アリストテレス アリストテレスの概要

アリストテレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 14:31 UTC 版)

アリストテレス
生誕 紀元前384年
死没 紀元前322年
時代 古代哲学
地域 西洋哲学
学派 逍遙学派
アリストテレス主義
研究分野 論理学
自然学
生物学動物学
形而上学
倫理学
政治学
修辞学
演劇
主な概念
中庸 (ギリシア哲学)
理性
アイテール
四原因説
三段論法
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プラトンの弟子であり、ソクラテス、プラトンとともに、しばしば西洋最大の哲学者の一人とされる。知的探求つまり科学的な探求全般を指した当時の哲学を、倫理学、自然科学を始めとした学問として分類し、それらの体系を築いた業績から「万学の祖」とも呼ばれる[2]。特に動物に関する体系的な研究は古代世界では東西に類を見ない。様々な著書を残し、イスラーム哲学や中世スコラ学、さらには近代哲学論理学に多大な影響を与えた。また、マケドニア王アレクサンドロス3世(通称アレクサンドロス大王)の家庭教師であったことでも知られる。

アリストテレスは、人間本性が「する」ことにあると考えた。ギリシャ語ではこれをフィロソフィア[注釈 2]と呼ぶ。フィロは「愛する」、ソフィアは「知」を意味する。この言葉がヨーロッパの各国の言語で「哲学」を意味する言葉の語源となった。著作集は日本語版で17巻に及ぶが、内訳は形而上学倫理学論理学といった哲学関係のほか、政治学宇宙論、天体学、自然学物理学)、気象学、博物誌学的なものから分析的なもの、その他、生物学詩学演劇学、および現在でいう心理学なども含まれており多岐にわたる。アリストテレスはこれらをすべてフィロソフィアと呼んでいた。アリストテレスのいう「哲学」とは知的欲求を満たす知的行為そのものと、その行為の結果全体であり、現在の学問のほとんどが彼の「哲学」の範疇に含まれている[3]

名前の由来はギリシア語の「Ἀριστος」(最高の)と「τελος 」(目的)から [4]


注釈

  1. ^ 古代ギリシア語ラテン翻字: Aristotélēs
  2. ^ 古代ギリシア語: φιλοσοφία

出典

  1. ^ "アリストテレス". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2022年3月14日閲覧
  2. ^ 「哲学者群像101」p36 木田元編 新書館 2003年5月5日初版発行
  3. ^ a b c 立花隆『脳を究める』(2001年3月1日 朝日文庫
  4. ^ Behind the Name: Meaning, Origin and History of the Name Aristotle”. behindthename.com. 2011年6月20日閲覧。
  5. ^ 山本光雄 『ギリシア・ローマ哲学者物語』 講談社〈講談社学術文庫〉、2003年、154頁。ISBN 9784061596184
  6. ^ 中畑正志「プラトンとアリストテレス」(『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生 〔古代I〕』中央公論社、2008年、p641)
  7. ^ G・W・F・ヘーゲル『哲学史講義Ⅱ』河出文庫、2016年、P.329頁。 
  8. ^ 『数学と理科の法則・定理集』アントレックス、2009年、150、151頁。
  9. ^ 世界の見方の転換1 天文学の復興と天地学の提唱. みすず書房. (2014) 
  10. ^ a b 堤之智. (2018). 気象学と気象予報の発達史. 丸善出版. ISBN 978-4-621-30335-1. OCLC 1061226259. https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b302957.html 
  11. ^ a b c d e 世界の見方の転換3 世界の一元化と天文学の改革. みすず書房. (2014) 
  12. ^ 河井徳治 2011, p. 1.
  13. ^ a b 河井徳治 2011, p. 2.
  14. ^ a b 世界の名著8『アリストテレス』. 中央公論社. (1979) 
  15. ^ 世界古典文学全集16アリストテレス. 筑摩書房. (1966/08) 
  16. ^ Aristoteles.; アリストテレス. (2018). Chosaku danpenshū : 2. Uchiyama, Katsutoshi., Kanzaki, Shigeru., Nakahata, Masashi., Kunikata, Eiji., 内山勝利., 神崎繁.. Tōkyō: Iwanamishoten. ISBN 978-4-00-092790-1. OCLC 1078647540. https://www.worldcat.org/oclc/1078647540 
  17. ^ 「キリスト教の歴史」p75 小田垣雅也 講談社学術文庫 1995年5月10日第1刷
  18. ^ アンナ・コムニニ(アンナ・コムネナ) 著、相野洋三 訳『アレクシアス』悠書館、2019年。 p1
  19. ^ 井上浩一『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』白水社、2020年。 p137
  20. ^ 「医学の歴史」p140 梶田昭 講談社 2003年9月10日第1刷
  21. ^ 「キリスト教の歴史」p102 小田垣雅也 講談社学術文庫 1995年5月10日第1刷
  22. ^ ルイス・ハンケ 『アリストテレスとアメリカ・インディアン』佐々木昭夫訳、岩波書店岩波新書〉、1974年。
  23. ^ フランツ・ブレンターノ『経験的立場からの心理学』(Psychologie vom empirischen Standpunkt.)
  24. ^ 「ところで、ウニの口は始めと終りは連続的であるが、外見は連続的でなく、まわりに皮の張ってない提灯に似ている」(アリストテレース動物誌』 上、島崎三郎訳、岩波書店〈岩波文庫 青604-10〉、1998年12月16日、p. 174頁。ISBN 4-00-386011-Xhttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/38/X/3860110.html 
  25. ^ 藤代幸一アリストテレスの笑い 美女に馬乗られた哲学者』創造社、1972年https://dl.ndl.go.jp/pid/12218052 NDLJP:12218052


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