四万温泉 四万温泉の概要

四万温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 04:29 UTC 版)

四万温泉
四万川と温泉地
温泉情報
所在地 日本 群馬県吾妻郡中之条町
座標 北緯36度41分10.2秒 東経138度46分29秒 / 北緯36.686167度 東経138.77472度 / 36.686167; 138.77472座標: 北緯36度41分10.2秒 東経138度46分29秒 / 北緯36.686167度 東経138.77472度 / 36.686167; 138.77472
交通 鉄道:JR吾妻線中之条駅から関越交通バスで約40分
高速バス:関越交通四万温泉号(通年運行)もしくは伊香保四万温泉号(季節運行)を利用
自家用車:関越自動車道渋川伊香保ICより国道17号国道353号を経由して約60分
泉質 硫酸塩泉(ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉[1]
泉温(摂氏 43~82°C[2]
湧出量 毎分約3,500リットル[1]
pH 平均7.7(2001年度)[1]
外部リンク 四万温泉協会
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四万川と温泉地

名前は「四万(よんまん)の病を癒す霊泉」に由来するとの説があり[3][4]鎌倉時代から知られている[3]古代開湯されたと伝えられている(※後述)。

湯宿は永禄6年(1565年戦国時代末期)に初めて設けられた[5][1]宮城県峩々温泉大分県湯平温泉と共に、胃腸病に効く「日本三大胃腸病の名湯」と呼ばれてきた[6][7][4]上毛かるたでも「世のちり洗う四万温泉」と詠われている[4]。また、四万温泉は古くから「草津の仕上げ湯」と呼ばれてきた[6]。これは、強酸性の草津の湯(草津温泉)で湯治をした後、保湿・美肌効果のある塩化物硫酸塩泉である四万温泉に滞在するのが定番になっていたことに由来する[6]1954年(昭和29年)には酸ヶ湯青森県)・日光湯元温泉栃木県)と共に国民保養温泉地の第1号に指定されている[8]


注釈

  1. ^ 相模国府か武蔵国府のこと。
  2. ^ 現・群馬県渋川市内に所在した。
  3. ^ 浅貝宿(あさかいしゅく)。現・新潟県南魚沼郡湯沢町三国浅貝(旧・浅貝村)に所在した。cf. 三国街道#宿場
  4. ^ 延暦年間 (782-806) の出来事としている資料もあるが、その時代はまだ当人が生まれていない。
  5. ^ 『四万新湯湯銭取立て帳』以外の古文書。
  6. ^ この件に関しては、意図的な偽装ではなく情報の開示が不十分であっただけとする意見がある。しかし、そもそもそういう問題ではない。
  7. ^ 花魁屋敷があったという伝承があり、遊女がいたと考えられる[21]
  8. ^ 「家貞」は資料によっては「家定」と記されている。
  9. ^ 「湯前薬師」の「湯前」の読みは「ゆまえ」「とうぜん」「ゆぜん」があり、地域によってまちまちである。日向見薬師がいずれであるかは、確かな読みを示した資料が見当たらない。ただ、検索キーワード[ 湯前神社 四万 ]で調べた時にヒットする"中之条町観光協会の公式サイトの当該ページを示す検索結果ページ"にのみ「湯前神社YuzenZinzya」と表示されるため、これをもって当地域での「湯前」の読みは「ゆぜん」と判断した。なお、近隣の小野上温泉内(渋川市行幸田)にある湯前薬師は「ゆまえ」である[40]
  10. ^ 籠堂とは、神社仏閣に附属して、信者・行者が籠って祈願・修行する堂。お籠りをする堂。
  11. ^ 積善館の西に広がる三国山脈(その一角)に発し、「河原の湯」付近で四万川に合流する。
  12. ^ ほかに、台湾九份中華人民共和国重慶市の洪崖洞(ホンヤ―トン[44]も噂された。
  13. ^ 源泉を発見して湯宿を営み始めたことで土着したというのが実際かも知れない。

