結婚 結婚の概要

結婚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 06:23 UTC 版)

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概説

「婚姻」と「結婚」

「婚姻」と「結婚」では、「婚姻」のほうが、学術的にも、法的にも、正式の用語として扱われている。

先述のように学術的には「婚姻」は配偶関係の締結のほか配偶関係の状態をも含めた概念として、「結婚」は配偶関係の締結を指し、用いられている[5]平凡社世界大百科事典[4]ブリタニカ国際大百科事典[6]などの百科事典では「婚姻」を項目として立てている。

法概念としても「結婚」ではなく「婚姻」のほうが用いられている[7][8]。日本の民法上でも「婚姻」と表現されており(民法731条)、講学上においても法概念としては「婚姻」が用いられる[8]

一方、日常用語としては「結婚」という表現が用いられる頻度が増えている。広辞苑では「婚姻」の定義として、「結婚すること」とした上で、「夫婦間の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合で、その間に生まれた子が嫡出子として認められる関係」としている。

「結婚」の文字は「婚姻」の文字とともに漢籍を由来とし、日本では平安時代より用いられてきた。しかし、当時はどちらかといえば「婚姻」の文字の方が使用例が多かった。

明治時代になり、この関係が逆転して「結婚」の二文字が多く使用されるようになった[9]中国では「婚姻」である。

「婚姻」の範囲、多様な意味

婚姻について説明するにあたって、まずその位置づけを広い視野で見てみると、の成人の性的関係というのは人類の発生以来人間関係の基礎的形態であり、それが成立するのに必ずしも規範や制度を必要としない[6]

だが、社会がその男女の結合関係の成立を許容し承認するのは、これが婚姻という形態をとることによるのである[6]。婚姻というのは社会的に承認された夫と妻の結合なのであるが、ところがこの《夫》や《妻》の資格や役割については、各社会・各時代において独自に意味づけがなされており、比較する社会によっては、互いに非常に異なった意味づけを行っているものがある[4]

よって上記の「社会的に承認された夫と妻の結合」という定義以上に細かい定義を盛り込むと、すぐにそうした定義文に当てはまらないような社会が見つかってしまう[4]

例えば仮に婚姻を「一対の男女の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合で、その間に生まれた子供が嫡出子として認められる関係」などと定義してしまうと、日本などではこれは当てはまるものの、他の地域・文化ではこれに当てはまらない事例が多数見つかってしまう。

例えば南インドのナヤール・カーストにおける妻訪形式の男女関係は、性的関係に留まるもので、男は「生みの親」(en:genitor)にはなるものの、居住・生産・消費・子の養育・しつけなどには一切関与せず、社会的・経済的なつながりを持たないのである[4]

ナヤール・カーストでは子は父親カーストの身分を得はするが、それ以上の社会的・経済的なつながりは一切なく、父親の葬儀にも参加しない[4]

また、たとえば北アメリカのクワキウトル族では、首長の特権は(息子ではなく)娘の夫(義理の息子)を通じてに伝えられる。そして娘がない場合は、息子(男)が(娘の代わりに)他の男を「婿(むこ)」として迎え入れ、その結婚式は通常と全く同じ方式で行われ、その式を行ってはじめて婿は特権を譲り受けることができるのであり、つまりこの同性間の婚姻では、男女の性的な要素は全く含まれておらず、婚姻はあくまで地位や財産の継承の道筋をつけるために行われている[4]

このように、「婚姻」(や「結婚」)という用語・概念は、社会によって全く異なった意味を持ちうる[4]

個々人の婚姻状態の行政上の分類用語。「未婚」「有配偶」「死別」「離別」。「非婚」。分類の困難。

日本の行政機関統計においては、「有配偶」という用語を使い、「未婚」「有配偶」「死別」「離別」で、結婚に関連する状態を分類していることが多い。以前は日本で、結婚していないことを「未婚」(みこん)、すでに結婚していることを「既婚」(きこん)と単純に分類しようとする者もいたが、実際には死別する人も多く、また特に離婚する人々の割合が増えているので、アンケートで「未婚」「既婚」から二者択一させるのは非常に無理があり、実態を把握できなくなる。(なお「死別」とは、配偶者が死亡してしまった状態で、通俗的には「やもめ」と言う)。

