リーファー‐コンテナ【reefer container】
リーファー・コンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:41 UTC 版)
「海上コンテナ」の記事における「リーファー・コンテナ」の解説
リーファー・コンテナ (Reefer container) は冷凍コンテナ (Refrigerated container) とも呼ばれ、生鮮食品・冷凍食品・生花や定温輸送が必要な化学製品、医薬品、電子部品、フィルム、美術品などの輸送用のコンテナであり、特殊コンテナでありながら一般貨物用のドライコンテナに次いで数が多いコンテナである。 冷凍と名前が付いているが、実際にはコンテナの冷凍機付随のコントロールパネルによって、内部温度が積荷に最適な温度帯となるよう設定されている。例えば、肉や魚などの冷凍食品は-20 ℃位、野菜や果物などのチルド品は0 ℃前後を維持しながら通風を行い、産業用の製品で高温に弱いものは適切な温度で保持される。さらに一部の冷凍コンテナでは、野菜や果物から発生するエチレンガスを除去したり、送風による乾燥を防ぐために適度な湿度を補う機能を備えていたりするものや、精肉用コンテナのように天井部に肉をまるごと吊るすミートレールが備わっているものもある。 コンテナ内壁は発泡ポリウレタン製の高性能断熱材やステンレスで覆われ、内部には冷風を適切に循環させるためのダクトや、床全面にはアルミ製の細いレール状の溝が多数ある。 ウィキメディア・コモンズには、冷凍コンテナに関するメディアがあります。
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リーファー・コンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 05:55 UTC 版)
「日本のコンテナ輸送」の記事における「リーファー・コンテナ」の解説
国内専用で運用されている電源が必要な冷凍・冷蔵コンテナには、日本国内のリーファー・コンテナで触れている方式とほぼ同じ複数の方式が取られている。しかし、基本的には船舶とトラックだけで輸送するために、鉄道と違い、常にコンテナ外部からの給電が出来る環境が整っているので、ほとんどのコンテナが外部からの給電のみで作動する電気モーター方式が大多数を占めている。 また、コンテナ個々に独立装着した小型発電機で直接給電するディーゼルエンジン付の単独方式でも、基本的にはディーゼルエンジンを止めて、代わりに専用の電気ケーブルを接続し外部からも給電出来るような併用式が原則である。 これは船舶での輸送中に、例えばトラックに積載してカーフェリーへ乗船している場合やコンテナ単体での輸送中であっても、ディーゼルエンジンは船舶火災防止のために原則、停止状態にするよう法律で規制されているためである。併用式であればエンジンを停止しても、船舶から給電すれば問題ないが、完全なディーゼルエンジンだけの単独方式では船舶からの給電はできないため海上輸送は不向きである。 ウィキメディア・コモンズには、日本国内にあるリーファー・コンテナに関するメディアがあります。 リーファー・コンテナの外部給電方式の一覧モーター駆動式 ・ 単室タイプ コンテナの外壁には220ボルト仕様を中心に、国際海上コンテナを再利用しているために440ボルト仕様の20 ft - 40 ft級大型コンテナや、逆に8 ft - 12 ft級の小型コンテナでは、家庭用エアコン的な室外機をそのまま流用したような100ボルト外部電力給電で稼動する冷却・保温ユニットを備え、+20 ℃から-25 ℃程度(機種によっては、-35℃位)までの冷却と保温が可能である。冷凍コンテナの大多数は、この単室タイプである。また20 ft - 40 ft級大型コンテナの一部には、荷役の効率化のために、左側側面 (左側通行ルールの日本国内での使用を前提としているため) の一部にも簡易な観音開き式、または片開き式の開口部が備わっているタイプもある。なお、当然のことながら、これらの補助的な開口部が冷凍コンテナに備わっている場合は、室内の冷却性能が多少なりとも低下するので、開口部位の密閉度に注意しなければならない。 モーター駆動式 ・ オゾン発生装置装備単室タイプ 近年の冷凍冷蔵コンテナでの革新的技術は目覚しく、生鮮野菜や生鮮果物輸送用として国内輸送でも採用され始めている。例えばプラズマ放電による、生鮮果物の高鮮度品質維持輸送(福岡県での日本通運による事例)や、右側画像のようにJA宮崎経済連による、オゾンを利用した生鮮野菜の高鮮度品質維持輸送も行われている。海上コンテナでの冷凍コンテナには、バナナ輸送等でのエチレンガス除去装置や、ミスト噴霧による生鮮食品の品質保持を追及した特殊な仕様も存在しているが、国際的な輸送にも引けを取らぬ電気的な新技術としての採用も始まっている。 国庫補助金活用で、平成16年12月に、オゾン発生装置付コンテナが20個導入された。宮崎港フェリーターミナル モーター駆動式 ・ 2層室タイプ一例として九州・沖縄地域では、10 ft - 13 ft級のコンテナに、冷蔵温度帯と冷凍温度帯の異なる温度帯が運用出来るように工夫された、完全に独立した2層室仕様の特殊コンテナも、離島のファミレス店舗への食材輸送用や、漁協の特産品輸送用に運用されている。このように特殊な構造の冷凍・冷蔵コンテナのために荷役用ドア構造は、片妻または片側が観音開き形を始め勝手口ドア仕様の一枚または、二枚ドア仕様等、輸出入の税関検査が関わらないため、基本的な固体寸法と輸送上の安全構造さえ確保していれば、所有者の意向に合わせて好きなように設置出来る点が、鉄道やISOコンテナに比べての特徴である。 鹿児島 - トカラ列島地域で活躍する『 十島村 』所有の内航専用、10 ft形のモーター駆動式冷凍コンテナ。※室内は冷凍室と冷蔵室の二室に完全分離されている( 鹿児島県/鹿児島南埠頭にて )。 電気蓄冷板式 ・ 単室タイプ一例として東京 - 伊豆諸島地域で活躍する、伊豆七島海運所有の5 ft形電気蓄冷板式、冷凍コンテナがある。 仕様は、間口5 ft・容積5.2 m3の片妻一方開(上部、冷凍機の反対側)形の、宇広コンテナ製ミニ冷凍コンテナで、元々のコンテナ自体が小型のために、モーター駆動式冷凍ユニットを組み込むスペースが、十分に確保できない。この問題を解決するために、コンプレッサーや回転ファンの付いた室外機部と冷媒ガス部位を省き、その代わりとなる冷却機器として電気式の蓄冷板と(一種の蓄冷剤と同類の物)電気機器を納めた制御箱を装備している。この方式では、陸上保管時又は貨物船等の給電設備から8 - 10時間程度給電することにより、蓄冷板に冷気を溜め込むことが出来るので、電源を切っても同時間程度の庫内冷却が出来る。 デュアルモード(併用)方式元々は鉄道と、複合的な輸送環境で一貫してマルチに運用するために開発し、JR貨物が登録していたコンテナを再利用しているので、搭載型ディーゼル発電機と、外部給電用ケーブル装備の両方式を採用している非常に珍しいコンテナである。 本土 - 沖縄・南九州離島地域で活躍するマリックスライン所有の内航専用、12 ft形コンテナ。
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