山武市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/07 14:17 UTC 版)
地理
千葉県東部に位置し、県庁所在地である千葉市から約30キロメートルの距離である。東京都の都心から約60 - 70キロメートル圏内である。都市雇用圏における東京都市圏に含まれる。
平野部は九十九里平野に含まれ、日本有数の砂浜海岸である九十九里浜の中央から南側にかけ、約8キロメートルにわたって太平洋に面する。気候は旧蓮沼村や成東町等の九十九里平野は海洋性気候で温暖、旧山武町地域等の内陸部は内陸性気候で寒冷である。
河川
隣接する自治体
歴史
沿革
- 2006年(平成18年)3月27日 - 山武郡成東町・山武町・蓮沼村・松尾町が合併し山武市が発足[1]。
- 2006年(平成18年)10月1日 - 市章を制定する。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 沿岸部に東北地方太平洋沖地震による津波が襲い、死者1名と重傷者2名の人的被害が出た。海岸の防砂林を超えた津波による浸水被害のほかに、河川を逆流した津波が田畑に流れ込むなどの被害が出た。また、地震動により43棟が全壊し、438棟が半壊した(2012年2月1日現在、千葉県:東日本大震災について)。
市名
合併以前は、山武郡・山武町とも読みは「さんぶ」であったが、現在の山武市の読みは「さんむ」である。武社国造や武射郡の読み方「むさ」を受け継いだ「さんむ」の方が古い歴史的な読み方であり、1975年あたりからいつの間にか「さんぶ」に変わってしまったので、重い歴史を持った「さんむ」の方が新しい市に相応しいためであるという。なお、「山武郡」は現在も「さんぶぐん」が正式な読みである[2]。
合併計画
- 九十九里市
2002年(平成14年)11月25日に山武地域合併準備会が発足した[3]。当初はこの4町村と東金市、九十九里町が合併する計画で、2003年(平成15年)12月25日に山武地域合併協議会が新市名を九十九里市(くじゅうくりし)と決定し[4]、2005年(平成17年)3月22日の合併を目指していた[5]。2004年(平成16年)11月28日の東金市の住民投票で「合併反対」が多数となり離脱することになり[6]、2005年(平成17年)1月31日に山武地域合併準備会が解散することになった[7]。結局、東金市と九十九里町を除いた4町村が合併することになった。実現していれば13万人の都市になっていた。
- 太平洋市
2005年(平成17年)1月31日に山武中央4町村合併任意協議会が新市名を太平洋市(たいへいようし)と決定した[8]。古谷淳・松尾町長(当時)は「決してパシフィック・オーシャンの意味ではない。大きな希望を持った平和な市と理解してほしい[9]」と釈明したが、「一自治体が『太平洋』を名乗るべきではない」という趣旨の抗議が相次いだ。そのため、2005年(平成17年)2月27日に新市名を白紙撤回され[10]、住民アンケートを行って同年3月15日に現在の市名に変更された[11]。
行政区域変遷
- 変遷の年表
山武市市域の変遷(年表) | ||
---|---|---|
年 | 月日 | 現山武市市域に関連する行政区域変遷 |
1889年(明治22年) | 4月1日 | 町村制施行により、以下の町村が発足。 |
1897年(明治30年) | 4月1日 | 武射郡、山辺郡が統合して山武郡が成立。 |
1898年(明治31年) | 8月31日 | 松尾村が町制施行して松尾町となる。 |
1953年(昭和28年) | 4月10日 | 公平村の一部(姫島)が成東町に編入。 |
1954年(昭和29年) | 4月1日 | 源村の一部(下布田、植草、雨坪、武勝)が日向村に編入。 |
10月1日 | 成東町・大富村・南郷村が合併し、成東町が発足。 | |
10月31日 | 日向村大木の一部が印旛郡八街町(現八街市)に編入。 | |
1955年(昭和30年) | 1月1日 | 日向村・睦岡村が合併し、山武町が発足。 |
2月1日 | 松尾町・大平村・豊岡村が合併し、松尾町が発足。 | |
3月31日 | 鳴浜村の一部(白幡、本須賀)が成東町に編入。 | |
7月1日 | 成東町・緑海村が合併し、改めて成東町が発足。 | |
1956年(昭和31年) | 4月1日 | 山武町木原・沖渡の一部が印旛郡八街町(現八街市)に編入。 |
2006年(平成18年) | 3月27日 | 山武町・成東町・松尾町・蓮沼村が合併し、山武市が発足。 |
人口
平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、6.89%減の52,222人であり、増減率は県下54市町村中44位、60行政区域中50位。
山武市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 山武市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 山武市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
山武市(に相当する地域)の人口の推移
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
総務省統計局 国勢調査より |
東金市と同様に消滅可能性都市に指名されている。
富里市 | 芝山町 | 横芝光町 | ||
八街市 | (太平洋) | |||
山武市 | ||||
東金市 | 九十九里町 |
- ^ “新4市・町 誕生祝う 香取市 県内初の自治区制導入 山武市 旧4町村、テープカット 新・成田市 NARITAナンバーを交付 横芝光町 2町合併、喜びかみしめ”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 16. (2006年3月28日)
- ^ 千葉県統計年鑑(令和2年) > 2 土地・気象 > 市区町村別面積
- ^ “山武合併準備会が発足 任意協から法廷協の母体”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 14. (2002年11月26日)
- ^ “新市の名称は「九十九里市」 山武地域合併協が決定 「全国的に知名度高い」”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 14. (2003年12月26日)
- ^ “合併期日は来年3月22日 山武合併協”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 14. (2004年7月23日)
- ^ “「反対」が多数 合併協[議会]離脱へ 東金市住民投票 東金市合併住民投票開票状況”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 1. (2004年11月29日)
- ^ “山武合併協31日解散 3市町で廃止議案を可決”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 16. (2005年1月20日)
- ^ “「太平洋市」に名称決定 山武4町村合併 議員定数24、在任特例13カ月”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 16. (2005年2月1日)
- ^ “新市の名称「太平洋市」に…千葉県の4町村合併”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2005年1月31日). オリジナルの2005年2月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ “「太平洋市」を白紙撤回 成東、山武、松尾、蓮沼の4町村合併 新市名めぐり正念場”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 16. (2005年2月28日)
- ^ “新市名は「山武(さんむ)」 山武4町村、22日合併調印”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 1. (2005年3月16日)
- ^ “市議会のしくみと運営”. 山武市. 2019年5月10日閲覧。
- ^ “令和5年中に予定される選挙”. 千葉県 (2023年6月9日). 2023年7月10日閲覧。
- ^ 千葉県森林審議会 サンブスギ溝腐病対策について 千葉県公式サイト、2019年9月18日閲覧。
- ^ 田中淳夫. “千葉大停電の遠因か。倒木処理の難しさと山武杉の悲劇を振り返る”. Yahoo!ニュース. 2019年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月18日閲覧。
- ^ 千葉県. “平成30年度消費者購買動向調査(千葉県の商圏)”. 千葉県. 2019年6月4日閲覧。
- ^ “成東の苺狩り TOP | 千葉県 山武市成東観光苺組合”. 山武市成東観光苺組合. 2019年6月4日閲覧。
- ^ 千葉県. “山武市の国・県指定および国登録文化財”. 千葉県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ "悠木碧(ゆうきあおい)の解説". goo人名事典. 2020年11月19日閲覧。
- ^ "山武市東京オリンピック・パラリンピック戦略推進事業". 千葉県山武市公式ホームページ (2016年12月8日閲覧).
固有名詞の分類
- 山武市のページへのリンク