さらに最近、日本では、本人の積極的な意思で結婚しないことを選択することを「非婚」と呼ぶ。

「未婚」と言うと、まるで本人は結婚を望んでいてその状態にたどりついていないかのような印象、誤解を生むが、結婚しないことを意識的に、意思を伴って選択していることを、はっきり明示する表現である[10]

なおフランスでは、男女の結びつきが可能な年齢になった人に関しては、古くは celibataire 独身 / marié(e) 既婚 という対比が基本で、それに加えてveuve(やもめ)という分類があったわけだが、20世紀半ばには結婚に加えて、あえて結婚しないcohabitation(コアビタシオン、同棲)という選択が一般化。

その後、PACS(パックス)という結婚と同棲の中間的な関係を保障する制度が実施。

近年では統計的には結婚制度を避けて、むしろPACS制度を選ぶ人々の割合が大きくなり、結婚制度を選択する人のほうがむしろ少数派(マイノリティ)になる。昔の単純な分類には当てはまらない男女の方の割合が増え、分類はかなり複雑化している。

婚姻・結婚にまつわる日本語の表現

両親に挨拶をする花嫁
ちぎり

婚姻を古くから「(夫婦の)契り(ちぎり)」ともいう。

「入籍」

結婚すること、特に婚姻届を提出することを指して、俗に「籍を入れる」と言ったり、マスコミなどでは「入籍」と表現したりする場合があるが、戸籍法上の「入籍」とは意味が異なる。

戸籍法上の「入籍」とは、すでにある戸籍の一員になることである。すでにある戸籍とは筆頭者が存在する戸籍であり、これに入るには筆頭者の配偶者になるか、子(養子含む)として戸籍に加えられるしかない。

結婚は、戸籍法上では初婚の場合(分籍をしていなければ)、婚姻届が受理されることにより、元々お互いが入っていた親の戸籍から離れて新しく戸籍が作られ、そこに2人が構成される。そのためこのケースでは戸籍法上の「入籍」とは言わない。

ただし、離婚や分籍の前歴があれば当人が筆頭者であるため、その戸籍に配偶者を迎え入れればこれは戸籍法上の「入籍」と呼ぶこともできるが、一般的ではない。

なお、まれに「婚姻届」ということを、「入籍届」と表現されることがある。入籍届は父母の離婚や養子縁組に際し子が別の(基本的には非筆頭者側の)戸籍に入るための届出書であり、婚姻届とは全くの別物である。

なお、近年では、女性の社会進出にともない、仕事上などの理由で改性できないなどの理由で、法的に「婚姻」の届は出さず事実婚を選択するカップルも増えている。

ただしたとえ法律上の届は出していなくても、(何かが起きて)裁判に持ち込まれることになると、裁判官によって、二人の同居の有無やその期間の長さ、関係 の状態 等々を判断基準にして「二人は事実上婚姻状態に ある / あった」などと判断されることになる[注 1]

