ザトウムシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/23 14:07 UTC 版)
ザトウムシ | ||||||||||||||||||
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様々なザトウムシ[注釈 1]
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地質時代 | ||||||||||||||||||
古生代デボン紀(約4億500万年前[1]) - 現世 | ||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Opiliones Sundevall, 1833 [2] | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
ザトウムシ(座頭虫) メクラグモ(盲蜘蛛) | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Opilionid Harvestman Harvester Daddy longleg | ||||||||||||||||||
亜目[1] | ||||||||||||||||||
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名称
長い脚を伸ばして歩く様子が、盲人が杖で探りながら歩く姿に似ていることから、日本語では「ザトウムシ」(座頭虫、座頭: 僧体の盲人)の和名がある[3]。古くはこの特徴とクモを彷彿とさせる姿に加えて「メクラグモ」(盲蜘蛛)[7]と呼ばれてきたが、誤解を招きやすく(ザトウムシはクモではなく、通常は機能的な眼をもつ)、1970年代以降ではほぼ使われなくなっている[3]。方言では「あしながぐも」(北海道・東北地方など)、「いねかりむし」(岩手県。自切した脚が鎌で稲を刈るような動きをすることから)などと呼ばれている[3]。
英語圏では学名に因んだ「opilionid」[8]の他に「harvestman」(harvester, 収穫する人)と通称され、これは秋の収穫の季節によく見かけられることに由来とされる[3]。「daddy longleg」(あしながおじさん)という愛称もよく知られるが、これは狭義では本群のカイキザトウムシ亜目の構成種を専門に指し[5]、またユウレイグモやガガンボなど脚の長い他の節足動物にも使われるため、混同の注意が必要である[3][9]。
概説
ザトウムシの脚8本な姿は、一見して別のクモガタ類であるクモにも似ている。しかしクモガタ類の中で両者は特に近縁ではなく、クモガタ類全般の共通点以外のほとんど特徴も大きく異なる[10]。明瞭な違いとして、ザトウムシの体の前体と後体は密着し、全体として豆粒のようにまとまる(クモの前体と後体の間は顕著にくびれる)[11][10]。また、「メクラグモ」という旧称[3]に反して、ほとんどのザトウムシは1対の単眼をもつ[12]。
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モエギザトウムシ
茶色で単調な姿をした種類が多いが、派手な色彩や突起物をもつ種類もある[13]。多くは体長1cm未満で、脚は体長の数倍を超えるほど細長い[13]。一方、脚が短くて一見ダニに似た姿の種類もある[13]。また、雌雄により形態が異なるものもある[14]。
極地や乾燥地帯を除いて世界中の陸地で見つかり、主に熱帯雨林など植物が多くて湿度が高い所に生息する[13]。硬い外骨格に覆われ、脚を自切したり化学物質を分泌するなど、様々な防御機構で天敵から身を守る[15]。また、クモガタ類として例外的に、ザトウムシは多くが雑食性で固形物の餌を食べて[16]、雄と雌はそれぞれ陰茎と産卵管をもって真の交尾を行う[17]。
固有名詞の分類
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