作品との関わり
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メタルギアソリッドシリーズ ゲームの『メタルギアソリッド』シリーズでは、主人公ソリッド・スネークの声優をずっと務めているため、かなり思い入れがあるとTGS2006で語っている。同じくTGS2006で小島秀夫が大塚との対談時に「スネークの動作には大塚さんの癖、タバコを吸う所などを観察して取り入れている」と語っている。 スネーク役に抜擢された理由は、小島が『機動戦士ガンダム0083』のアナベル・ガトー役を観たことが決め手と、『HIDECHAN! ラジオ』第11回にて語っているが、そのほかにもう1つの理由としてメタルギアシリーズの隠れたテーマである「父を超える」に、親子で同じ職種である大塚父子がぴったり当てはまったから、ということも明かされた。同シリーズの『メタルギアソリッド4』は、ソリッド・スネークの父親にあたるビッグ・ボスが再登場するので、「ビッグ・ボスの声を周夫さんにやってもらいたい」と小島は大塚との対談時に語り、実現することとなった。 また、同作ではモーションキャプチャーにも挑戦している。『メタルギアソリッド ピースウォーカー』では、「声優」というスキルを持った本人がモデルの兵士が登場する(肩書きはベテランボイスアクター)。 2010年2月14日に開設された自身の公式ページでのコメント第一弾にもソリッド・スネークの「待たせたな」という台詞が記載された。 元々は「ゲームをする大人」に対して良い印象を持っていなかったが、本作に出会ったことがきっかけで、自身もゲーム好きになったそうである。その後、とある日の深夜に庭に止めていたバイクを盗まれそうになるも、たまたま寝ずにテレビゲーム(『バイオハザード』)をやっていたために物音に気付き、泥棒を追い払うことができたという。 実写映画化が発表された2012年12月16日の『週刊プレイボーイ』でのインタビューでは、「映画では、どんな俳優さんにスネークを演じてもらいたいですか?」との問いに、「演技がうまいけど、ほかの映画のキャラのイメージがついていない俳優さんが理想かな。オールド・スネークなら、『エクスペンダブルズ2』に出ていたチャック・ノリスがヒゲを頬まで生やしていて、かなり雰囲気ありました。キャラクターの特性上、銃を乱射するわけにもいきませんが(笑)」とチャック・ノリスの起用を希望している。 スティーヴン・セガールの吹き替え セガールの吹き替えは現在はテレビ、ソフト媒体を問わず一貫して吹き替えを担当しており、半ば使命感を持って務めていると語っている。 最初に務めた作品はセガールのデビュー作、『刑事ニコ/法の死角』の『日曜洋画劇場』の再録で、演出家の佐藤敏夫による抜擢であった。 当初、セガールの吹き替えは主に津嘉山正種、玄田哲章、谷口節などが務めており、自分も違った持ち味でやろうと考えていた中で演出家の佐藤に「あなたの好きなように演じなさい。評価されようとか考えずにやりなさい」と言われたことが力になりストレスを感じずにぽんと喋ったらハマったと語っている。以後も大塚にとって『刑事ニコ』は思い入れの深い作品となったと語っている。 ほかのキャラクターを吹きかえる際は相手を恫喝する時はそういった声の出し方がセオリーを出す必要があるが、セガールの場合は「常に自分が勝つ」というシチュエーションのためにそれを一切やらなくていいため、木管楽器のようなトーンを心がけていると語っている。また、大塚は以前合気道を習っていたが、習っていた合気道の師範は日本に滞在中のセガールも指導していたことを知り、同じ師の下で武術を習っていた共通点に非常に驚いたという。 ブラック・ジャック 当初は俳優の内藤剛志がブラック・ジャック役の声優としてキャスティングされていたが、急病のために降板。別役で出演のためスタジオにいた大塚が音響監督の山田悦司によって代役に抜擢され、そのまま声優が変更されることはなく、OVA・劇場版・テレビスペシャル・テレビレギュラー放送すべてのシリーズでブラック・ジャック役をこなしている。