このほか、結婚の類義語として、一方の側に立った表現として「嫁入り」「輿入れ」「婿入り」などがある。

婚姻の形態

婚姻の分類

単婚と複婚

  一夫多妻制が容認及び実施されている
  法的地位が不明又は不明瞭
  一夫多妻制が一般的には非合法だが、法的拘束力が不十分
  一夫多妻制が完全に非合法化及び撤廃され、法的拘束力が十分
注釈: 1インド、シンガポール及びスリランカ: ムスリムを除き、いかなる形態においても非合法である。
2エリトリア: 法律は一夫多妻婚を禁じているが、シャリーアに基づく特定の国及び宗教はこれを認めている。ムスリムは合法的にのみ一夫多妻の婚姻関係を結ぶことが可能である。
3モーリシャス: 一夫多妻ユニオンは合法的に承認されていない。ムスリムの男性は妻の法的地位を享受していない女性と4人まで婚姻関係を結ぶことが可能である。
一人の男性に対して、一人の女性という結婚形態。近代国家の多くはこの婚姻制度のみを採用している。近代以前はしばしば妻のみに貞操義務を要求されたが、これは男性による女性の支配だとして多くの国で撤廃され、一部の国では男女に貞操義務が課された。
なお一夫一婦制の社会で、すでに配偶者がいるのに他の者とも結婚することを重婚と呼ぶ。
  • 複婚制 (Polygamy)
    一人の男性が複数の女性と婚姻関係を持つ形態。前近代においてはほぼすべての社会で実践されていた。現在でも中東のイスラム社会などに認められる。また、アメリカ合衆国モルモン教徒も近年までは、一夫多妻制を採用していた。ただしこの制度を採用している地域の男性住民のすべてが複数の妻を持っているわけではない。イスラム教の一夫多妻制は、イスラーム教の公式見解に従えば聖戦によって男性が戦死する可能性が高かったため、未亡人や遺児の生活を保障するために始められたとされる。複数の妻が持てるのは経済的な余裕のある男性に限られる。一夫多妻制は男性による女性支配の原因となっているとされているが、西ヨーロッパ・アメリカの知識人の中には自国の女性差別を隠蔽するためにこのことを取り上げるものもいるという批判もある。
    一人の女性が複数の男性と婚姻関係を持つ形態。現在この結婚制度を正式に法的に採用している国はないが、チベットなどで妻が複数の兄弟を夫とする慣習がある。
    • 集団婚
    集団婚は、複数の男性と複数の女性が婚姻関係を持つ形態。社会進化論が唱えられていた19世紀には、私有財産制度以前の原始社会で行われていたと考えられていたが、最近の文化人類学考古学進化生物学の知見からは、その存在が否定ないし疑問視されている。

内婚と外婚

同一の地域・氏族・民族の者の間でなされる結婚を内婚 (Endogamy)、異なる地域・氏族・民族等の者の間でなされる結婚を外婚 (Exogamy) という[11]

ただし、近い血縁関係にある者同士が婚姻関係を結ぶ近親婚親子婚兄弟姉妹婚叔姪婚いとこ婚)については多くの社会で制限が存在する。また、同じ姓の者同士が結婚する同姓婚については慣習的に嫌われる地域がある。なお、夫の死後において夫の兄弟と婚姻関係を結ぶ制度はレビラト婚(順縁婚)、妻の死後において妻の姉妹と婚姻関係を結ぶ制度はソロレート婚(逆縁婚)と呼ばれる。

同類婚と異類婚

職業・階層・教育・趣味などの点で同一ないし類似の社会文化的属性を有する者同士の結婚を同類婚 (Homogamy)、異なる社会文化的属性を有する者同士の結婚を異類婚 (Heterogamy) という[11]

夫居制・妻居制・選択制・新居制

社会学では結婚後の夫婦の居所により夫居制・妻居制・選択制・新居制という分類が用いられることがある[12]

男が女の元にあるいは女が男の元に通う形態は通い婚という。特に夫が妻の元に通う場合は妻問婚(つまどいこん)とも言う。源氏物語に見られるように、かつての日本でも見られた形態である[13]。現在では別居婚とも言われる。

(異性婚と)同性婚

2006年7月29日、LGBTの権利の擁護と国際人権法確立を目的とした「モントリオール宣言」が採択され、性的指向を根拠にした差別の禁止などの観点から、同性結婚制度や登録パートナシップ制度が必要との記述が盛り込まれた。

フランスでは、2013年2月には下院で、4月12日には同国の上院で、同性婚解禁法案が賛成多数で可決された。

イギリスでは、2013年2月 庶民院(下院)で、7月15日 には貴族院(上院)で同性婚法案を賛成多数で可決し、2014年3月29日 イングランドとウェールズで同法律、が施行され、同年12月16日にはスコットランドで同性婚法案が施行された。

