あらゆる手段尽く積もりであります」と各府県警察部特高課長通達した。同日内務省警保局長から警視総監と各庁府県長官対し警保局保発甲第14号大本教神社ニ紛ラハシキ奉斎施設撤去其他ニ関スル件」が出され全国教団施設・建物碑石類の撤去決定する当局事前に綾部亀岡町議会要請し合計5万坪・時価80万円土地6000円(坪12銭。当時煙草朝日12銭、敷島15銭)で王仁三郎・すみ夫妻から強制的に買収した。なお、2月時点ですみ(澄)は逮捕されていなかったが、土地財産強制譲渡巡って拘束されその後逮捕された。作業清水組が9204円で請け負ったとされる破壊5月11日から開始され1872年明治5年)の大蔵省通達118違反1936年2月8日内務省警保局甲第7号 無頼寺院仏堂創立禁制ノ件違反とも)を理由亀岡聖地ダイナマイト跡形無く破壊綾部亀岡では、1ヶ月延べ6785人を捜査従事させ、9934人が破壊作業従事64点・240余棟の建造物破却個人財産を含む)、費用約3万円大本側に請求した。また王仁三郎一家個人資産教団備品土地といった財産安価競売にかけて処分石碑信者墓石に至るまで、大本称号削り落としている。海外拠点でも幹部検挙施設破却が行われた。開祖出口なおの墓に至って共同墓地移し衆人に頭を踏まさねば成仏できぬ大罪人、極悪人なり」として、腹部付近に墓標立てている。日本政府は、もはや人間礼節すら配慮する余裕失っていたと指摘される作家坂口安吾廃墟となった亀岡本部訪れ惨状紀行文日本文化私観』として残した

※この「逮捕と取調」の解説は、「大本事件」の解説の一部です。
「逮捕と取調」を含む「大本事件」の記事については、「大本事件」の概要を参照ください。

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