新潟空港 概要

新潟空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 01:57 UTC 版)

概要

新潟空港付近の空中写真。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。2009年撮影の10枚を合成作成。
1975年当時の新潟空港付近の空中写真。北側(上))がB滑走路、南側(中央)がA滑走路。空港南側では宅地化が進捗している。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。1975年撮影の6枚を合成作成。

新潟市東区の北東部(下山地区)に所在し、北側は日本海に、東側は阿賀野川河口部に、西側は信濃川河口付近にそれぞれ面する。

滑走路は2本あり、旅客機は主に海沿いに設けられたB滑走路を使用する。B滑走路の東側に設けられ、北東から南西へ伸びる副滑走路のA滑走路は、主に使用事業の軽飛行機およびヘリコプターが使用する。

空港ターミナルビルは、B滑走路の南側中央部に設けられたエプロンに面し、その西側には併設される航空救難部隊として航空自衛隊新潟分屯基地の専用エプロンやハンガーが設けられており、新潟救難隊救難捜索機などが常駐している。ターミナルビル南側には車道と駐車場を挟み、A滑走路の磁気方位04終端に面して東から西に新潟県警察航空隊、東北電力中日本航空朝日航洋新潟県消防防災航空隊海上保安庁第九管区海上保安本部新潟航空基地などのハンガーが立ち並ぶ共同のサウスエプロン地区がある。なお、制限表面[G 2]には円錐表面と外側水平表面が設定されていない。

東西冷戦期であった1973年6月に、ソビエト社会主義共和国連邦ハバロフスク空港との間にアエロフロート日本航空による共同定期便が就航して、新潟港とともに日本における東側諸国への窓口となった。

1979年には韓国金浦国際空港との定期便がいち早く就航するなど、国際線が比較的早い段階で開設された地方空港の1つである。冷戦終結後にロシアの航空会社の成田国際空港への乗り入れが自由化されたこともあり、ロシアの航空会社の乗り入れはなくなったものの、現在もソウル台北上海ハルビンからの乗り入れが行われている。

国土交通省2009年度以降、国管理空港の個別収支試算を公表しており、新潟空港の営業損益は2009年7月に発表された2006年度分で約23億、2010年7月に発表された2007年度分でも約20億円、2011年に発表された2008年度分でも、約13億円のそれぞれ赤字となっている。国管理空港の営業損益としては福岡空港那覇空港などに次いで全国ワースト5位以内である[注釈 1]

敷地内には防衛省の施設として航空自衛隊新潟分屯基地が置かれ、国土交通省の関連施設では東京航空局新潟空港事務所、海上保安庁の新潟航空基地(格納庫、事務所)などがある。


注釈

  1. ^ 国が管理し空港別収支の公表対象となっている25空港中、新潟空港の営業損益は2006年度・2007年度が2年連続でワースト3位、2008年度もワースト5位となっている。
  2. ^ 同年に萬代橋の架け替え工事が竣工したのを記念し、朝日新聞社の社有機による記念飛行を行うため急遽建設されたが、元々地盤が軟弱で、且つ原を地ならししただけの簡易な構造であったため着陸事故が発生し、実質十数日間稼働したのみで閉鎖された。
  3. ^ この際の液状化現象は、世界で初めて映像として記録された[要出典]
  4. ^ ウラジオストク線、ハバロフスク線は元々アエロフロートが運航していたものをウラジオストク航空とダリアビア航空の2社へ移譲させたもので、その後、ダリアビア航空が運航停止となった為、2路線ともウラジオストク航空が運航していた。またイルクーツク空港への路線も運航されていたが、2006年を最後に休航している(運航開始当初はアエロフロートが、後年はシベリア航空が運航)。
  5. ^ 新潟空港発着の極東ロシア2路線が搭乗率低下に至った理由としては、成田線の開設によって首都圏からのビジネス利用客が漸減した事が最も大きいとされる。加えて利用客の中でも大きなウェイトを占めていた、極東ロシアからの中古自動車バイヤーの搭乗数が減少した事も要因として挙げられる。極東ロシアでは1990年代以降、日本からの輸入中古車が重宝されていたが、ロシア政府が2009年(平成21年)1月に中古輸入車の関税引き上げ策を施行したことによって、新潟市周辺の中古車業者との商談・車両調達を目的に来日していた彼らの搭乗数も減少。結果、日ロ間の輸出総台数は引き上げ策施行前の1割程度まで激減している。
  6. ^ ジェイエアの機材・乗務員で運航
  7. ^ ANAウイングスの機材・乗務員で運航
  8. ^ a b 1971年に小松~新潟~丘珠間の定期路線開設。1979年に新潟~丘珠間休止。1979年に小松~新潟間休止。
  9. ^ 後年は東亜国内航空(のちの日本エアシステム、現在の日本航空グループ)が運航していた。
  10. ^ なお、このときの管制指示に対する副操縦士の復唱は前後逆になっていたが、これは一般的に許容範囲内であり、既に滑走路10全体の使用許可は発信済みだったことから、指示の復唱順により「着陸滑走中の交差滑走路の横断許可」などと乗務員が誤解していることは管制官の想像の範囲外であったと事故調査報告書は認定している。

