鯨岡阿美子 経歴・年譜

鯨岡阿美子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 03:44 UTC 版)

経歴・年譜

1922年(大正11年)9月21日 東京市四谷区信濃町生まれ。東京府豊多摩郡井荻町字下荻窪に転居。のちに福島県磐城郡湯本村(のちの湯本町、現:福島県いわき市)で育つ。

1939年(昭和14年)福島県立磐城高等女学校卒業。(現:磐城桜が丘高校

1939年、駿河台女学院商業科へ通学。(のちの東京YWCA専門学校、すでに閉校)

1940年(昭和15年)日本エスケイエフ興業に入社。

1941年(昭和16年)大日本文化映画協会(元日本映画社)入社。

1942年(昭和17年)国民服協会「国民服」編集部入社。半年後婦女界社 「婦女界」編集部入社。2ヶ月後毎日新聞社出版局に入社。

1943年(昭和18年)毎日新聞社入社。出版局編集部に配属「婦人日本」、「生活科学」の編集にたずさわる。

1944年(昭和19年)「戦時特別版」編集部へ移る。当時のデスクは狩野近雄(のちに常務取締役スポーツニッポン新聞社社長)。同僚だった古波蔵保好に記事の書き方を習う。保好は後年日本エッセイスト・クラブ賞を受ける。のちに二人は結婚する。

1945年(昭和20年)4月政経部、9月に政治部に異動。政治部時代は厚生省(現厚生労働省)を担当し、また後に参議院議員になる市川房枝に知遇を得て"弟子"になる。婦人参政権の必要性にも共鳴した。農地解放や「六三三制」といった新制度を取材。連合国軍総司令部GHQ)に日参して民主化の新しい動きを追った。

1946年(昭和21年1月)依願退職。退社後は映画会社の制作部、新協劇団を経て子供向けの週刊新聞「ジュニアタイムス」を主宰、発行したが1年ほどで休刊。結核にかかり故郷福島で療養する。

1953年(昭和28年)日本テレビ放送網に入社。同期に井原高忠(「光子の窓」、「巨泉×前武のゲバゲバ90分」で知られる)、後藤達彦(プロ野球中継のカメラ配置の基礎を作り、「11PM」の産みの親)。

1955年(昭和30年)4月日本初のファッション番組「僕と私のファッション」を製作。昼の12時15分からの30分番組で有楽町よみうりホールから中継された。当時の若手デザイナー芦田淳、安東武男、伊藤達也、久我アキラ、中村乃武夫、宮内裕の6人を「バンデローラ(Banderuopla)」というグループを仕立て上げ作品を毎週見せた。モデルは伊藤絹子、松本弘子、松田和子、吉村真理、菅原文太岡田眞澄などが出演した。ピエール・カルダンが出演して仮縫いを見せたこともあった。

1956年(昭和31)料理家江上トミらの講師で知られる「奥様料理メモ」を担当。放送時間内に収めるために、料理ができるまでの過程をいくつもの状態に分けて、何分煮るとこうなります、できあがりはこうですと前もって用意したものをみせる、今の料理番組で見られる演出法は鯨岡阿美子が生み出したもの。映画のダイジェストと俳優ファッションを扱った「セ・シ・ボン・マダム」、「きものに生きる」など新しいスタイルの番組を製作。

1964年(昭和39年)日本テレビを退社。

1964年(昭和39年)アミコファッションズが発足。

1965年(昭和40年)東京婦人子供既製服製造工業組合と大阪婦人子供服同業会の共催でアミコファッションズによる第1回立体裁断講習会が開催される。

1968年(昭和43年)から大野順之助の製作指導のもと人台「アミーカ」(その後の「ドレスフォーム」)の販売を開始。これまでサイズデータの裏付けのない人台しかなかったため瞬く間に業界に広まった。JIS規格などない時代に「業界標準」を作った。

1969年(昭和44年)ザ・ファッショングループ東京支部が承認される。会長は鯨岡阿美子。

1970年(昭和45年)からプロのデザイナー、パターンメーカーのために「AMIKO NEWS」を年4回発行する。

1978年(昭和53年)通産省(現経済産業省)からザ・ファッショングループの社団法人化の認可が下りる。

1984年(昭和59年)那覇市内の琉球新報ホールで行われた染色研究家、山辺知行の講演会とティーチイン「インドの染織と沖縄の染織」の司会を務める。ティーチインに参加していた女性の染織家のグループとの面会を機に沖縄の染織家との交流がはじまる。

1986年(昭和61年)からは毎月のように沖縄を訪れる。沖縄と東京というマーケットをつなぐ役割を担う。

1988年(昭和63年)2月15日沖縄県伝統工芸指導所が主催する染織講習会が開催され講師として登壇。

1988年(昭和63年)2月22日東京で逝去、享年65歳。




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