アメリカ合衆国では、2015年6月26日、最高裁判所が「法の下の平等」を定めた「アメリカ合衆国憲法修正第14条」を根拠に、アメリカ合衆国のすべての州での同性結婚を認める判決をだした。

日本では2020年3月4日、東京高裁は同性カップルについて、「他人が生活を共にする単なる同居ではなく、同性どうしであるため法律上の婚姻の届出はできないものの、できる限り社会観念上、夫婦と同様であると認められる関係を形成しようとしていたものであり、男女が協力して夫婦としての生活を営む結合としての婚姻に準ずる関係にあったということができる」と述べて、婚姻に準じる関係であったと認めた[14]

婚姻の解消

婚姻は生前に解消されることがあり、これを一般に離婚という。その扱いについては文化・制度ごとに異なっており、離婚が容易に認められる文化、原則的に認められない文化、一切認められていない文化などの違い、またどのような理由が認められるか、についても文化・制度ごとに異なる。

結婚と宗教

結婚はあらゆる地域で宗教と密接に関わっている。

キリスト教

京都聖マリア教会での結婚の秘跡
  • カトリック教会では「結婚の秘跡」として扱われる[15][16]。結婚の秘跡として認められるのは信徒同士の場合である[17]。非信徒と信徒(混宗結婚と異宗結婚[18])、教会によっては非信徒同士の結婚式も執り行う。カトリック教会では、民法上の離婚者の再婚を結婚と認めていない[19]カトリック教会聖職者は生涯独身である。ただし、他教の既婚の司祭的役割の者が改宗した場合は、離婚を求められることはない。結婚禁止になったのは、11世紀グレゴリウス改革以降のことである[20]東方典礼カトリック教会は結婚できる。
  • 聖公会では主教も含めた聖職者も結婚および妻帯が可能であり、妻帯した主教も数多く存在する。また正教会と違い、執事・司祭となった後でも結婚が可能である。
  • 正教会では機密として扱われる[21]正教会では婚配機密といい、機密であるため、信徒同士でのみ行われる。夫婦となる者のうち片方もしくは両方が未信徒である場合、洗礼を受けてから婚配機密を行う。修道士は独身を保つ。神品 (正教会の聖職)の内、輔祭司祭は妻帯が可能であるが、輔祭になる前に結婚しなければならない。また神品の再婚は認められない。主教修道司祭から選ばれるため、主教は独身者である。離婚は神品職を解かれるほどの重い罪であり、一般信徒も一定期間、領聖停止などの措置が取られることになる[注 2]。しかし一般信徒の場合、配偶者の生存の如何には関係なく3回まで再婚が認められる場合もある(ただし極めて稀)。

イスラム教

イスラームでは婚姻は戒律により(商取引などと同様に)人間同士の契約として扱われており、キリスト教の結婚のように神に誓った物ではない。 イスラム教における結婚では夫婦ともにイスラム教徒であることを必須条件としている。このため、夫婦のどちらかがイスラム教徒でない場合は結婚前に改宗することが求められる。

手続

結婚の手続き(儀式)は「ニカーフ」と呼ばれ、イスラーム法を知る者であれば誰でも執り行うことができ、また、当事者たちに都合の良い場所で行うことができる[22]。結婚には二人のムスリムの証人が必要であり、イスラーム法を知る人(ムスリム)が二人居ればよいとされている。ただし、実際にはウラマーによる承認や公証人による証書の発行が必要となる。また、「当事者たちの都合のよい場所で行うことができる」とされているが、通常は、モスクにおいて、そのモスクのイマームが執り行う[22]

イスラーム教における結婚は、「1人の男と1人の女との間に結ばれる契約」であり、その結婚に対しては何らの法的制約もないので、花婿の同意および花嫁と彼女の保護者との同意とが一番重要であると考えられている[22]

