グロースタート式
グロースタート式(点灯管式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:56 UTC 版)
「蛍光灯」の記事における「グロースタート式(点灯管式)」の解説
点灯管を用いて電源を入れると自動的に点灯する。蛍光管・安定器・点灯管(グロースタータ)で構成される。かつて一般家庭用として最も普及した。 始動時の動作スイッチを入れると点灯管の内部で放電が起こり、その放電熱によって点灯管内のバイメタルが作動し、閉回路を構成する(点灯管は最初の放電時に光るがその後暗くなる) 点灯管を経由して流れる電流が、蛍光ランプ両端のフィラメントを予熱する(蛍光ランプの両端がオレンジに光る) 点灯管内の放電はすでに止まっているので、バイメタルは冷え、元の位置に復帰し、点灯管を経由する閉回路が開放される すると安定器のコイルがもつ自己誘導作用(電流が変化すると起電力を生じる性質)により、高電圧(キック電圧という)が発生する キック電圧をきっかけにして、温められていたフィラメントから電子が放出され、蛍光ランプが始動する 蛍光ランプが点灯している間は、点灯管にかかる電圧が点灯管の放電開始電圧以下に下がるので点灯管が動作することはない(蛍光ランプの点灯前と点灯後ではインピーダンスが異なることによる) 始動にかかる時間は、従来型の点灯管を使用した場合は3秒程度と、蛍光灯の中では遅い。点灯する際に点灯管から「ピンッ」もしくは「コン、コン」など、若干の音が出る(バイメタルの復帰のため)。電子点灯管に交換すると、約0.6–1.2秒と通常よりも早く点灯する。 2008年現在使用されている点灯管は E形 - E17口金タイプ FG-7E - 4–10 W FG-1E - 10–30 W P形 - P21口金タイプ、雑音防止コンデンサ内蔵 FG-7P - 4–10 W FG-1P - 10–30 W FG-5P - 32 W FG-4P - 40–65 W FG-52P - 52 W である。動作回数は6000回程度(長寿命形は約18000回)である。4–32 Wのランプでも200 V用の安定器を使用している場合はFG-4Pが使用できる。 100 V30 W以下および200 V40–65Wはチョークコイル形安定器を用いる。100 V32–65 Wと100 V/200 V52 Wは放電を維持する電圧まで昇圧する必要があるので、小形で安価になる単巻磁気漏れ変圧器形安定器を用いる。一般にこれら安定器は低力率のため、必要に応じて電源側に適当な値のコンデンサを並列接続し高力率にする。この器具は省エネ形のランプを除き(省電力形のFLR40M/36は安定器に過電流が流れ、過熱・焼損の恐れがあるので不可)ラピッドスタート式のランプを取り付けても使用できる(ただし即時点灯はしない)。
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