出典

  1. ^ a b 御夢想の湯(地図 - Google マップ
  2. ^ 四万日向見(地図 - Google マップ
  3. ^ 四万温泉 ゆずりは(地図 - Google マップ
  4. ^ 四万温泉 新湯(地図 - Google マップ
  5. ^ 四万温泉 山口(地図 - Google マップ
  6. ^ 四万温泉 温泉口(地図 - Google マップ
  7. ^ 新湯横丁広場(地図 - Google マップ
  8. ^ 柳屋遊技場(地図 - Google マップ
  9. ^ 稲包山 三坂峠(地図 - Google マップ
  10. ^ 日向見薬師堂(地図 - Google マップ
  11. ^ 積善館(地図 - Google マップ
  12. ^ 四万たむら(地図 - Google マップ
  13. ^ 四万やまぐち館(地図 - Google マップ
  14. ^ バス停 四万温泉(地図 - Google マップ
  15. ^ 四万川ダム(地図 - Google マップ
  16. ^ 摩耶の滝(地図 - Google マップ
  17. ^ 大泉の滝(地図 - Google マップ
  18. ^ 小倉の滝(地図 - Google マップ
  19. ^ 桃太郎の滝(地図 - Google マップ
  20. ^ 四万の甌穴群(地図 - Google マップ
  21. ^ 四万湖(地図 - Google マップ
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 四万の歴史と現在”. 四万温泉. 一般社団法人 四万温泉協会. 2020年8月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “四万温泉”. コトバンク. 2020年8月29日閲覧。
  3. ^ a b c d 温泉”. ひなたみ館. 2020年8月20日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 日本三大胃腸病の湯・四万温泉”. 旅探. 東建コーポレーション株式会社. 2020年8月20日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 村田 & 初田 (2000), p. 259.
  6. ^ a b c 温泉”. 積善館. 2020年8月20日閲覧。
  7. ^ a b 日経おとなのOFF 胃腸病に効く日本三大温泉の一つ”. 積善館 (2008年2月12日). 2020年8月20日閲覧。
  8. ^ a b c d e 村木定雄、小学館日本大百科全書(ニッポニカ)』. “四万温泉”. コトバンク. 2020年8月29日閲覧。
  9. ^ a b c d e f 四万たむら”. 四万たむら. 2020年8月22日閲覧。
  10. ^ Musse, p. 3.
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m 積善館の歴史”. 積善館. 2020年8月20日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h i j k l 四万温泉の歴史と由来”. 佳元 (2018年2月20日). 2020年8月21日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g Kashiwabara (2017年11月12日). “古道再発見の探検隊 - 四万温泉から新潟への街道跡”. 公式ウェブサイト. 柏屋. 有限会社柏屋. 2020年8月23日閲覧。
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  21. ^ a b c d 高平 (1892).
  22. ^ a b c d e f g h i j k l m n JIN. “四万やまぐち館-コラム~総括”. 温泉コム株式会社. 2020年8月21日閲覧。
  23. ^ 村田 & 初田 (2000), p. 263.
  24. ^ a b c d 村田 & 初田 (2000), p. 260.
  25. ^ a b c d 積善館”. 積善館. 2020年8月20日閲覧。
  26. ^ a b c d e f g h i まるであのジブリ映画の世界!群馬の老舗湯宿「積善館」で幻想的なひとときを”. 旅ぐるたび. 株式会社ぐるなび (2017年9月24日更新). 2020年7月22日閲覧。
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  28. ^ 小学館『デジタル大辞泉』. “四万温泉”. コトバンク. 2020年8月29日閲覧。
  29. ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “四万温泉”. コトバンク. 2020年8月29日閲覧。
  30. ^ 群馬県四万・沢渡温泉は壊滅『東京日日新聞』昭和10年9月27日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p213 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  31. ^ a b 積善館山荘 - 文化遺産オンライン文化庁
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  44. ^ 千と千尋の神隠しのような世界が目の前に!重慶の「洪崖洞」”. LINEトラベルjp 旅行ガイド. 株式会社ベンチャーリパブリック (2019年1月16日更新). 2020年8月20日閲覧。
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  51. ^ a b c d JIN. “四万やまぐち館-コラム~総括 (3)”. 温泉コム株式会社. 2020年8月21日閲覧。
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  53. ^ a b c d 四万温泉号”. 関越交通株式会社. 2020年8月20日閲覧。
  54. ^ a b c d e 伊香保四万温泉号(季節運行)”. 関越交通株式会社. 2020年8月20日閲覧。
  55. ^ a b c d 伊香保四万温泉号 羽田線”. 関越交通株式会社. 2023年11月6日閲覧。
  56. ^ a b c 高崎・伊香保・四万温泉号 八王子線”. 関越交通株式会社. 2021年11月1日閲覧。
  57. ^ 日本温泉協会.
  58. ^ 平凡社『百科事典マイペディア』. “[温泉-840734 四万[温泉]]”. コトバンク. 2020年8月29日閲覧。






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