スイングアーム式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/18 03:16 UTC 版)
支点が一方の端にあり、力点が中間に、もう一方の端が作用点となるものを「スイングアーム式」と呼ぶ。基本原理は第2種てこあるいは第3種てこであり、カムから入力された力はほぼ同じ方向へ出力される。この方式はてこ比をシーソー式ほど大きく設定しにくいために、バルブリフト量の増加の効果は低いが、そのぶんロッカーアームのたわみ量も少なくできる。スイングアーム式ロッカーアームは、SOHCの一部と、DOHCの一部で採用される。構造上、直打式よりもヘッドカバーがやや高くなり、同等のバルブ挟み角を確保する場合はヘッド幅が大きくなる。
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スイングアーム式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:59 UTC 版)
スイングアクスル 後輪用の懸架方式の一種。駆動輪が後輪である車両向けの方式で、原型はドイツのアドラー社に在籍していたエドムンド・ルンプラー(ドイツ語版)による1903年の考案まで遡及する。狭義には車輪側ハブ部分に自在継手を持たないジョイントレス・スイングアクスルのみを指す。後輪のドライブシャフト自体が剛性を保持するアームの役割を持ち、ディファレンシャル・ギア部分を基部に揺動する。駆動輪の独立懸架としては最初の実用例で、1920年代以降、トランスアクスル構造ゆえに独立懸架採用を強いられるリアエンジン車を中心に多用されたが、1960年代以降は挙動変化の急激さから安全面の難が顕在化して廃れた。タトラ各車、フォルクスワーゲン・タイプ1・タイプ2・タイプ3、ポルシェ・356のリアなど、リアエンジン車での採用例が非常に多いが、メルセデス・ベンツをはじめとするドイツ車を中心に、フロントエンジン・リアドライブ車での採用事例も1960年代までまま見られた。メインスプリングをコイルスプリングやトーションバーとする場合には、トレーリングアームと併用されることも多い。ダイアゴナルスイングアクスル スイングアクスルのうち、スイング軸が車台中心に対して45度付近のもの。フィアット600、いすゞ・ベレットのリアなど。 リーディングアーム 車軸線の後方からアームを伸ばして車輪を支持する構造。シトロエン・2CV、AMC・M422マイティーマイト(英語版)のフロントなどが代表例だが、スプリング配置やブレーキ時の挙動などが特殊になりがちで、一般的な方式ではない。 トレーリングアーム 車軸線の前方からアームを伸ばして車輪を支持する構造。フルトレーリングアーム ルノー・4、プジョー・205のリアなど、前輪駆動車の後輪を中心に事例多数。構造が単純で、トーションバーとの併用でスペース節減効果も得られるが、後輪駆動車のリアに用いる場合は挙動変化が大きい。 ダブルトレーリングアーム フルトレーリングアームの一種で、トーションバーを用い、アームを片側あたり上下2段とした構造。フェルディナント・ポルシェの考案で、1930年代に前輪用として多用された。フォルクスワーゲン・タイプ1、タイプ2(T1、T2)のフロントなど。アルファロメオも1930年代後期から1950年代初頭にかけて採用していた。 セミトレーリングアーム フルトレーリングアームよりも支持点を車体中央寄りとしてアームを斜め方向とし、挙動変化を抑制してウィッシュボーン式に近づけながら、ドライブシャフトの配置スペース確保も容易とした方式。ドライブシャフトはディファレンシャルギア寄り、車輪ハブ寄りの2か所にジョイントを持ち、シャフト自体の伸縮かジョイントの伸縮で揺動による偏りを吸収できるため、スイングアクスルよりも接地性が安定する。1960年頃から1995年頃までの後輪駆動車のリアに多用された。普及の先鞭を付けたのは1961年のBMW・1500以降のいわゆる「ノイエクラッセ」各車。なお日本車では日産自動車がブルーバード(3代目~6代目までの一部)・スカイライン(3代目~7代目までの一部)・ローレル(初代~5代目までの一部)など1970年代前後の中級車に多用した。 スイングアクスル(ポルシェタイプ。トレーリングアーム併用) ダイアゴナルスイングアクスル セミトレーリングアーム フルトレーリングアーム
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スイングアーム式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/17 07:18 UTC 版)
「リヤサスペンション (オートバイ)」の記事における「スイングアーム式」の解説
スイングアーム(swing arm)式はトレーリングアームサスペンションの一種であり、車体フレームに回転可能に支持されたスイングアームの後端に車軸が支持される。車軸の左右両方を支持する物と片側だけを支持する物がある。車体フレームと同様に、部品コストを重視する車種では鋼管で作られ、ばね下重量の軽さを重視する車種ではアルミニウム押出成形材で作られる。フレームに支持される軸(ピボットシャフト)には強い荷重がかかるため、樹脂ブッシュを介してフレームへの強い衝撃を防止したり、ローラーベアリングで回転をスムーズにしたりといった工夫がされていることが多い。 スイングアームには駆動伝達装置や制動装置の部品が固定される場合が多い。車種によってはタンデムステップやサイドスタンドが取り付けられる。 車軸の左右両方を支持するスイングアームはスイングフォーク(swing fork)とも呼ばれ、ピボットシャフトやその近辺で左右がつながった二又のフォーク状のアームの間に後輪が支持される。後述の片持ち式と対比して両持ち式と呼ぶ場合がある。 車軸の片側だけを支持するスイングアームは片持ちスイングアームとも呼ばれ、後輪の交換は容易なものとなるが、リヤサスペンションのばね下重量は増加する。これは両持ち式スイングアームと同じ剛性を確保するために、より多くの材料を追加する必要があることによる。[要出典]片持ち式スイングアームの採用例として、ホンダ・VFR800やBMW・Rシリーズ、Kシリーズ、耐久レースへの参戦を意図して設計された[要出典]ドゥカティ・916などが挙げられる。ドゥカティ・1098は純粋にスタイリング上の理由から[要出典]片持ち式が採用されている。MVアグスタ・F4シリーズはマグネシウム合金製の中空断面スイングアームを採用して、バネ下重量の欠点を補っている。 多くのスイングアームにはピボット部分にグリースを注入するためのグリースニップルが用意されており、定期的な注油を行う必要がある。ピボットシャフトに組み込まれた樹脂ブッシュの硬化やニードルベアリングの摩耗が発生してサスペンション性能が低下する場合もあるため、ピボットシャフトの分解整備が必要となる場合もある。 スイングアーム式サスペンションでは、ばね下重量の軽減のために軽量な材質のものに交換する場合やピボット部やリンケージにベアリングを内蔵した物に交換する場合、タイヤ幅を太くするために左右の幅が広い物に交換する場合がある。ドラッグレースやヒルクライム競技では前輪の浮き上がりを抑えるために、標準装備されるスイングアームよりも長いものに交換してホイールベースを延長する場合がある。長いスイングアームをロングスイングアーム(long swing arm)とよび、日本では略して「ロンスイ」とも呼ばれる。スカチューンと呼ばれる外観重視の改造でも用いられる場合がある。 スイングアームに対するスプリングとダンパーの配置によりいくつかの方式に分類できる。
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