ジャン・フランチェスコ・マリピエロ ジャン・フランチェスコ・マリピエロの概要

ジャン・フランチェスコ・マリピエロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 07:48 UTC 版)

ジャン・フランチェスコ・マリピエロ
基本情報
生誕 (1882-03-18) 1882年3月18日
イタリア王国ヴェネツィア
死没 (1973-08-01) 1973年8月1日(91歳没)
イタリアトレヴィーゾ
ジャンル 近代音楽新古典主義
職業 作曲家音楽学者

生涯

ヴェネツィアに生まれる。祖父はオペラ作曲家のフランチェスコ・マリピエロ。家庭の困難から、絶えず音楽教育を妨げられる。作曲家マルコ・エンリコ・ボッシ対位法を学ぶことを止めてから、モンテヴェルディやフレスコバルディのような古いイタリアの音楽を手ずから筆写することによって独学を続けた。イタリア古楽とのかかわりが畢生の事業となったことからすると、その時期は重要な振り出しであったと言える。1904年ボローニャへ行き、ボッシを捜し出して学習を続ける。学習期間を終えると、盲目の作曲家アントニオ・スマレーリャの助手となった。

1913年パリストラヴィンスキーの『春の祭典』の初演に接し、その後まもなくアルフレード・カゼッラと出逢う。この頃、ローマ聖チェチーリア音楽アカデミーに提出した4つの作品が入賞する。これには裏話があって、別々の偽名を用いて提出した5つの作品のうち4つが同時に入選したのであった。

1921年に運よく寒村アーゾロに落ち着いてから、1926年から1942年までモンテヴェルディ全集の校訂にとりくみ、1952年以降はヴィヴァルディの協奏曲のほとんどを校訂した。

1923年にカゼッラやガブリエーレ・ダヌンツィオに協力して、新音楽協会(Corporazione delle Nuove Musiche)を設立する。

1932年ヴェネツィア音楽高等学校英語版の教師となる。1939年から1952年までその運営に関わる。

1933年ルイージ・ピランデッロ台本によってオペラ『取り違えられた息子の物語』 (La favola del figlio cambiato) を作曲するまでムッソリーニとは良好な関係にあったが、この作品によってファシストから痛罵を浴びせかけられた。1935年、次のオペラ『ジュリオ・チェーザレ』 (Giulio Cesare) をムッソリーニに献呈したものの、これは何の助けにもならなかった。

1936年からパドヴァ大学の教壇に立つ。

1952年、作曲に専念するためふたたびアーゾロへ戻る。

1973年8月1日トレヴィーゾの病院で死去。

作品

マリピエロはカゼッラとともにイタリア器楽の復興に尽くした「1880年代生まれの作曲家」に属する。初期のマリピエロの作品は主にフランス印象主義音楽の影響、とりわけドビュッシーの影響を受けており、自由な形式と非伝統的な楽章構成、斬新な和声法と線的な対位法を用いて作曲を続けた。そのため、ソナタ形式フーガに縛られることを拒否した。カゼッラほど極端から極端へと渡り歩くことはなく、イタリア的な旋律の魅力は放棄されていない。多数ある交響曲のうち、第4番はクーセヴィツキー夫人ナターリアの追悼音楽であり、第6番は弦楽合奏のための作品である。

門弟にブルーノ・マデルナほか。ダッラピッコラと異なり、自ら無調十二音技法を用いることはなかったが、学生が新たな作曲技法に挑戦することに寛容だったと言われる。




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