通常、花嫁の自由意志による同意は、結婚の儀式の前に、直接あるいは間接的に得られている[22]。花婿側の自由意思による同意の表明は儀式中に行う。 結婚の儀式が始まると、まずイマームによるアッラーを讃える定型的な説教がアラビア語で行われ[22]、イスラーム教の結婚制度の尊厳、および妻や夫としての義務責任について説明される[22]。イマームは、花嫁の保護者に対し、自分の娘(あるいは自分が後見人となっている娘)と花婿との結婚に同意するかどうか、公の場(=2人の正式な証人が同席し儀式が行われている、まさにこの場)で表明するように求める。保護者が同意を表明すると、イマームは、次に、花婿に対し、名を呼びあげた花嫁との結婚に合意するかどうか表明するように求める[22]

Nikah(結婚の契約書)に署名をするイスラームの花嫁。(2006年、パキスタンにて)

そして(通常、<<結婚の契約書>>が花嫁とその父親(あるいは後見人)と花婿によって作成されており)、2人の証人が(も)それに署名する。(式の前にあらかじめ花婿側と花嫁側の間で時間をかけて話し合い、相互の同意を得た上で決定された)「マフル」と呼ばれる婚資(夫から妻に贈られる贈与財産)の内容(およびその支払い方)がここで発表され[22]、この贈与財産の内容は<<結婚の契約書>>にはっきりと明記される[22](なお、もしも離婚することになった場合の慰謝料についてもこの契約書に明記しておく[23])。

そしてイマームの導く無言の祈りで式が完結し、挨拶が交わされる。乾燥したナツメヤシの実(=デーツ)などのお菓子が参列者に振舞われる[22]

イスラーム内の宗派ごとの相違点

イスラム法における結婚は制度が複雑で部外者には理解しにくい一面もある。ミシャー婚スンナ派では認められていないシーア派独自のムトア婚(一時婚)などの制度があり、宗派によって結婚の制度が異なる上にアラブ社会ではこれに部族習慣法が加わって極めて複雑な婚姻関係が形成されている。

年齢

古典イスラーム法では、ムハンマドの妻アーイシャが9歳でムハンマドと結婚し初夜の性行為を行ったというハディースに基づき、女性の結婚最低年齢は9歳である。男性の結婚最低年齢は13歳程度である。しかし中東のイスラム教国を除く多くのイスラーム諸国では現在では[いつ?]15 - 18歳が結婚最低年齢である。 サウジアラビアイエメンオマーンなど、人間は生まれたときから結婚する権利があると認める国もあり、法制度上の下限がない国もある。ただし結婚しても性行為は9歳になるまで不可としている。

結婚の不成立(無効)

非婚での性行為が戒律上、認められていないため、初婚のさいには、男性は童貞、女性は処女であることを求められる。そのため、初婚の際に女性が処女でなかった場合、そもそも契約条件を満たしておらず「結婚は無効」という解釈が成り立つ。

離婚

イスラム教では離婚を制限していない。夫が「離婚」を意味する「タラーク」という言葉を、妻に対してはっきりと聞こえるように、ゆっくり大きな声で3回唱えることでその意志を表明すれば、それだけで離婚できる。

再婚

イスラム教では離婚を制限していないため、離婚・死別のどちらでも男女とも再婚可能。

一夫多妻制

イスラム法における結婚では一夫多妻制が認められていることが特徴のひとつとして挙げられるが、経済的な事情もあり実際に複数の妻を持っている人物は少ない。 サウジアラビアの初代国王であるアブドゥルアズィーズ・イブン・サウードは国を平定するために100以上ある国内の主要部族の全てから妻をもらっているため百数十人の妻がいたといわれている。このため初代国王の王妃が何人いたのか国王本人やサウジ王室自身も含めて把握できていないがイスラム社会における結婚の最多事例と言われている。サウード王家は一夫多妻結婚を繰り返しているため、初代国王の子孫は鼠算式に増えて5世代で2万人以上にまで増えた。

イスラム教国では売春は重罪であるが、短期間での結婚と離婚を繰り返すことで、実態としては売春でありながらそれをあたかも売春ではないかのように装う「脱法行為(ヒヤル)としての結婚」「結婚を装った売春」が行われていることもある。

