クジャクシダとは? わかりやすく解説

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くじゃく‐しだ【×雀羊歯】

読み方:くじゃくしだ

イノモトソウ科シダ扇形広がり細かく裂けた裂片の前縁胞子嚢(ほうしのう)群が並び、これをの縁が裏側反り返るようにして包む。葉柄黒褐色つやがある古くから観葉植物とされる


孔雀羊歯

読み方:クジャクシダ(kujakushida)

イノモトソウ科クジャクシダ属のシダ


孔雀羊歯

読み方:クジャクシダ(kujakushida)

クジャクソウ別称
イノモトソウ科多年草

学名 Adiantum pedatum


クジャクシダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 01:09 UTC 版)

クジャクシダ
Adiantum pedatum
分類
: 植物界 Plantae
: シダ植物門 Pteridophyta
: シダ綱 Pteridopsida
: シダ目 Pteridales
: ホウライシダ科 Adiantaceae
亜科 : Adiantoideae
: ホウライシダ属 Adiantum
: クジャクシダ A. pedatum
学名
Adiantum pedatum
L.
和名
クジャクシダ(孔雀羊歯)、クジャクソウ
英名
Maidenhair fern
赤く色づいた若葉

クジャクシダ(孔雀羊歯、学名: Adiantum pedatum[1])は、ホウライシダ科ホウライシダ属の夏緑性のシダ植物である。

の枝分かれに特徴があって、それぞれに羽状複葉になった枝(羽片)を扇のように広げた姿がクジャクの尾羽を思わせるのが和名の由来である。クジャクソウとも呼ばれる。

特徴

は短く[2]、地下にあってやや横に這う。茶色の鱗片が密生し、春には多数の葉が束生する[2]

葉柄は細くて硬く、表面には光沢がある[2]。長さは15-45 cm、基部には鱗片がつく。は長さ15-25 cm、幅が30 cmにもなり、非常に横に広く広がった形で、いわゆる鳥足状になっている。地面から伸びる葉柄の先端部から左右に横枝が伸び、それに一回羽状複葉の葉が並んで、全体としては扇を広げたような形になる。これは、羽状複葉の葉の、一番下の枝が左右に伸び、その枝につく小羽片がこのような形になったもので、元々は又状仮軸分岐であると考えられている。この分枝を偽又状分枝ということもある。軸は細くて硬く、黒褐色で艶がある。小葉は薄くてやや硬く、幅広い扇型をしている。この特徴的な羽状複葉になった枝が和名のクジャクシダの由来になっている[3]。若葉は赤みを帯びる[2]胞子のう群は小葉の上縁に並ぶ。

夏緑性で、にはすべての葉が枯れる。

分布など

日本では北海道本州に広く分布し、四国九州では一部で見られる。国外ではヒマラヤから東アジア北アメリカに分布し、遺伝子的には若干の分化が見られる。

普通、やや明るい森林内の地面に出現する。時には岩の上に出ることもある。

利用

新葉の頃に小葉が赤く色づくことがあり、古くから山野草として栽培されることがある。栽培は簡単で、比較的土を選ばない。なお、地方変異や特殊なものも少なく、乱獲もあまり受けていないので、野生のものもよく見かけられる。

類似種

ホウライシダ属には多数のがあるが、中にいくつか「クジャクシダ」の名を持つものがある。

ホウライクジャクシダ Adiantum capillus-junonis Rupr.
クジャクシダとは異なり、単羽状複葉。
オキナワクジャクシダ Adiantum flabellulatum L.
多分、形ではクジャクシダに一番似ているだろう。やはり横長な葉を広げる。ただし、常緑性で、葉はやや硬い。クジャクシダに比べ、葉身は長さ幅とも13 cm前後と小型で羽片の数は少ない[4]。日本では琉球列島屋久島奄美大島沖永良部島沖縄諸島八重山諸島に分布し、森林内の地上に見られる。かつて熊本県天草でも1970年に一度だけ記録されたが、その後絶滅したとされる[5]。国外ではアジア熱帯域に広く分布する。

脚注

  1. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2011年7月4日閲覧。
  2. ^ a b c d 新村出 編『広辞苑』(第六版)岩波書店、2008年1月11日、794頁。ISBN 978-4-00-080121-8 
  3. ^ 高森町 編「2.高森町の植物 目録 参考・引用文献」『高森町の動植物』(PDF)高森町、2020年3月、[要ページ番号]頁。 NCID BB30420403全国書誌番号: 23379712https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/fs/4/2/8/3/9/_/2-1_ikansokusyokubutsu-mokuroku.pdf2022年3月4日閲覧 
  4. ^ 田金秀一郎 監修、川原勝征 著『九州のシダ植物検索図鑑』南方新社、2022年11月、208頁。 ISBN 978-4-86124-480-3 
  5. ^ 熊本県希少野生動植物検討委員会 編著「植物・藻類編 1.維管束植物・コケ植物」『レッドデータブックくまもと2019 熊本県の絶滅のおそれのある野生動植物』(PDF)熊本県、2019年12月、48頁。全国書誌番号: 23358946https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/108537.pdf2024年3月18日閲覧 

参考文献

関連項目

外部リンク


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