出典(新聞・ニュース = N)

  1. ^ 新潟日報』夕刊連載企画「新潟空港事始め」(1993年11月8日 - 11月19日掲載)。ターミナルビル3階の「PRルーム」には、当時の紙面を模したパネルが掲出されている。
  2. ^ 新潟空港、3月30日からターミナルビルの閉館時間を変更 FlyTeam 2014年3月24日付
  3. ^ “新潟空港初のLCC、いよいよあす就航 ピーチが関西線 温泉地と連携で誘客”. 産経新聞ニュース. (2018年2月28日). https://www.sankei.com/article/20180228-XVUFWLIT7BOZZODKWWAKLKWFAM/ 2019年12月1日閲覧。 
  4. ^ “ピーチの新潟―関西便が就航 新潟空港初のLCC”. 『日本経済新聞』. (2018年3月1日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27576150R00C18A3L21000/ 2019年12月1日閲覧。 
  5. ^ “格安ピーチ新潟県初就航 新潟-大阪 空港活性化に期待”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(新潟日報). (2018年3月2日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000013800 2019年12月1日閲覧。 
  6. ^ 「新潟-佐渡」定期空路復活の可能性探る 県など、6人乗りでテストフライト新潟日報モア(2019年11月26日)2020年1月25日閲覧
  7. ^ “東京-新潟線を休止”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1983年7月31日) 
  8. ^ “新潟空港 高速バス、会津若松線延伸 新潟県が実証実験”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(新潟日報). (2019年9月2日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000021151 2019年12月1日閲覧。 
  9. ^ a b c d e “第2回新潟空港アクセス改善連絡調整会議が開催される”. にいがた経済新聞. (2019年3月28日). https://www.niikei.jp/13930/ 2019年12月1日閲覧。 
  10. ^ “LCC→村上・瀬波直行 新潟空港発乗り合いタクシー運行”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(新潟日報). (2018年3月22日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000014002 2019年12月1日閲覧。 
  11. ^ “LCC新潟-大阪線開設 新発田市観光地周遊バス実験運行”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(新潟日報). (2018年2月28日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000013784 2019年12月1日閲覧。 
  12. ^ “LCCと自治体、連携し集客狙う 到着後の足・経費助成…需要開拓に効果”. SankeiBiz. (2019年9月4日). https://web.archive.org/web/20200925173605/https://www.sankeibiz.jp/business/news/190904/bsd1909040500007-n1.htm 2019年12月1日閲覧。 
  13. ^ 「新潟空港発着タクシー 定額運行スタート 20~30キロ圏内」新潟日報モア(2019年12月8日)2019年12月14日閲覧
  14. ^ a b c “新潟空港アクセス改善策、焦点は上越新幹線の延伸 年内に方向性 知事が意欲”. 産経ニュース. (2017年8月29日). https://www.sankei.com/life/news/170829/lif1708290017-n1.html 2019年12月1日閲覧。 
  15. ^ a b c d e “「安く乗れる新幹線」増えるか 新潟空港のアクセス鉄道、実現への道のり”. 乗りものニュース. (2018年3月13日). https://trafficnews.jp/post/79736/ 2019年12月1日閲覧。 
  16. ^ a b 新潟空港 再開も欠航便相次ぐ”. NHK (2013年8月6日). 2013年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月6日閲覧。

出典(国の機関及び自治体 = G)

