半ドン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 09:37 UTC 版)
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諸説あるが、1876年(明治9年)に公官庁で土曜半休となった折に、「半分のドンタク(休日)なので『半ドン』と呼ばれるようになった」と新聞が報じており[1]、近年では国語辞典においても同様の説明が掲載されている[2][3]。なお、ドンタクが休日や休業を意味するようになったのは、江戸時代末期に長崎出島に伝えられた「zondag」(オランダ語で日曜日を意味する言葉)が訛って伝播したことに由来している[4]。
異説として、以下のようなものがある。
- 明治時代から太平洋戦争中にかけ、正午に午砲(空砲)を撃つ地域があり、半日経った時間に「ドン」と撃つことから「半ドン」と呼ばれるようになった[5]。
- ドンタクという表現が使われなくなったことから生まれた異説で、昭和初期の随筆集にそのことが伝えられている[4]。
- 半分休みの土曜日という意味で「半土」という言葉が生まれ、それが転じて「半ドン」と言われるようになった[5]。
経緯
土曜半休は1850年のイギリスの工場法改正によって立法化され、日本には1876年(明治9年)に日曜日全休(1月4日を除く、28年に4回)と合わせて官公庁に導入された。
かつて、日本の多くの官公庁・企業・学校で土曜日は半ドンであった。1928年7月10日、銀行の土曜半休が実施された[6][要ページ番号]。1960年代からは土曜日を8時間労働にして週休二日制を導入する自治体が現れた[7]。1980年代以降は完全週休二日を導入する企業が増え、1992年には国家公務員に週休二日制が導入された。定期的な早期終業が少なくなり、今日では死語になりつつある[5]。
一方、医療機関では現在でも土曜日は午前中のみ診療するところがあり、水曜日または木曜日も午前中のみ診療するところがある。水曜日や木曜日に関しては医療界特有の事情として、土曜診療との振り替えもあることや、医療機関が所属している学会や勉強会が水曜日もしくは木曜日に開催されるところがあるためとされている[8]。なお、診療時間の設定は医療機関側の自由であるため、医師会などが強制するなど、明確な決まりがあるわけではない。
関連用語
- プレミアムフライデー
- 花金(はなきん)
脚注
- ^ “オヤ今日ハ大そう御愉快でしたねへ…”. 読売新聞: 3面. (1876年5月25日). "前から休日をドンタクと心得てゐるところから土曜日ハ半日の休みゆゑ半どんト云ふ通言だそうで有ります"
- ^ 『広辞苑』第六版、岩波書店、2008年。
- ^ 『日本国語大辞典』第二版、小学館、2000年 - 2002年。
- ^ a b 高橋康文『教師の手帖:随筆集』三教書院、1938年、291-295頁。NDLJP:1461898。
- ^ a b c “半ドン”. 語源由来辞典. 株式会社ルックバイス. 2016年4月6日閲覧。
- ^ 三井銀行八十年史
- ^ 高まる週休二日制熱 ためらう国よそ目に『朝日新聞』昭和49年(1974年)10月3日朝刊、21面
- ^ 歯医者の定休日はいつが多い?素朴な疑問に即、お答え致します! - どくらぼ
- ^ “花金”. 日本語俗語辞書. 株式会社ルックバイス. 2016年4月6日閲覧。
- 1 半ドンとは
- 2 半ドンの概要
- 半ドンのページへのリンク