日本神道との類似性とは? わかりやすく解説

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日本神道との類似性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 10:06 UTC 版)

琉球神道」の記事における「日本神道との類似性」の解説

伊波普猷は、明治37年1904年)に発表し昭和17年1942年)に改稿した「琉球神話」の中で、『中山世鑑』の起源神話『古事記』淤能碁呂島神話、『宮古島旧記』の神婚説話三輪山神話などの類似指摘し琉球群島にはこれら以外にも色々な神話伝説があり神話宝庫であることから、広義琉球群島には未だ世に知られていない無数の神話伝説があり、これらの神話伝説悉く集めて日本本土神話伝説比較研究始め、更に進んで朝鮮満州蒙古比較研究をすることは、ただ神話学者にとって必要なだけでなく、人種学にとっても必要なことであると説きポリネシア群島人種移動問題このような研究によって解決されたのだと指摘した昭和6年1931年松本信廣は『日本神話研究』の中で、ローランド・ディクソン(Roland B. Dixon)がポリネシア分類するために設定した2つの型進化型」と「創造型」を用い日本開闢神話ポリネシア創世神話の「進化型」と「創造型」の複合形であり、イザナギ・イザナミ神話から以降は「創造型」の形式受け継いでいるものではないかとの説を発表した。このとき松本信廣ポリネシア日本神話直接比較するではなく中間琉球古伝説を置くとこの関係がいっそう明白になる述べ、「琉球民族古く日本民族と袖を分かったもの」である以上、琉球古神話がイザナギ・イザナミ神話の一異体であり、日本神話琉球のそれを中間において、遠く南方創造神話一脈関連持っていることを否み得ないとの考え示した伊藤幹治は、伊波普猷が「琉球神話」でその必要性説いて後、『日本神話研究』で松本信廣日本神話と汎太平洋神話比較するまで日琉神話比較途絶えていたが、『日本神話研究』で提示され仮説は、その後多くの人に受け入れられこんにち日本比較民族学上の定説になっている述べている。さらに、岡正雄おこなった日本宇宙開闢神話対す分類は、日琉神話問題直接取り上げた訳ではなかったが日本神話出自=系譜に関する歴史民族学的な研究活発化し、日琉双方神話比較やその文化史位置づけ作業徐々に行われるようになったと、その影響紹介している。 岡正雄提起した日本宇宙開闢神話について仮説は、その後大林太良によって具体的展開を見ることになるが、伊藤幹治によれば日琉神話比較積極的におこなわれるようになったのは、この大林太良研究によってである。 昭和41年1966年発表された「記紀神話南西諸島伝承」において、大林太良日本の古典神話奄美沖縄島々伝承されている民間説話について、流れ島、天降る始祖死体化生海幸彦に関する伝承神話比較検討し次のことを結論として述べている。 記紀記され古典神話親縁の諸モチーフは、わが国における現存あるいは比較的近い過去伝承としては、ことに南西諸島残存している。 これら南西諸島伝承は、その基本的なモチーフ構造においては記紀神話大幅な一致見せるが、神名その他の細部においては一致していない。このことは古典神話現存記紀の形にまとめられてから南西諸島二次的に伝播した可能性よりもむしろ、記紀にまとめられる前の共通の母胎から分れて、南西諸島において保存され可能性大きいことを示唆している。 もしもこの想定正しければ記紀所伝南西諸島伝承比較によって、記紀以前日本神話の古い形を再構成する可能性がある。 その際注目すべきことは、南西諸島伝承は、国土創成人類創造農耕起源3つの主要問題を、一つづきのものとして取りつかっていることで、構成的にも、記紀神話よりも一貫しているのみならず日本神話と深い親縁関係をもつと信ぜられるポリネシアなどの神話との比較から考えても、南西諸島伝承がより古い形を保存している可能性考慮すべきである。 この一連の開闢神話含まれない若干エピソード、たとえばオオゲツヒメ・モチーフや海幸彦・山幸彦モチーフ南西諸島現存している。 古典神話後代あるいは現存伝承との組織的比較はまだ極めて不十分な段階にある。上記およびその他の諸問題をより明確に答えるためにも、一層組織的な材料収集比較が必要である。 伊藤幹治は、大林太良試みを、伊波普猷以降ながい間とだえていた日琉神話比較という作業再出発評価しその後山下欣一などの努力によって、琉球神話資料収集整理着々と進められ、日琉神話比較研究基礎がようやく固まってきたと述べている。 また、伊藤幹治自身も「日本神話琉球神話」の中で日琉の世界人間の起源神話および穀物起源神話取り上げ、そのモチーフ比較検討した結果、漂える国(島)や天界出自の原祖、ヒルコ、穂落としなどのモチーフ双方神話中に共通して認められ、日琉神話親縁関係を示唆していると指摘する一方で風による妊娠、原祖の地中からの出現、原祖の漂着祖などは琉球神話にしか見られず、また穀物神話の死体化生モチーフ日本神話にしか見られないことなどは、双方神話出自系統が必ずしも一様でないことを物語っていると述べている。さらに続けてこうした一致不一致が、どうして生じているのかと言うことは、日琉神話研究将来の課題になるだろうと指摘している。 他にも日本神道との類似性については、以下の様なものが唱えられている。 柳田國男昭和30年1955年)に発表した根の国の話」において、『万葉集』に詠われた亡くなった人に逢える場所「ミミラク」の地名考証おこないその中でニルヤ・カナヤ『日本書紀』の「神代巻」に出てくる根の国根本一つ言葉であり信仰である、②それが海上故郷であるが故に、単に現世において健闘した人々のために安らかな休息の地を約束するばかりでなく、なお種々の厚意声援とを送り届けようとする精霊止住往来する拠点であると昔の人たちは信じてたらしい、③その恩恵永続確かめんがために、毎年心を籠め身を浄くして、稲という作物栽培繰り返し、その成果をもって人生目盛りとする古来習わしがあった、という3つの仮定説いた遠藤庄治は、「琉球宗教儀礼日本神話」の中で宮古列島来間島豊年祭由来譚が日光感精による処女懐胎であることを説明し『日本書紀』神代巻冒頭天地分かれる以前鶏子のごとくであったとする条と天日槍伝承見られる卵生思わせるモチーフが、来間島では豊年祭由来として現在も語り継がれ、さらに祭り催行由来譚に登場する兄弟家筋のものが司っていることを紹介して沖縄においては記紀神話語られる様々なことがらが現在も宗教儀礼の中で実修され、さらに宗教儀礼に関する神歌口誦伝承いまだに伝承されていると述べている。

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