アニメ『ヤング ブラック・ジャック』ではナレーション(=現在のブラック・ジャック)を担当(アニメの主人公=若き日のブラック・ジャックの声は梅原裕一郎)。 セガサターン版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のサントラCDでのコメントにて、代表作に『ブラック・ジャック』を挙げる際に「ピノコやりたかったな」などと冗談をほのめかしていた。 今日からマ王! 『今日からマ王!』最終話後に監督の西村純二から作品の裏話として、フォンヴォルテール卿グウェンダルの青年時の声をだめで元々と願い出たところ、一応のアフレコを希望。そのまま、声を担当することになった。しかし17歳前後の役に苦闘し、「声優人生最大のピンチ」と言っていたと監督に楽しげに逸話を披露している(この逸話は作品の関連書籍にも記述されており、先にこの話が出たのは関連書籍の方である[要文献特定詳細情報])。 Fate/Zero ライダー(イスカンダル)について「長年仕事をしていても滅多に出会えないホームラン級の素敵な役」「神様ありがとう」と絶賛している。その理由として、普段スネークやブラック・ジャックなど闇を抱えた男を演じることが多い中、闇は無いと豪語する役であったことや、実写映画や舞台では表現しえないダイナミックな人物であることを挙げている。また、作中一番印象的だったシーンとして「言葉による全力の戦い」である聖杯問答のシーンを挙げている。 スーパー戦隊シリーズ スーパー戦隊シリーズでは悪役として度々出演している。そのため『宇宙戦隊キュウレンジャー』のチャンプ / オウシブラック役のオファーが来た際も最初は悪役だと思い、ヒーロー役だと聞かされ驚いたという。同作品メインライターの毛利亘宏は、配役が決定する前から大塚で当て書きしていたと述べている。 中盤でチャンプが大破し、一時的に物語から離脱するという展開は、大塚のスケジュールの都合による。 次元大介 『ルパン三世』シリーズにおいては、2021年放送開始の『ルパン三世 PART6』から次元大介役を担当。これは、1971年のアニメ放送開始から50年以上にわたり次元を演じた小林清志が高齢で勇退したことから、その後任という形での起用となった。なお、起用前には複数の作品でゲストキャラクターとして出演している。 起用に際しては、オーディション等ではなくオファーを受けたという。大塚は嬉しい思いの反面、子供の頃から次元に憧れていることや「次元大介はほぼ清志さん」と思っていることなどから「次元大介のビジュアルから清志さん以外の声が聞こえるのは、僕自身が納得しかねる」と悩んだが、「人がやってるのを見て寂しい気持ちになるよりかは、自分が叩かれれば済む」と思い立ちオファーを受諾した。 上述の経緯から、演技に関しては、我流にせず小林が築き上げた次元像を踏襲していきたい、その中でシンクロできない部分を自身の個性としてにじめば良い、という姿勢である旨の発言をしている。また、収録は小林に会わないまま始まったが、1クール目収録後に発表された小林からのメッセージ(詳細は「小林清志#勇退」を参照)で今後の演じ方のヒントとなる言葉を貰え先の道が見えたといい、「ありがたいですし……涙が出そうになりました」と語っている。 大塚は、上述の小林のメッセージへの返答として以下のコメントを発表している。 身が引き締まりました。清志さんの想い、たしかに掴んで離さないよう精進します。 思えば僕は大魔王シャザーンで清志さんの声に出逢い、妖怪人間ベムを経て、そして次元大介に憧れました。小学5年生だったと思います。清志さんが50年をかけて生命を吹き込んだ次元大介は、もはや清志さんそのものだと思っています。次元大介から清志さんじゃない声が聞こえてきたらイヤです。もしかしたら誰よりも。だからこそ、そんな自分さえも納得させ得る次元大介になろうと勝手乍ら心に決めました。江戸の粋、江戸っ子、JAZZ、胸にしっかり刻んで バトン、受け取らせていただきます! — 大塚明夫
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