オフィススイート オフィススイートの概要

オフィススイート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/04 08:15 UTC 版)

具体的にはワープロワープロソフト)、表計算プレゼンテーションプレゼンテーションソフト)、データベースデータベース管理システム)の組み合わせが一般的で、ほかにも電子メール電子メールクライアント)、個人情報管理DTPなどのアプリケーションソフトが組み合わされることも多い。

主にパーソナルコンピュータノートパソコンデスクトップパソコンタブレットスマートフォンなど)で使われる。マシンにインストールして使用する方式のものも、クラウドサービスで使用する方式のものもある。

歴史

オフィススイートの前段階の単体ソフト

1970年代は、ワープロソフト[注釈 1]スプレッドシート[注釈 2]などは、それぞれ単体のソフトとして販売されていた。

オフィススイートの歴史

オフィススイートの最初期のものとして挙げることができるのは1980年代初頭に登場したMicroPro International社のStarBurst(スターバースト)であり、これにはワープロソフトのWordStar(ワードスター)、スプレッドシートのCalcStar(カルクスター)、データベースソフトのDataStar(データスター)が含まれていた。

1989年6月に、マイクロソフトは、それまで別々に販売されていたWord、Excel、PowerPointを初めてセットにして、Macintosh(Mac)向けに販売した。なおWindows向けにこれらを初めてセット販売したのは1990年10月である。日本語版の最初のものは、Macintosh版がOffice for Mac 4.2として、Windows版は、英語のOffice 3.0を日本で「Office 1.0」として発売した。

1992年にはLotus SofwareとIBMによりIBM PC向けにIBM Lotus SmartSuiteが開発・発売され、表計算ソフトのLotus 1-2-3、ワープロソフトのロータス・ワードプロ、プレゼンテーションソフトのロータス・フリーランス、関係データベースのロータス・アプローチ、個人情報管理ソフトのロータス・オーガナイザーのほか、画面録画ソフト「ロータス・スクリーンカム」 、統合管理ツール「ロータス・スマートセンター」、個人用ノート「ロータス・ノーツ」、さらにインターネットブラウザのNetscape Navigatorも含まれた。日本名(だけ)は「ロータス・スーパーオフィス」とされた。

1990年代前半までは、他にもコーレルジャストシステムなどもオフィススイートを開発・供給した。

(Apple社のGUIマシンMacintoshに追随しそれを追撃する形で)1995年8月にマイクロソフトオペレーティングシステム (OS)Windows 95をリリースすると、一般市民まで広く普及し、マイクロソフトが市場の独占を画策し、マイクロソフトWindowsにMicrosoft Officeをバンドルやプリインストールした状態のパーソナルコンピュータを販売するように各メーカーに働きかけ圧力をかけたことで、市場シェアが推定で90%台前半にも達し、当時はMS-Officeがデファクトスタンダードになり、同時に独占禁止法違反容疑で当局によって調査が行われるようになった[5]

(オフィススイートの市場が、事実上マイクロソフトに独占されるような形になってしまい、かなり不健全化してしまったことに対抗して)2002年5月に、オープンソースOpenOfficeサン・マイクロシステムズからリリースされた。(OpenOffice自体の開発は2011年1月で終了したが、このOpenOfficeを直接継承した後継スイートの代表としてLibreOfficeがあり、オフィススイートがあらかじめインストールされていない "素"のパーソナルコンピュータを購入する人は、LibreOfficeをネットから無料でダウンロード・インストールするということが2020年代現在も広く行われている。[注釈 3]

2004年1月にAppleは独自のオフィススイート、iWorkをリリース。

このころまでオフィススイートは、パーソナルコンピュータにプリインストールされたものを使う、あるいはバンドルされたものを自分でインストールして使用するものだった。

2010年代以後は、オフィススイートをクラウドサービスで無料または有料サブスクリプションで利用する形式を、Google、マイクロソフト、Apple、IBMZohoなどが開発供給している。

2010年代以後は個人使用でも法人使用でも、バンドル・プリインストール版の利用する方式と、クラウドサービスを無料または有料サブスクリプションで利用する方式が主要な利用法となっている。

代表的なオフィススイート

オフィススイートの一例、LibreOffice

かつて販売または配布されていたオフィススイート

その他

  • Multi-Tool Family - マイクロソフトMultiplan、 MultiChartなど。セット販売ではないためスイートではないが、複数で一揃え構成していた)

脚注

  1. ^ : Office software
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]
  4. ^ MS
  5. ^ CFI, Microsoft Antitrust Case.
  6. ^ オフィススイート界に登場した新たなオープンソースツール「FreeOffice」
  1. ^ 初期のものは1978年のCP/M向けWordStarあたり。
  2. ^ 最初期のものは1979年のApple II向けのVisiCalc
  3. ^ LibreOfficeの基本的な使い勝手は、MS-Officeとほとんど変わらない。

関連項目




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