ユダヤ教

ユダヤ教では結婚は神聖な行為と考えられ、未婚の男性は一人前とみなされない。「結婚は神が人間を誕生させて最初に行った行為であるから、必ず結婚すべきである」とされている。今でも伝統を守る地域では男子は18歳になると結婚する。恋愛は行うべきだが恋愛はあくまで一時的なもので、結婚とは結び付かないものだと教えられている[24]

結婚と法制度

法学上、婚姻制度については人類の保族本能に基づき、これが習俗・宗教・法律といった社会規範によって規律されるものと説かれることが多い[25][26]

近代法における構成要素

  同性婚が開かれている
  政府又は裁判所が承認する意図を示している
  明白な他の司法権において施行された際に承認される
  無登録の同棲
  明白な他の司法権において施行された際に限られて承認される
  国は国際裁判所の対象となります
  同性ユニオンが合法的に承認されていない

(リスト上方の色は下方の色に優位に立つ)
未施行の法律を含む。

近代法における婚姻の構成要素として、社会的要素、自然的要素、意思的要素の3つが挙げられる[27]

  • 社会的要素
婚姻の儀式などの要素がある。結婚の際の儀式については結婚式を参照。
  • 自然的要素
婚姻は伝統的には男女間での成立するものと考えられてきたが[28]、一部の国または地域では男性同士や女性同士の同性結婚も法的に認められている。日本では同性間の婚姻届は受理されない。1998年に川崎の若宮八幡宮で神前結婚式が行われ反響を呼んだ。
  • 意思的要素
婚姻は当事者間の合意すなわち契約により成立する。

婚姻の成立

婚姻の成立の形態に関する法制度としては次のように分類される[29]

  • 事実婚主義(事実婚・無式婚)
社会慣習上において婚姻と認められるような事実関係があれば法律上の婚姻と認める制度
法制上、一般に婚姻には公示機能として一定の手続(儀式等)を伴うのが通例とされ、1926年のソビエト・ロシア法など事実婚主義の採用は歴史的にみても極めて稀にしか存在しないとされる[29]
  • 形式婚主義(形式婚・要式婚)
    婚姻の成立には何らかの手続を要するとする制度
    • 法律婚主義(法律婚・民事婚)
    婚姻の成立には法律上の所定の手続を要するとする制度(法律上の所定の手続が届出である場合を特に届出婚主義という)
    • 儀式婚主義(儀式婚)
      • 宗教的儀式婚(宗教婚)
      婚姻の成立には一定の宗教上の儀式を要するとする制度
      • 習俗的儀式婚
      婚姻の成立には一定の習俗上の手続を要するとする制度

なお、各国間では婚姻の成立方式が異なることから、国際結婚の場合には当事者との関係でいずれの国の私法を適用すべきかという国際私法上の問題となる。

法定財産制

婚姻後の財産の帰属・管理の形態に関する法制度は次のように分類される[30]

  • 吸収制
配偶者の一方の財産が他方の財産に(この法制の多くは妻側の財産が夫側の財産に)吸収されるとする制度。
  • 共有制(共通制・合有制)
夫婦が財産を共有する制度。共有の具体的範囲は各法制ごとに異なる。
  • 別産制
原則として各自が財産を所有し自己の名で得た財産はその者の固有財産となる制度。この制度は歴史的には妻の財産を夫から解放する点に意義があったとされる[31]
  • 複合財産制
上の財産制の要素を併用する制度。

日本では別産制を採用している。米国では州によって異なり、たとえばカリフォルニア州では共有制を採用している。


注釈

  1. ^ 住民票で「夫(未届)」「妻(未届)」等の記載をすることが可能である。
  2. ^ これは懲罰的措置ではなく精神的治療に必要な期間とされている
  3. ^ ただし、女子については、2022年令和4年)4月1日から2024年令和6年)3月31日までの期間においては、2006年平成18年)4月1日以前に生まれており(2022年令和4年)4月1日の成人年齢引き下げの際に16歳に達しており)、成人年齢の18歳に達していない者については、親の同意を得て婚姻をすることができる(経過規定)。

出典

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