隠れキリシタンとは? わかりやすく解説

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かくれ‐キリシタン【隠れキリシタン】


隠れキリシタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/10 08:11 UTC 版)

隠れキリシタン(かくれキリシタン)は、日本の江戸時代江戸幕府禁教令を布告してキリスト教を弾圧した後も、密かに信仰を続けたキリスト教徒キリシタン)信者である。以下の2つに分けられ、かつては両者を区別しなかったが、現代では前者を「潜伏キリシタン」と呼ぶことも多い[1]


注釈

  1. ^ たとえば外海五島ではマリア観音が特に重要な信仰対象となっていた例が多いが、生月島ではマリア観音は見られず、聖画を掛け軸に仕立てて納戸に秘蔵していた例が多い[3]
  2. ^ しかし、明治初期にはカトリックの宣教を全く受け入れなかったわけではなく、長崎県のかくれキリシタンは多くの地域でカトリックの宣教師と接触していたと思われ、カトリックに復帰せず、かくれキリシタン[疑問点]に留まった地区・組織でも、明治期に宣教師からもたらされた十字架やロザリオなどをいまも信仰の対象として大切に保管している例が、生月島や五島列島などで見られる[7]
  3. ^ 語源はポルトガル語の“São João”(サン・ジョアン=聖ヨハネ)と思われ、長崎で布教した司祭を指すとも、洗礼者ヨハネを指すともいう。
  4. ^ 長崎ウエスレヤン大学講師の加藤久雄は「当時(明治初期の禁教令廃止の頃)のカトリックの教義が厳格であったこと、そして信仰するにあたって様々な負担もあって、なかなかカトリックには入って行けなかった。しかし、1960年代の第2バチカン公会議以降、日本語ミサや地域への順応など教義が寛容になった。もし、明治初頭の禁教令廃止の際に今のような寛容な教義だったら、潜伏キリシタンは皆カトリックになっていたと思います。」と述べている[19]
  5. ^ 五島列島でも、カトリックとかくれキリシタンが混在している集落が複数ある他、現在かくれキリシタンが最も多い生月島でも、少数ながらカトリック信者が共存している[21][要ページ番号]
  6. ^ 英語版Wikipediaには「Kakure Kirishitan」とローマ字読み表記の項目がある。
  7. ^ 各宣教師の母国語やバチカン宛のラテン語によるものの英語対訳。

出典

  1. ^ a b c 高祖敏明:潜伏キリシタン 多彩な姿◇失われゆく全国の遺物・習俗を調査、ありのままの生き方を検証◇」『日本経済新聞』朝刊(文化面)、2021年5月17日、2021年5月19日閲覧 
  2. ^ 片岡 1967, p. 13.
  3. ^ 宮崎 2003, pp. 132–134.
  4. ^ 明治6年(1873)2月 キリスト教禁止の高札が撤廃される 簿冊番号:太00223 国立公文書館(2021年5月19日閲覧)
  5. ^ 島の館”. 平戸市生月町博物館 島の館. 2013年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月15日閲覧。
  6. ^ 米村 1980, p. 28.
  7. ^ 宮崎 2003, pp. 140, 210.
  8. ^ a b 甲斐也智 (2022年11月30日). “かくれキリシタン、長崎に今も約20世帯約40人…唯一の指導者「貧しくても信仰続けられた」”. 読売新聞. 2022年11月30日閲覧。
  9. ^ a b 宮崎 2003, pp. 44–48.
  10. ^ 世界遺産への道 4、外海の文化的景観 独特の精神世界連綿と」『長崎新聞』、2008年7月26日。2019年3月15日閲覧。オリジナルの2016年3月5日時点におけるアーカイブ。
  11. ^ リンデンの長崎ケルン 第10回枯松神社祭(「沈黙」の原点)
  12. ^ No.4029五島市奈留葬斎場
  13. ^ No.4030五島市奈留葬斎場
  14. ^ 祈りの軌跡 堂崎教会献堂百周年(4) 資料館の収蔵物(下)」『長崎新聞』、2008年4月25日。2019年3月15日閲覧。オリジナルの2016年3月5日時点におけるアーカイブ。
  15. ^ 世界遺産への道 2、生月・平戸の文化的景観と中江ノ島」『長崎新聞』、2008年5月24日。2019年3月15日閲覧。オリジナルの2016年3月5日時点におけるアーカイブ。
  16. ^ 島の館”. 平戸市生月町博物館 島の館. 2012年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月15日閲覧。
  17. ^ 平戸市切支丹資料館|かくれキリシタンの里・根獅子ヶ浜”. 平戸市切支丹資料館. 2019年3月15日閲覧。
  18. ^ 宮崎 2003, p. 283.
  19. ^ 隠れキリシタン紀行:最後の晩餐は質問攻め」『asahi.com』、2011年2月24日。購読制。
  20. ^ 五島列島 カクレキリシタンとカトリックの胸の内」『asahi.com』、2011年2月18日。購読制。
  21. ^ 宮崎 2003, p. 不明.
  22. ^ [[#CITEREF河合1993[要ページ番号]Category:出典のページ番号が要望されている記事|河合, 1993 & [要ページ番号]]].
  23. ^ 教皇フランシスコの2014年1月15日の一般謁見演説”. カトリック中央協議会. 2016年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月15日閲覧。
  24. ^ 内閣官房内閣広報室 (2019年(令和元年)11月25日). “ローマ教皇フランシスコ台下との会談等”. 首相官邸. 2021年2月2日閲覧。
  25. ^ “(世界発2014)キリシタンに脚光 バチカンで法王「弾圧耐え信仰守った」”. 朝日新聞. (2014年3月26日) 
  26. ^ (ひと)高祖敏明さん 「潜伏キリシタン図譜」を完成させた聖心女子大学長”. 朝日新聞デジタル (2022年3月22日). 2022年7月5日閲覧。購読性。
  27. ^ 「図譜」構成概要 > 1. ローマ教皇メッセージ。”. 潜伏キリシタン図譜プロジェクト Publication Project for the Hidden Christians Atlas. 2022年7月5日閲覧。
  28. ^ 日本潜伏キリシタン研究の集大成「図譜」刊行 天草キリシタン館の平田館長も執筆 | ニュース・話題 > 速報”. 熊本日日新聞社 (2021年4月20日). 2022年7月5日閲覧。購読性。
  29. ^ Elison 1973, p. 208.
  30. ^ dos Santos 2005, p. 134.
  31. ^ ふるさと物語 17 キリシタンの弾圧/紫波町|ふるさと物語|歴史|観光・文化・スポーツ|紫波町役場”. www.town.shiwa.iwate.jp. 2023年7月20日閲覧。
  32. ^ 金山跡/キリシタン | 一般社団法人紫波町観光交流協会”. 一般社団法人紫波町観光交流協会 | 歴史とフルーツの町・紫波を楽しもう!! (2021年2月25日). 2023年7月20日閲覧。
  33. ^ 市指定文化財 大日寺石仏群 観光 兵庫県加西市”. 加西市. 2019年3月15日閲覧。[リンク切れ]
  34. ^ 五百羅漢(ごひゃくらかん)石仏”. かさい観光Navi. 加西市観光まちづくり協会. 2019年3月15日閲覧。
  35. ^ 加西の異形石仏群」『asahi.com』、2008年11月6日。2011年3月19日閲覧。購読制。
  36. ^ 大刀洗町ホームページ. “国指定重要文化財 今村天主堂”. 大刀洗町ホームページ. 2022年7月18日閲覧。



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