  1. ^ 空港一覧国土交通省(2019年12月5日閲覧)。空港法では第4条第1項第6号に該当する空港として政令で定める空港(国管理空港)に区分されている。
  2. ^ 新潟空港の制限表面図 - 国土交通省 東京航空局
  3. ^ 空港課(新潟県)
  4. ^ 新潟空港 (PDF) (国土交通省)
  5. ^ 新潟県:平成25年度の新潟空港利用状況
  6. ^ 航空自衛隊航空救難団の沿革”. 航空自衛隊航空救難団. 2013年12月29日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h 資料15 新潟県の主な国際交流の動き(昭和30(1955)年以降) (PDF) (新潟県「国際交流概要」)
  8. ^ 新潟-ハバロフスク 航空路が開設20周年」(PDF)『市報にいがた』第1393号、新潟市、1993年11月7日、4頁。 
  9. ^ a b 新潟空港 新旅客ターミナルビル完成 出発ラウンジから直接搭乗」(PDF)『市報にいがた』第1534号、新潟市、1996年7月21日、3頁。 
  10. ^ 【資料2】「手ぶら観光」進めてます~新潟空港内の手荷物宅配カウンターを手ぶら観光カウンターとして認定~令和元年12月5日実施 北陸信越運輸局記者懇談会発表資料(2019年12月21日閲覧)
  11. ^ 平成25年度 新潟-ウラジオストク・ハバロフスク線のチャーター便運航について - 新潟県 交通政策局空港課、2012年12月18日付、2013年1月24日閲覧。(2013年3月14日時点のアーカイブ
  12. ^ 平成26年度 新潟-ロシア極東線のチャーター便運航について - 新潟県(2013年12月12日更新)2014年7月18日閲覧
  13. ^ 夏の観光に威力 新潟-女満別線が開設」(PDF)『市報にいがた』第1530号、新潟市、1996年6月23日、3頁。 
  14. ^ 新潟ー函館線が就航」(PDF)『市報にいがた』第1519号、新潟市、1996年4月7日、1頁。 
  15. ^ ソ連イルクーツクとの間に 定期航空路が開設」(PDF)『市報にいがた』第1256号、新潟市、1991年3月24日、6頁。 
  16. ^ a b 国際線ぞくぞく登場 新潟-グアム(定期) 新潟-ハワイ(プログラムチャーター) 運航開始」(PDF)『市報にいがた』第1637号、新潟市、1998年7月12日、1頁。 
  17. ^ 第120回国会 予算委員会第七分科会 第3号(1991年3月13日) - 国会会議録検索システム(国立国会図書館) ※星野行男の発言。
  18. ^ 平成19年度 新潟空港のアクセス改善の検討状況と改善の方向性等について(概要版) - 新潟空港アクセス改善検討委員会(新潟県)
  19. ^ 新潟空港アクセスの改善 - 新潟県 - ウェイバックマシン(2012年3月30日アーカイブ分)
  20. ^ にいがた交通戦略プラン - 新潟市(2019年12月14日閲覧)
  21. ^ 新たな交通システム - 新潟市(2019年12月14日閲覧)
  22. ^ 新潟空港乗入れの高速バスを増便します(報道発表資料) - 新潟県 交通政策局空港課(2012年3月2日付)
  23. ^ a b 航空事故/航空重大インシデントの概要”. 運輸安全委員会. 2013年8月6日閲覧。
  24. ^ a b 航空重大インシデント調査報告書”. 運輸安全委員会. 2013年8月6日閲覧。

出典(その他)

  1. ^ 新潟空港(RJSN/KIJ) (航空無線Handbook)
  2. ^ a b c d e f g h i 井田仁康「新潟県における航空旅客の分布・流動パターン」『東北地理』Vol.43 (1991)」pp.276-286, doi:10.5190/tga1948.43.276
  3. ^ 『40年のあゆみ 北陸エアターミナル株式会社設立40周年記念誌』(2000年10月、北陸エアターミナル株式会社発行)178ページ。
  4. ^ primamedia.ru(2012年6月8日付、同年6月14日閲覧、ロシア語)
  5. ^ sakhalife.ru ヤクーツク航空の経営計画について - SakhaLife(2012年8月17日付、同年9月11日閲覧、ロシア語
  6. ^ “高速バス「会津若松 - 新潟」線 新潟空港延伸のお知らせ”. 会津乗合自動車. (2019年8月7日). http://news.aizubus.com/entry/2019/08/07/161731 2019年8月10日閲覧。 
  7. ^ 【会津若松線】 9/1〜 新潟空港への乗り入れに伴うダイヤ改正について新潟交通、2019年7月31日、同年8月10日閲覧 (PDF)
  8. ^ Aviation Photo #2434468 Boeing 737-9B5 - Korean Air Airliners.net(2019年12月14日閲覧)






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